EnB02号 目次
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石炭復権への道

■REPORT
新日鉄エンジ、石炭ガス化で世界最高効率達成

減少するも高水準維持した上期プラント成約

■Global REPORT
中国海外コントラクト受注、1000億ドル超

韓国プラント輸出・建設輸出、500億ドルに未達

世界エンジニアリング市場展望(2)ブームから急落へ

■GLOBAL Business
・大宇造船海洋売却交渉、ついに白紙化
…WS Atkins、210名の人員削減を計画
…IPIC、MAN Ferrostaalの70%株を取得
…AMEC、韓国国営企業とエネルギー分野で提携
…Fugro、米国企業買収
…Foster Wheeleer(FW)、本社を再移転

■TOPICS
対中東協力を強化する経済産業省

■NEWS Flash
・豪州イクシスLNGでFEED発注
・三菱重工、GTCC相次ぎ受注
・横河電機、制御システムの受注続く
・水循環システム協議会が発足
・エネ庁、新エネ社会システム推進室を設置
・カワサキプラント、小水力発電システムに参入
…総合資源エネ調で石炭部会発足へ
…BWSC、キプロスからDE発電設備受注
…日本ガイシ、アブダビからNAS電池受注
…極東開発、韓国企業にRDFプラント技術を供与
…日立造船、産業廃棄物焼却炉を受注
…JAG、トピー工業にパイルジェット納入
…三菱商事、カナダLNG輸出PJに参画

■Projects News
…Bechtel、エジプトの原発でコンサル
…ExxonMobile、製油所を拡張へ
…EonとRWEが英国で原子力発電計画
…ICA Fluor、オフショアプラットフォーム受注
…KBR、アンゴラで製油所関連業務受注
…Lurgi、恵州のアクリル酸プラント受注
…ポーランドでガス火力入札
…Alstom Hydro、水力発電設備受注
…Samsungエンジ、印からエチレンプラント受注
…Siemens、イラクから発電機器受注
…斗山重工業、豪州からボイラ改良工事受注
…Petrobras、40億ドルで低硫黄ディーゼル生産
…Pemex、ガス処理プラントを建設へ
…Sasol、インドネシアで石炭液化PJ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 02号 表紙

 

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石炭復権への道
一橋大学の橘川武郎教授は「石炭を悪者扱いするのは間違っている」と主張している。エコノミー、エネルギーセキュリティ、エコロジーの3Eの観点のいずれにしても、石炭を排除するのは間違いだという。
石炭は石油や天然ガスに比べて価格が安い。化石燃料の優等生だ。しかも世界に偏在することがなく、品質を選ばなければ世界のどの地域でも豊富に存在している。このメリットはエネルギー資源として大きな魅力である。この点は今後も変わらない。特に日本にとっては輸入炭の40%が日本企業によって開発された「自主石炭」であり、エネルギーセキュリティの観点からは、日本はもっと石炭を積極的に使うべきだという。石炭火力のシェアも日本の3割弱に対して、ドイツや米国は5割、中国に至っては8割ときわめて高い。こうしてみると、まだまだ日本は石炭の利用量が少なすぎるとも言える。

しかし問題は二酸化炭素や煤塵の発生量が大きいこと。特に二酸化炭素の発生量の多さは、温暖化対策の面から、環境派からは忌み嫌われている。ところが、ここでも橘川教授はきれいに切り返している。

石炭火力の熱効率は日本は世界トップクラス。従って日本の最も効率的な石炭火力技術を海外に普及させれば、それだけで世界の二酸化炭素発生量は大幅に削減される。実際、資源エネルギー庁の資産では米中印3カ国の石炭火力が全て日本並みの高効率となれば、それだけで二酸化炭素発生量は、年間10億トン削減できるという。石炭支持派には頼もしい論客だ。

加えて言えば、CCSやガス化、液化といった高効率プロセスが実用化されていけば、もはや石炭利用での環境面のデメリットは消えさり、価格やセキュリティ面でのメリットを享受できるようになる。

また資源エネルギー庁は、総合資源エネルギー調査会に石炭部会を設置する。新たな石炭政策への取り組みが始まるのだ。また日本企業による石炭の高効率な利用技術の開発も進んできている。

「石炭悪者説」のため、かつて民間企業の石炭火力発電プロジェクトが、中止に追い込まれたこともあるが、今や石炭の復権が始まろうとしている。
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編集後記
○…東京の街角で何十年ぶりかで物乞いを見かけた。ホームレスはいても久しく見かけたことの無かった事象だ。わが国においても不況がいかに深刻かを物語る。日本があまりにも政治不在のためもあってか、日本人までもオバマ新大統領に過大な期待をかけている。しかしいまオバマの提唱している不況対策は未曾有の米国経済・世界経済を救えるものなのか、未知数が多すぎる。

消費に近い自動車業界・電機業界の世界的大不況が叫ばれているが、たちまちに上流へ上流へと波及し、すでにエンジニアリング業界・プラント業界も深刻な不況に入っていることが、今号の日本・韓国・中国のプラント・建設輸出統計によって、計数的にも明らかになっている。

日本のプラント輸出は昨年4-9月の上半期実績にもかかわらず、減少に転じている。本誌にも記載した経産省のエンジニアリング産業統計によると、8月から海外受注は低迷しているから、年度では大きな減少が予想される。韓国のプラント輸出・建設輸出は10−12月期から中東・石油ガス関連滋養の急落が見えている。

それにしても、日本のプラント輸出統計は発表までに3ヶ月以上の時差があって、現在の状況の急変には対処できていない。せめて四半期ベースの数字を1ヶ月後には発表してほしいものだ。


○・・・百年に一度、未曾有の経済危機を身近に感じることが増えてきた。地元自治会の若い仲間が、ここ数ヵ月でいかに「仕事が減った」か、「予定していた計画が中止になった」か、ということを口々に言う。あらゆる業種にまたがっている友人達だ。

また、先日は久し振りに高速道路を走ったが、目に見えて輸送用トラックが減っている。箱根の近くまで走ったが、渋滞は全くなしで予定時間より1時間も早く現地に着いてしまった。

さらに、最近わが郊外駅周辺ののみ屋がいくつか閉店に追い込まれた。我々はより安いのみ屋を求めてウロウロ。場合によっては、ディスカウントショップで買い求めた安酒を家で飲んでガマンする機会が多くなった。ネオンまたたくわが事務所近辺の歓楽街のさびれようも、また異常である。

これでは消費が上向くはずがない。消費が上向き、景気浮揚策になるとされる「定額給付金」のわがつかい道は、確実にのみ代になるはずだ。それでも、景気浮揚の一端を担ったことになるのであろうか。もしなるのであれば、わがご近所総出で1万2千円会費の大宴会を繰り広げようかと思案中である。
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