EnB11号 目次
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政策金融改革のスジを通せ

■INTERVIEW
日本での知名度向上と販売拡大を図る
配管応力解析のトップとして技術高度化を
COADE代表取締役CEO Thomas J. Van Laan氏

■REPORT
日立プラント、環境に貢献するライセンス事業

三菱重工、市場回復期への体制整備へ

■GLOBAL Report
米国コントラクター、復活まで受注残と経営力に依存
2008年の米国エンジニアリング企業の動向(2)-コントラクター編-

■TOPICS
広がるか?3次元計測

ベル工法協会が発足

■NEWS Flash
・日揮、アルジェリアでガス処理プラント受注
・TEC、FCC・プロピレン回収プラント受注
・新日鉄、コンクリート中詰め合成セグメントを開発
…日揮、丸紅などのCDMが日本政府承認
…「蓄電池システム産業戦略研究会」が発足
…日立製作、新エネルギー事業で2000億円目指す
…山武、CO2削減の国内クレジット制度に応募
…新日鐵、シーメンスからサプライヤーアワード
…IHI、LNGエンジン燃焼試験設備を完成

■Projects News
…Aramco〜Total、Jubail石油石化計画で再入札
…Adnoc、Shahガス田開発でEPC入札へ
…Sipchem、LDPE-EVAでExxonプロセスを採用
…アブダビABS、フローティングGTLでAIP
…Aker、Codelcoの熱交換器更新を受注
…Alstom、潮流発電をライセンス
…RGEとBP、独でソーラーパーク建設へ
…ヨルダンでも太陽光発電
…スロバキアに原子力発電プラント計画
…チリ鉱山省、地熱開発で入札へ
…Celanese、中国酢酸プラントを増強
…斗山重工、米原発に機器供給
…FERC、DownestLNGを条件付で容認
…アブダビ石化コンプレックスでFEED発注
…豪州PlutoLNG第2系列で原料ガス選定へ
…CNPC〜Total、年内にガス処理プラント着工へ
…バタム島で新規製油所計画
…GazpromとSiburがガス精製で協業へ
…GE、バルセロナで汽水淡水化設備を運転へ
…GE、カザフスタンで鉄道サービス契約
…Imperial Oil、オイルサンドPJを推進
…韓国電力、フィリピンで水力発電建設
…Petronas等、フローティングLNGでJV
…Veolia、ドーハで廃水再利用設備O&Mを受託
…Reliance、Jamnagarエチレンで再プロポーザル
…Uhde、インドでクロルアルカリ転換PJ受注
…サウジ電力、Rabigh発電所増強PJで入札へ

■フォーラム
■海外・国内主要プロジェクトの動向
■最近のプロジェクト受注・契約状況
■連載
しらないでは済まされない
海外プロジェクト建設法律のミソ
■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 11号 表紙

 

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政策金融改革のスジを通せ
先般、政府の輸出金融に関する二つの記事が載った。ひとつは一面トップの「日中、途上国支援で協力」という記事。アジアのインフラ案件を、日中の共同事業体(JV)が受注する際、日本の輸出信用機関(ECA)である国際協力銀行(JBIC)と中国のECAである中国輸出入銀行の両行が協調融資するスキームを構築するという。輸出信用の供与だけでなく、海外への輸出金融を中国と一緒にやることで、コストの低減を図り受注機会を拡大させるのが狙いだ。しかし輸出産業の反対を押し切って、独立機関であったJBICを「日本政策金融公庫」に統合したものの、資源獲得を含めて、その存在意義が年々高まっているのには、苦笑を禁じえない。もうひとつは、国際協力機構(JICA)の海外投融資の再開を検討するというもの。海外経済協力会議で検討を行い「骨太方針2009」に盛り込む意向だという。しかし、円借款業務をJBICから分離、JICAに統合してODAをJICAが一元的に管轄。OOFはJBICが一元的に管轄するようにしたのが政策金融改革ではなかったか。

それが、今回、新たにJICAが海外投融資を行えるよう検討するというのである。これでは「あの政府系金融改革はなんだったのか?」と言いたくもなる。そんなことをするぐらいなら、ECA機能を有するJBICを再び独立機関に戻してもらいたいものである。

この二つの背景にあるのが「ODAの頭打ち」であるという。ODAが増額できないため、外交手法が限られてしまっている。そのため投融資金融を広げようというのだ。

 「ODAが減っていることで外務省の仕事がなくなっている。投融資を復活させることで外務省の業務拡大、利権拡大を図っている」という見方をする人もいる。おそらくそれも背景の一端であろう。しかしこれは本末転倒だ。

 投融資に関してはJBICの担当で仕切りができているはずだ。投融資を増やすのならば、JBICを独立させ、投融資を拡大させるのが筋だ。外務省管轄のJICAと財務省管轄のJBICが同じ機能を有するのは業務を非効率化させることに他ならない。
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編集後記
○…「設備投資落ち込み最大」「財政再建2020年に先送り」「EU、資本注入枠42兆円」「日中、金融危機克服にへ連携」「米経済運営にオバマ流」、「経常黒字54.5%減」「(国債や国際機関債)世界で発行倍増、100兆円に」、これらはここ2日の新聞記事のタイトルだが、未曾有の不況の中で厳しい不況の現況とやっきになって景気浮揚を図っている各国政府の姿が見えている。

 首相が2020年時点での温暖化ガス排出削減中期目標05年比14%減(1990年比7%減)と表明するという記事もあった。経済界の主張する4%減と環境推進派の30%程度の間をとったものだそうだ。経団連会長は「今回の決め方によって、10年間の企業の命運を左右する。目標の決め方は国民に必ずしも理解されていない」との認識を示したという。中長期の責任を問われない政治家と違って、企業は中長期も存続する。

 ほとんど不可能とされていた日本の京都議定書目標達成について、官僚は楽観視しはじめた。世界・日本の景気が低迷したからという。日本の炭酸ガス発生量が減り、かつ世界的な排出量減で価格が低下、排出枠購入が容易となったという理屈だ。経済成長を低下させることが最大の温暖化ガス削減策であることを、いみじくも今回の大不況が証明した。温暖化ガス対策は今必要ではない。他にやるべきことが山ほどある。

○・・・最近、暑さ、寒さなど何でも異常気象のせいにしているような気がする。「こんなに今年の冬が暖かいのは温暖化だから」等々。それでも季節は巡る。梅雨もかならずやってくる。気象庁が6月9日「九州、東海地方は梅雨入りしたもよう」と発表、平年より大分遅いと言う。関東地方も間もなくだ。

 しかし、梅雨入りしたからといって嘆く必要は全くない。雨の好きな人にとっては慈雨の季節だし、晴天が好きな人にとって「梅雨の晴れ間」は、通常の晴れ間より余計に嬉しい違いない。「鬼の居ぬ間の洗濯」と同じように、よろこび、楽しみが倍加する。

 しかし、雨にたたられ、楽しみが全ておじゃんになった経験を最近した。五月晴れの季節の筈である今年5月、不思議と我が地方では土日になると悪天候になる日が続いた。「出勤する平日は雨でも構わない、スポーツをやる、登山に行く土日だけでも晴れて欲しい」と思っていたのだが、これが全く逆のパターンになった。

 一方、「出勤するときは晴れて欲しい。土日は雨でも静かに読書」など真面目な人にとっては大歓迎だった?これは単に巡り合わせで、異常気象とは何ら関係がない。しかし、これからの土日は「梅雨の晴れ間」が続いて欲しい。それの方が多少、景気浮揚に繋がるはずだ。
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