EnB 21号 目次
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一つのサイクルの終焉

■REPORT
金融混乱の影響ジワリ!?
プラント各社の第2四半期決算状況
プラント受注大幅減−産機受注統計

■Global Business
・Fluor、グローバル拠点を拡大
・上半期の石油石化プロジェクト建設、石化・石精が微増

■TOPICS
資源関連で30兆ドル以上の投資が必要
石油開発は日本のチャンス

■NEWS Flash
・川崎重工、現代建設から蒸気タービン発電機
・Hitz、国内向けリアクターで相次ぐ実績
・電発・IHIなど、カライド電力でCCSを実証
・日本製鋼、300億円の追加設備投資を実施へ
・東芝、中国の水力設備会社の生産能力を増強
・ジャパン・エア・ガシズ、静岡工場を稼動
…ChAS、仙台の下水アセットマネジメント策定業務落札
…新日鉄エンジニアリング、ウニガル向けCGL受注
…JFEエンジ、伊アルバノパワープラント受注
…オルガノ、米原発向け水処理市場に進出
…カワサキプラント、バイオエタノール事業主体に

■Projects News
…Aramco、コスト見直しでPJ延期へ
…サウジ、2011年までにIPP9件の発注を計画
…オマーンDuqmプロジェクトが遅延
…サウジYanu3IWPP計画を推進
…バーレーンも造水発電計画
…アブダビのガスPJのPMC入札実施
…オマーンで排水処理設備入札へ
…Boreals、LDPEでLupotech Tプロセスを採用
…Jacobs、殺菌剤プラントでEPCm受注
…KBR、エジプトからPEプラントのプレFEED
…Tasnee、Jizanで石化コンプレックス

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 20号 表紙

 

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一つのサイクルの終焉
プラントビジネスを、ある期間で区切られるとしたら、その期間の終りが来ているように思える。これまで幾度となく、好況・不況の波を繰り返してきたプラントビジネスだが、90年代のエンジニアリング会社の苦境と、そこからの脱却、そしてプロジェクト・バブルという大きなひとつのサイクルが終わろうとしているように感じる。

これまではどん底から、頂点へと続く上り坂であった。しかしここからは再び、下り坂が始まるように思える。少なくとも、原油高で沸いたプラントプロジェクトへの熱は冷めていくだろう。とはいえ、ここ数年、コントラクターが対処できないほどの盛り上がりであったものが、漸く落ち着きを見せるというだけのことかもしれない。少なくとも今のところ、プロジェクトへの投資意欲が一気に引いていく気配はない。

無論、あまりに楽観的でもいられない。金融混乱がおさまり、再びプロジェクトに向かう資金の流れが太くなっていくには、少なくとも1年はかかるとみられる。中国でも金融機関が大きなダメージを受けて、プラントへの投資が見送られるようになった。おかげで、これまで整理できなかった小規模高炉が今後大型製鉄所に吸収されていき、中国の鉄鋼業における消費原単位が向上していくというメリットもある。

その程度で混乱が収まっていればよいが、より長期化する可能性も否定できない。となると、コストの低下待って延期されていた案件が、今度はマーケティングできないという理由で中止となるという事態が半年後には具現化してくるかもしれない。

一方で温暖化問題は世界のトップアジェンダとなりつつある。この対策のため、多額の投資資金が必要だ、とIEAは警告する。「問題は地下ではなく地上」環境対策のための投資資金が確保できなければ温暖化が進む。また確保できたとしても、新たな技術が早期に実用化され、社会システムを変革していく必要がある。プラントプロジェクトの減退傾向を目前に、新たな技術と社会システム構築がエンジニアリングの次の10年間の重要なテーマとなりそうだ。ひとつの時代の終焉は次の時代の曙光へと続くんだと思う。
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編集後記
○…ハードディスクが壊れ復旧できず、その上、数ヶ月前に別の箇所にとっておいたバックアップが壊れていて、ついに営々と築いていた環境とここ数年のデータを失うに至った。環境の復旧に努める今日この頃である。とくにデータを大掛かりに失った経験はなかったのでショックであった。

最近、クラウドコンピューティングという用語がはやっている。クラウドとはネットワーク端的にはインターネットのことで、データをインターネット上に置き、ソフトもパソコンのものでなくネット上のもので作業しようというコンセプトのようだ。企業がこれを採用しようという動きもでている。個人ベースでもGoogleWebメールの容量が7ギガなど環境を整えつつあるようだ。

パソコンのすべてをクラウドに移行しようとした人が飛行機の機内でアクセスできなかった経験を語っていた。インターネット環境はいまのところ普遍的とはいえないし、品質もバラバラだ。インターネットサービスの障害の頻度はむしろ増大傾向だ。クラウドのサービスは多数のコンポーネントからなり、複雑になればなるほど不具合の発生率は高くなる。企業あるいは個人が全面的に依存するのは極めて危険だ。

それにしてもデータの置き場所の一つとしてインターネットを利用するのは魅力的かつ実用的なようだ。早速実践しよう。

○…わが近隣総出で、恒例の「餅つき大会」を今月半ばに行う。前日から100キロのもち米をとぎ、薪を集めるなど準備をする。当日は早朝から三つのカマドでもち米を蒸かす。そして三つのうすで餅をつき、黄な粉餅、あんこ餅、からみ餅、ネギ餅とそれにお雑煮・お汁粉を大量につくり、配布する。大人には長ネギをきざみ、醤油でまぶしただけの「ネギ餅」が人気だ。子供は黄な粉餅が大人気。会場で食べるお雑煮・お汁粉も好評だ。

ただ、長年続いてきたこの餅つき大会に悩みもある。もち米を蒸す、出来上がった餅を加工するなどの人材には事欠かないが、餅のつき手が年々減少しているのだ。ご多分に漏れずわが町も居住者の高齢化が進んでいる。かつては「○臼ついた」などと自慢した若手ももはや初老の域に達している。一臼ついただけで、もう腰がフラフラ。町を構成していた団塊世代の家庭も、もはや老夫婦だけが多く、若者はごく少数だ。

このため、以前であったら瞬く間につきあがったものが、多分現在では倍近くの時間がかかっている。それでも、機械に頼らず、自分達の手で餅をつくことを辞めようとは思っていない。わが町最大のこの行事は、コミュニティ形成の絶好の機会であり、炊き出し訓練・防災訓練として最大の効果が得られる場だから。
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