EnB 18号 目次
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プラントプロジェクトは大丈夫か?

■REPORT
再び活発化する?世界のLNGプロジェクト
ENAA設立30周年で記念行事

■GLOBAL Report
世界エンジニアリング産業の2007・2008年
金融危機はブームの終わりを告げるか

■GLOBAL Business
・韓国上半期プラント輸出・建設輸出
・Suez Environment、分離上場

■TOPICS
足踏み続ける燃料電池市場
SAP、戦略と実行をリンクするシステム

■NEWS Flash
・三菱〜日立、セノコ発電所リパワリングを受注
・三菱重工、マイアミ空港向けAPM受注
・日立製作、海外鉄道PJを相次ぎ受注
・日立プラント、サウジに大型圧縮機8基受注
・ESBWR採用の米電力会社2社がCOLを申請
・新日鉄/神鋼、共同ダストリサイクルでFASTMET建設
・山武、国際事業体制を強化
…川重、世界最大規模のDE発電機を受注
…鹿島/三菱ガス化学、土壌浄化新技術を開発
…日立プラント、電力・産業プラントで子会社再編
…住友重機械、韓国にクライオポンプ等の拠点
…富士電機/日本電産、電動機事業で資本提携

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■連載
しらないでは済まされない
海外プロジェクト建設法律のミソ

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 18号 表紙

 

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プラントプロジェクトは大丈夫か?
世界の金融収縮が進んできている。7,000億ドルの金融安定化法案が米国議会を通過しても、世界同時株安、ドル安が進展。同時に、あれほど高騰していた原油価格はあっさりと100ドルを割り込み、80ドル代にまで下落した。

一体、これまで世界を駆け巡っていた投機的資金の激しい流れはなんだったのか?と思わせるほど、金融市場を巡る状況は急展開しているように見える。

このまま原油価格が下落すると、中東へのオイルマネーの流入が細っていく。また投機的資金は今、優良な投資先を探すどころではなく、如何に損切りするかで頭が一杯になっている。そうなると、当然のことだが、プラントプロジェクトを支える資金調達が困難となっていく。このままでは再びプラント不況の到来か?と暗澹たる気持ちになっていきそうだ。

だが、本当にプラントプロジェクトは金融収縮により止まってしてしまうのだろうか?

既にこれまで、いくつかのプロジェクトが中止に追い込まれているのは事実だ。しかし、それらの中止プロジェクトは、元々マーケティングが上手く出来ていなかったり、もしくはプラントコストの上昇に追いつけず、フィージビリティに問題があったり、計画側の見通しの甘さが原因のものが多い。

要するにプロジェクトとしての熟度が低かったというのが主な要因といえる。

金融収縮はそれ自体、大きな懸念材料ではあるが、長期的な展望のもとに進められていく大規模プラントプロジェクトや、確実に需要の拡大が見込まれるエネルギー関連など、必要なプロジェクトは、多少進捗が遅くなろうとも着実に進んでいくものと考えられる。むしろ、養鶏業者が油田開発に乗り込んでいくというような、いびつな投資環境が是正されるという面もあるだろう。米国の原子力案件も資金調達が懸念材料だが、1年程度でサブプライム関連の損失処理が終われば、大きな影響はでないと思われる。

ただ、この金融収縮が長期化するとなると、さすがにノンビリと構えてもいられなくなる。長期化しないように祈りたい。
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編集後記
○…「今こそPPP/PFIを促進すべき」と考える。米国発の金融危機は全世界に波及し、日本も多大な影響を受けることは言うまでもない。金融収縮が予想され、銀行の“貸し渋り”は日本経済を直撃するかもしれない。そんな時、比較的安定している貸し出し先として「PPP/PFI」があるはずだ。大局的な見地に立ったその振興策を計るべきだ。

民間資金を活用するPFIの主要リスクにはどんなものがあるか?
 
金融機関から見た事業への融資には三つのリスクがある。サービス対価の回収リスク、需要リスク、不可抗力リスクだ。サービス対価回収リスクは自治体・国が破たんしない限り担保される。需要リスクは、一部の需要リスクが存在するPFIを除けば、PFIは公共事業であるからこのリスクは回避できる。不可抗力リスクは99%まで公共がとることが一般化している。

しかし、これまで事業の担い手である特別目的会社が破綻した例がないわけではない。けれど、それらはそもそもの事業組成に問題があった。解決手段がないわけではない。なによりも公共サービスの受け手である住民にサービスの質の向上が約束されなければならない。今こそ質の高いPFIの促進が必要ではあるまいか。さすれば、景気浮揚のテコになる?

○…わが編集部から西の坂を降りると、東京ドームシティがある。球場・ホテル・温泉施設・遊園地などの総合リゾート施設、旧後楽園諸施設のリノベーションだ。隣に旧水戸藩の庭園、特別史跡小石川後楽園がある。後楽園一体は江戸時代の水戸藩上屋敷であった。しかし、直接水戸藩邸から後楽園施設になったのではない。

後楽園球場がプロ野球の球場として建設・完成したのは、昭和12年。それ以前は陸軍砲兵工廠という軍事施設であったのは意外に知られていない。ドームホテル建設時出土の工廠基礎煉瓦の展示が唯一のモニュメントだろう。明治4年に水戸藩邸が陸軍用地となり、工廠を建設した。明治年間を通じ最大の官営機械工場であった。産業史上、お雇い外人による技術移転、機械工業の熟練形成、労働運動などで重要な位置を占めている。大正12年の大震災で大被害を受け、結局昭和8年に小倉に移転した。払い下げられたその跡地に建設されたのが後楽園諸施設。

この工廠は旧幕府の関口大砲製造所の後身。黒船来航に対し、台場を築造した。直営大砲製造工場を、当初湯島に設置したのだが、砲身穿孔の新製法に必要な水車動力が得られる関口(椿山荘近辺)に移った。維新後、同じく神田川沿いで水運・水車利用可能の広大な水戸藩邸を選んだ。
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