EnB06号 目次
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燃料電池、語られない阻害要因

■REPORT
水素・燃料電池開発のハードルを越えろ

■GLOBAL Business
・クウェート、大型製油所プロジェクトをキャンセル
 中東のキャンセルで、韓国の海外建設市場に赤信号
…TecnimontとWorleyParsons、LNGで提携
…Aker Solutions、サウジのACECと事業提携

■GLOBAL Report
海外エンジニアリング大手、2009年は厳しい受注
世界エンジニアリング企業業績動向(3)

■TOPICS
三菱重工、J形ガスタービン開発

■NEWS Flash
・丸紅、ベトナムからアルミ精錬プラント連続受注
・千代田化工建設、カタールで長期サービス契約
・三菱重工、米国原子力COLプロセスが進展
…日揮、MRJに出資
…GE日立、印国営2社と原発で技術協力
…新日鉄エンジとトピー工業が橋梁事業を統合へ
…MBE、富津に生産拠点設立
…日立製作所、木質バイオマス+風力でESCO

■Projects News
…江蘇省LNGでJV契約
…PDVSA、LNGでJV形成へ
…FW、Sasol向けにFS等を実施
…ブラジル政府、3,300MW水力を承認
…Pertamina、精製能力拡大に向け新規PJ
…カザフ、2015年まで化学分野で90億ドルを投資
…豪Nexus、FPSOで交渉中
…Rabighフェーズ2でPQ
…Conocoカナダのオイルサンド計画を遅延
…Teekay、FLNGでメリルチンチと合意
…英原子力入札がスタート
…ExcelonとGE日立、コバルト60でJVへ
…ExxonMobil、5年間で最大300億ドルを投資
…印Dahej石化PJにGailが出資
…PetroChina、広西でアロマを計画
…FW、イラクから原油輸出ターミナル改良を受注
…リビアで製油所改良計画
…香港・珠海・マカオブリッジ計画が前進
…マレーシアKedah製油所計画が前進
…サウジIWPP計画をEPCベースに変更へ
…Arzewのエタンクラッカー商談でPQ実施
…Lotteエンジ、リビアのインフラ建設を受注
…ABB、クウェートの変電所受注
…ABB、カナダの水力改修を受注
…FW、BPから受注
…GS建設、イラン・サウスパースを完成

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル
■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 06号 表紙

 

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燃料電池、語られない阻害要因
電気自動車、プラグインハイブリッド自動車と、はなばなしくローエミッションヴィークル(LEV)が相次ぎ市場投入されていくなかで、燃料電池自動車(FCV)は若干影が薄くなっている。実用化には、コスト面や耐久性、インフラ問題など多くの課題が残されているためだ。

しかし今年に入って、家庭用燃料電池では本格的に普及拡大に向けた活動が開始された。荏原やパナソニック、東芝などの家庭用燃料電池システムが売り出されておりテレビコマーシャルまで始まった。一般には太陽光発電や風力発電に比べて、今一つ認知度の低い燃料電池システムだが、とりあえず環境に良いらしい、ということは伝わりつつある。

燃料電池の問題は、それが家庭用であれ自動車用であれ、電気オンリーのシステムにとの競合があることである。家庭用燃料電池は、明らかにオール電化住宅への対抗として売り出されている感がある。だが、オール電化が大規模マンションまでカバーできるのに対し、家庭用燃料電池は基本的に戸建て住宅のみが対象となっている。またオール電化ならエネルギーコストは電気料金だけだが、燃料電池ではガス料金と電気料金の二つの請求が必要であり、従来と変わらない。これは意外に重要な問題だ。手間は今までと変わらないのである。燃料電池導入と同時に、エネルギーコストの請求を一括化でもすれば、よりメリットをアピールできるはずだ。

移動体では、水素を積むことになる。水素に対する恐れの気持ちは意外に強い。交通事故時に大規模爆発が起こるのではないか。あるいは、水素ステーションから水素が漏れて爆発したら怖いとか、周辺住民の感情を予想すると、相当の努力が必要な気がしてくる。

技術面では、かなり進展してきてはいるものの、いざ導入を進めようという時には、基本的に水素を原料とするという時点で、国民に受け入れられるかどうか。今のところは、高コストであり、インフラ整備もままならないため、表面化して来てはいないが、技術よりも感情面での抵抗を和らげるのは、なかなか難しいものがあるように思う。
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編集後記
○…WBC、日本は優勝、前回といい今回といい、よくも悪くもイチロー中心、イチローJapanの二連覇であった。天才打者イチローにとってこうした短期決戦は得手とは思えないが、イチローをシンボルに選手がまとまることで力を出すことができたのは北京オリンピックとは大違いだ。北京との違いでは中核選手が北京までのアマ以来の30代の選手から20代に世代交代したこともある。どうやら韓国もそのようだ。
韓国と5回も戦う羽目になったが、大リーグも含め左打者の選考が多すぎるなどのミスをつけこまれ、大苦戦したが、5回も戦ったことでトップ級選手の層の厚さの違いなど地力の差がでて逃げ切った。
日韓戦が続くなかで日韓に偏狭なナショナリズムの論調が生まれたのはいただけない。日本プロ野球でコリア系中国系の選手の貢献度ははかりしれない。そもそも野球選手の国籍や出自は基本的に関係ない、その選手に見合った野球をやれる場で活動するのが本業だ。生まれ育った故郷への恩返しや野球の普及のためにナショナルチームに参加するのは大事なことだが、国粋主義に選手を巻き込んでほしくない。サッカーやオリンピック主競技に比べると、野球は国籍を移すなどといった行為がないなど、健全な国民スポーツだ。WBCは節度あるナショナリズムの場を続けてほしい。

○・・・日本がWBCで二連覇達成を成し遂げた。韓国との決勝戦は、日本が押し気味で試合を進めたとはいえ、どちらが勝利してもおかしくない試合展開であった。延長10回走者二三塁で、この日打撃好調なイチローを敬遠せず、果敢に立ち向かった韓国バッテリーの勝負魂に敬服した。この決勝戦を観戦していて考えた。
野球が次のロンドンオリンピック種目から外されたのに伴い、WBCは今後ますます注目される国際試合となるだろう。その時の覇者と目されるのはアジア勢ではあるまいか。何よりも国を挙げての熱狂的な応援が背景にある。日本、韓国そして中国も台頭してくるはずだ。アジア勢以外では、キューバは別としても米国、ベネズエラ、メキシコ、オランダなどの諸国より国民的な熱狂度が違う。間違いなく野球は、東アジアでの国民的スポーツの筆頭としてその地位を高めていくだろう。
そうなると、台湾も含めた近隣4カ国が、野球で競うことによって少しでも偏狭なナショナリズムの台頭を防ぐことができるかもしれない。観客が互いに相手チームの好プレイを称えあう、そういうことができる可能性を秘めているのは野球ではあるまいか。
経済的にも政治的にも閉塞感ただよう今日、WBCでのアジア勢の活躍は、間違いなく我々に明るい話題を提供してくれた。
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