EnB06号 目次
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■EYE詳細へ
世界に通じる人材育成へ

■INTERVIEW
インターグラフへの統合で統合化が加速
デザインと解析の完全なる相互運用性の確立へ
インターグラフ筆頭副社長 トム・バーン・ラン

■GLOBAL Business
・英国サービスコントラクター業界で大型合併
・Jacobs・モロッコ燐鉱石公社、合弁事業に調印
・パイプライン大手Willbros、送配電分野に進出
…Baker Hughs・BJの合併さらに延期
…デザインファームNBBJ・Chan Krieger統合

■TOPICS
エンジは“SysML”を活用できるか?

東芝、原子力事業で多面展開

三菱重工、グローバル展開を強化、海外生産等拡大へ

ENAA、新規人材開発プログラム

■NEWS Flash
・インドのスマートコミュニティで日揮などがFS
・Hitz、台湾地下鉄向けにシールド掘進機受注
・バラスト水処理設備で国内初承認
・JBICの動き
…川崎重工、POSCOから炉頂圧タービンを受注
…神戸製鋼、国内最大の圧縮機大型試験設備を稼動
…加地テック、API適合水平対向型(横型)圧縮機を開発
…IHI、世界初のオゾン水内視鏡殺菌機販売開始

■Projects News
…韓国電力とトルコEUAS、原発事業で協力へ
…Al-Zour Northでテンダー
…Aker、ブラジルのFPSO向け設備を受注
…Yanbu製油所ハンドリング設備で入札延期
…Aramco、Jizan製油所の事業権獲得が有力に
…Aramco、硫黄回収設備をJacobs Engineeringに発注
…中国Changling製油所の能力を倍増
…中国、米高速鉄道PJに応札へ
…広東省に新たなLNG受入基地計画
…Technip、ウズベクGTLのFSを受注
…Worley子会社がサハリン1PJ受注
…Suncor、Firebagを拡張へ
…FW、ウガンダの製油所でFS
…GE日立、イタリアの次世代原発開発に協力
…韓国Hyosung、ブラジルでスパンデックス工場
…現代重工、サウジで発電プラント受注
…印Karnataka、LNGターミナルを計画
…サウジMarafiqでJacobsがPM
…L&T、印HFLから肥料プラント受注
…L&T、印OMPLからアロマティクスプラント
…Donggi-SenoroLNG、前進へ
…PetriVietnam、パイプラインJVで合意
…豪PreludeのFLNGでTechnip〜三星重工が受注
…大林産業、サウジの石化プラント初期業務受注

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 06号 表紙

 

EYE
世界に通じる人材育成へ

 エンジニアリング業界には今年も新人が入ってきた。この業界は人材こそが最大の資産であり、新人は優秀な人材へと、大事に育成していかなければならない。だが、会社単位での人材育成プログラムには限界がある。講師となる先輩社員もまた、とても忙しいのである。とてもじゃないが手取り足取り、一から丁寧に教えていく、なんてことが万全にできるとは限らない。数年前のプラント建設ラッシュ時には、各社ともプロジェクトの遂行に追われて、十分な人材教育ができていなかった、と反省している。
 それでなくとも、これまでの業界の努力により、少しずつ知られるようになってきたとは言え、「エンジニアリング産業」が大学の理工学部でさえ、殆ど知られていないという状況であり、エンジニアリングの基礎知識を新卒者にあまり期待するわけにも行かない。
 という訳でエンジニアリング振興協会(ENAA)がエンジニアリング産業の人材開発プログラムを再整備した。各社個別の育成プログラムはもちろん重要だが、業界として人材の高度化を図っていくことは、日本のエンジニアリング産業の競争力の強化にもつながっていく。力のある会社があればよいのではなく、業界の底上げによって、日本への信頼が高まっていき、世界市場でのプレゼンスを高めていくことになる。
 一方で、企業としてやるべき人材育成も重要だ。随分以前だが、韓国のサムソングループでは、社員が映画を見ても、ジムに行っても、語学をやっても、全て会社がお金を出してくれるという話であった。そこまで極端でなくても良いが、学習できる機会をどれだけ社員に与えることができるか、は重要なポイントだと思える。また海外に展開するに当たって、その地域の言語だけでなく文化などを深く理解している人達を派遣。さらにその現地サイドでの発言権を保障していることで、今のような世界での事業展開を可能とした、という話もテレビで紹介されていた。
 優秀な人材というのは、作業を旨くこなして行くことは勿論だが、世界に出て行ったときの「人間力」をどれだけ備えているか、ということでもある。人材育成もさらに高度化していくことになりそうだ。

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EDITORAL
編集後記

○…「グローバル経済の転換点」(中井浩之著、中公新書)という本を読んでいる。リーマンショック以降の深刻化した世界経済危機を受けて、グローバル化した世界経済、アジア・日本経済の今後の変化を考えるものだが、副題を「アリとキリギリス」で読み解く世界・アジア・日本としており、日本・中国など輸出主導国をアリと米国など内需主導国をキリギリスとしてイソップ寓話に擬えて論じている。この本の構成はグローバル化総論、世界の主要国の類型分析、東アジア諸国の実例分析、今後の日本経済と続くのだが、「あとがき」によると、これは平家物語冒頭の「祇園精舎の鐘の声(略)遠く異朝をとぶらえへば(略)近く本朝をうかがふに云々」という節の構成に倣ったものだそうで、なかなかこったつくりの本だ。
 日本・中国などアジア諸国と米国との関係は具体的分析もあって「アリとキリギリス」の寓話も生きており、納得でき示唆に富んでいる。日本が90年代以降の日本経済が@経済成長 Aモノ作り拠点としての優位性 B主体的に経済構造の改革に取組む意思の3つを失ったと分析する。今後、日本は主体的構造改革への取組み、東アジアへの対外経済政策の転換が必要と示唆する。
 欧州圏について実例分析がないのは残念だ。本書の欧州諸国類型わけをみても東アジアのようには単純ではなさそうだが。

○…NHK大河ドラマの影響か、坂本龍馬がもてはやされているようだ。なぜそう感じるのかといえば、本屋の店頭での関連書籍の展示、TVコマーシャルなどを見て、「これは何度目かの龍馬ブームだ」と思った。
 大体、大河ドラマで放映されると、関連する場所、地元では一大宣伝合戦が繰り広げられる。そんなものは一過性に過ぎないのは分かりきっているが、当事者は真剣である。実は、わが地元でも数年前に「新選組ブーム」とやらで地元商店街が派手に幟をはためかせていたが、今はひっそりとしている。熱しやすく冷めやすい我らが血のなせる業か。
 ところで今回が龍馬ブームだとすると、何度目のことか探ってみた。前回は、私も読んだ司馬遼太郎の「竜馬がゆく」がベストセラーになった時だろう。小説だから飛び抜けて魅力的な人物に描かれている。美化されていても私ども凡人は、小説、テレビドラマの内容がすべて史実に基づいていると思いがちだ。
 維新後忘れられていたとされる龍馬が最初に注目されたのは明治16年の新聞小説によってらしい。戦前は、映画によって庶民のヒーローになっていく。維新の功労者であることは間違いないだろうが、小説、ドラマと史実は別物であることを肝に銘じている。

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