EnB 19号 目次
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期待されるジャパンマネー

■INTERVIEW
金融混乱で日本の資金供給力に期待
 プロジェクトリスクは拡大か?
 和光大学経済経営学部教授・経済学博士 岩間剛一氏

情報交流の促進で業界活性化を
 戦略的な“標準化”のあり方を探る
 経済産業省国際プラント推進室長 和泉章氏

■REPORT
プラントデータ標準化に乗り遅れるな
 “PlantTech08”ハーグで開催

■GLOBAL Report
・中国の3四半期の海外建設ビジネス
・韓国プラント輸出・建設輸出、本年500億ドル達成か
・大宇造船機械買収、ハンファが優先交渉者に選定さる

■TOPICS
破綻する容器包装リサイクル
フレインエナジー、英CPIとアライアンス

■NEWS Flash
・TEC、アンゴラ向けFPSO設計業務受注
・千代田化工建設、PNG・LNGでソフト受注
・横河電機、インドの石炭火力向け制御システム受注
・東芝、フランスの原子力発電機補修工事を受注
・BWSC、ケニア向けDE発電設備受注
・丸紅、UCG技術で事業協力契約
・印デリー〜ムンバイ大動脈構想で日印協力
・日韓企業連合がブラジルで鉄鉱石権益獲得
・物産、カナダのGTCCが運転開始
・日立プラント、イオン搬送式除電装置販売開始
…日立造船、中国にシールド掘進機の技術を供与
…山武、台湾にバルブメンテナンスセンター開設
…三井造船、既設コンテナクレーンを地上給電化
…三菱重工、フィンランド・ロックラー社を買収へ

■Projects News
…モンゴル初の製油所プロジェクトが進展
…Technip、Siburからエチレン増強PJ受注
…ABB、南アから電力設備受注
…サウジAIF、YanbuPPでプロセス選定
…Areva〜Bechtel、UniSterから原子炉設計業務受注
…ブラジル第3の原子力発電計画が前進
…CH2M HILL、モンタナ製油所のFEED受注
…Lummus Global、アラムコにプロセス供与
…印EssarがLNGターミナルを計画
…FERC、Columbia River LNGを認可
…Flour、太陽電池パネル製造工場を受注
…EDF、石炭火力3基で入札へ
…インド企業がモザンビークで肥料プラント計画
…カザフ石化、プロセスライセンサーを選定
…Takreer、Ruwais拡張でUOPを選定

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 19号 表紙

 

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期待されるジャパンマネー
世界の金融混乱の終息には、どうやら最低でも1年程度の時間は必要となりそうだ。サブプライムローン関連およびCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)による負債規模にもよるが、いずれにしろ世界景気の後退局面の長期化はある程度覚悟しなければならないかもしれない。

景気後退が長期化すると、米国市場に依存していた新興国の経済成長もある程度、減速を余儀なくされることになる。従って、あまり長期化すると、世界のプラントプロジェクトを支えていた需要低迷も懸念される。また、資金面では世界の資金流通が淀んできているため、プロジェクト資金の調達にも陰りが出ている。米国の原子力事業者の合併話などは、資金調達力の強化が大きな目的の一つと言える。それだけ、米国での金融市場への不安感が高まっていることの表れともいえる。

そうした懸念の一方で、多少の景気減速が続いても、新興国市場ではもはや生活レベルの引き下げはできないところまで発展しており、エネルギー資源需要の伸びも堅調に続くとみられている。事実、LNGではナイジェリアやインドネシアは輸出を制限するまでに至っている。従ってLNGなどのプロジェクトは今後も需要は高い。しかし問題はプロジェクトのコストだ。原油価格は7月のピークの約半額にまで急落したものの、プロジェクトのコストは下がる見通しがない。

INPEXのイクシスでは、コストは跳ね上がってしまった。マセラ鉱区でもFLNGの採用により、高コストとなりそうだ。それでも需要の低下というマーケットリスクはあまり高くないことから、収益幅は圧迫されてもプロジェクトを推進する意義はある。

販売価格の下落とプロジェクトコストの高止まり、そして世界的な金融市場の縮小のなか、注目されるのが最も痛手の少ないジャパン・マネーだ。おかげで輸出産業には痛手の円高が進行しているものの、海外での資源獲得にはむしろ好都合。欧米やアジアの資金ソースに期待できない今、「日本は資源小国」という不安定な状況の改善につなげることのできる、海外投資の絶好のチャンスと言えるだろう。
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編集後記
○…「ガラパゴス化する日本の製造業」という本を読んでいる。日本を含めたアジアのエレクトロニクス産業の構造変化と要因を分析、日本製造業の10年後のリスクを考察、日本市場が世界市場から孤立化し、閉鎖的なガラパゴス島状況を指摘している。
エレクトロニクス産業で世界のスタンダードから取り残され、日本がガラパゴス化する現状をまず提示する。

日本で売れる特殊なハイエンド化した携帯電話が、80%以上がミドルレンジ以下という現実に直面している。携帯電話以外でも液晶テレビなど日本が特殊市場になり、日本向けに製造エンジニアリングが特化して、世界市場に向けて力を発揮できないという構造問題に日本企業が陥っている現実を指摘し、BRICSを意識した製品開発が必須と述べる。

次にアジア企業とくに台湾企業を分析して水平分業モデルによるコスト破壊を述べ、水平分業化と専業化の現実を指摘し、日本企業の世界で勝ち抜くビジネスモデルを考察している。

最後に自動車産業について価格破壊が起こるシナリオを検討している。インドタタ自動車の30万円車がその兆候で、新興国で超廉価版車の普及がエレクトロニクス同様、自動車産業の構造変化に繋がり、特に設計・製造の水平分業の可能性も検討すべきとする。

○…今年の11月は、世界にとって大きな変革の時として歴史に記憶される月となるかもしれない。まず、米国の大統領選挙である。そして、もしかすると日本でも選挙があるかもしれない。別に、4年に一度とか数年ごとに選挙はあり、驚くには当らないということかもしれない。しかし、背景には資本主義体制を揺るがす、金融危機がある。今後の歴史を左右する月となるかもしれないのである。

ところで、11月の旬のものの一つにカキがある。実は生牡蠣を全く食べられない。レモン汁をかけて美味しそうにペロリと食べる人が多い。あまりに美味しそうに食べるので何度か挑戦してみたが全くダメである。ところが、軽く火を通したり、フライにすると大変美味しく感じる。同じ季節の果物、カキも生食は駄目だ。ところが、渋くて生ではとても食べられたものではない渋柿を干してつくられる干し柿は大好物である。ところが、「風味や食感が乾燥させずに食べる甘柿とは大幅に異なるため、生食される甘柿が苦手でも干し柿は平気で食べる人もいるし、逆に甘柿が好きでも干し柿が苦手な人もいる」そうだ。

当たり前の話だが人それぞれによって食べ物の好みは違う。そして、好き嫌いは別として、今年の11月は政治体制も大きく変革する可能性を秘めている。
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