EnB05号 目次
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技術ですら議論ができない

■Report
アルバータ、オイルサンド開発の現状

2010年度国内電力投資12%増

■GLOBAL Report
・韓国建設・プラント輸出、年間700億ドル台も可能か
・・・Black & Veatch、スマートグリッド分野でM&A
・・・AMEC、環境コンサルタントEntecを買収
・GEの石油部門、内部成長による拡大は困難
・・・Baker HughsのBJ買収、ようやく実現
・・・Schlumberger、更に2件の買収

■TOPICS
岐路に立つ豪州LNGプロジェクト

迷走する原子力国際展開-「新重商主義」は有効か?

■NEWS Flash
・日揮〜伊藤忠、バイオエタノール事業実施へ
・住商〜AEパワー、バーレーンで変電設備
・神戸製鋼、MDREXおよび新製鉄法で実績
・Hitz、秦野市伊勢原市向け焼却炉受注
・ENAA、プロセスプラント標準契約書2010年版を刊行
・ダッソーシステムズ、IBM-PLM事業を統合
・神鋼環境ソリューション、川越市向け資源化センター竣工
…Hitz、成都市向けごみ焼却炉稼動開始
…三菱重工、アブダビに駐在員事務所
…東芝-WH、英国でウラン製品合弁
…JAIF、ベトナムで事務所開設
…新興プランテック、トレーニングセンター完成

■Projects News
…韓国、ヨルダンの研究用原子炉を正式受注
…IDB、アラムコにローン貸与
…Arkema、中国で過酸化水素プラント
…豪Curtis LNG、東京ガス向けにLNG供給契約
…中国鉄道、インドネシアで鉄道建設受注
…米DOE、CCSでNRGを選定
…斗山重工、ニューカレドニアの発電所受注
…FW、南アでワックス増強PJ受注
…Iberdrola、独で洋上風力
…ICA Fluor、PEMEXから低硫黄ガソリンPJ受注
…インドネシア、シェールガス開発でテンダーへ
…L&T、アロマティクスプラント受注
…三造、デンマークからバイオマスエタノール技術
…物産とプルタミナ、チラチャップでJV解消
…Petrofac、QPからガス処理設備
…ベトナム、Nam Con Son2期に13億$
…POSEC、チリから石炭火力
…POSCO、ベトナムでさらに製鉄所建設を計画
…APLNG、EISを取得へ
…サウジRas Tanura、サイト変更か?
…サウジでPOM計画
…アブダビShahサワーガス計画、2014年運転開始
…中国江蘇省泰興市でSMプラント
…Technip、インドで軽油水素化処理装置受注
…Tecnimont、インドで肥料プラント受注
…四川のガス開発でShellとCNPCが合意
…世銀、タジキスタンの水力発電を推進
…ブラジル高速鉄道PJ、日韓中の争いに

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 07号 表紙

 

EYE
技術ですら議論ができない

 「財界には輸出を語れる人がいないんです」という話を聞いた。さもありなん。かつて日本政府は米国の貿易赤字の解消への協力のため、輸出を政治課題とすることを意図的に避けてきた。その背景があるから、経団連などの財界では、輸出振興などということを提言することもできず、輸出に関する人材も乏しくなったのだろう。こうした状況が日本の将来にとって良かったとは到底、思えない。その結果が、最近の「日本は出遅れた」という過剰なまでの危機感を生み出す要因となっている。
 その埋め合わせなのか、かつて、これほどまでに政府が輸出に対して積極的になったことがあるだろうか。昨今の輸出に関する180度の転向は、輸出産業としては歓迎はするが、いささか戸惑いも感じる。そんなに悲観しなくてもいいんじゃないか?と思いつつ、今の議論には違和感も付きまとう。
 経済産業省では、産業競争力部会を設置し「技術と知財で勝ったはずのわが国企業がグローバル市場で勝てないのは何故か」といったような議論をしている。だが、本当に今まで勝ってきたのか?という疑問もある。日本の技術は高水準である、と言った時、その技術とは何を指すのか?ガラパゴス化した高度な技術というのは、グローバルで勝ったことにはまったくなっていない。
 こういう話をすると「いや、日本はパーツを全世界に供給しているんだから、技術はガラパゴス化していない」という人がいて面食らってしまう。相手の要求仕様、あるいは国際標準があってこそパーツは売れる。そういう製品を作り出す技術とシステム技術とは違う、ということが理解されていない。
 またガラパゴス化に関連して、「相手国の求めるレベルまでスペックダウンするべき」という話に対して「技術は相手に合わせるものではなく、新しい発想が必要」という反論を食らった人がいるという。これもまったく異なる「技術」の話を混同している好例だ。
 日本は科学技術立国を目指すと言いながら、その「技術とは何か」という哲学ができてない。これでは議論にすらならないではないか。

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EDITORAL
編集後記

○…欧米人が主導している動物保護運動は、自然の摂理であるかのように世界中に押し付けられているが、その大半は欺瞞に満ちたものであり、過去の自分たちの動物や自然に対する犯罪行為の贖罪にすぎず、欧米外の人間にとって預かり知らぬものだ。
 その典型は反捕鯨運動だ。米国を本拠とするシーシェパードなる環境テロリストに日本の調査捕鯨が攻撃され、太地町の古式捕鯨の不当な告発映画にアカデミー賞と、国際世論を反捕鯨・反日に駆りたてている。
 ペリーによる日本開国から150年以上の歴史だが、米国による日本開国のニーズの一つとして捕鯨船の補給地の確保があったのは良く知られている。戦前の外交史家田保橋の名著「近代日本外国関係史」によると、米国の捕鯨業は独立以前からの歴史を有するが、19世紀に入って洋上捕鯨が開始され、乱獲を繰り返して新漁場を開発していき、米国捕鯨業の黄金時代であった当時は日本列島沖に漁場があったという。
 鯨の最大の用途は鯨油である。燃料油・原料油など様々用途があった。日本人のような食肉用途はマイナーだ。灯火用途は石油による灯油が普及する以前の欧米の主燃料であった。鯨資源量は制限があるのに対し、石油や植物油脂の生産拡大で代替されていった。反捕鯨運動は鯨油目的の乱獲を繰り返した欧米捕鯨業の贖罪の典型といえる。

○…最近、夜のゴールデンタイムのテレビ番組が非常につまらなくなったと感じる。在京民放キー各局の夜7時〜9時ごろまでの番組が同工異曲に思えて仕方がない。どの局も2〜3時間にわたって同じような番組を流している。連日、お笑いタレントを大挙して出演させ、楽屋オチのような話で始終。あるいは顔ぶれがいつも同じのクイズ番組などなど。特にこの4月からの番組改編でその傾向が強くなったような気がする。たまに、真面目な政治番組かと思えば、お笑いタレントの一員と見まごう政治家、評論家が登場し、その討論の行く着く先はまるでお笑い番組の展開。
 こう感じているのは私だけかと思ったら、周りに聞いても同じような感慨を持っている。「それなら、観なければいいだろう」と言われれば、全くその通りだ。
 どうやら、景気が悪くスポンサーががた減りし、どの局も番組に金がかけられなくなっているらしい。そこで安易な番組づくりしかなく、劣化した番組の氾濫となっているようだ。
 そんな粗製濫造のような番組は観なければ済む話だが、そう感じている人が多いとすれば視聴率はますます減るだろう。そしてスポンサーも減る。悪循環に陥らなければいいがと思いながら、私は今日もテレビを消している。

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