EnB 17号 目次
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■EYE詳細へ
注目から理解に進むチャンス
■INTERVIEW
統合で触媒技術のシナジー効果を
環境・エネルギーで拡大するニーズへの対応力を強化
日揮触媒化成取締役社長 小松通郎氏

■REPORT
失速懸念生じる米国原子力計画
■GLOBAL Report
中国・インド・中東企業が増加
2007年の世界エンジニアリング企業の動向(3)その他編

■GLOBAL Business
・中国建設部、2007年工程勘察設計企業年報発表
・2006年上半期の中国海外建設ビジネス、大幅増加
…対外承包工程管理条例発布さる
…韓国大宇造船売却、4グループが予備入札に参加
…米MWH、鉱山コンサルティング企業GWIを買収
…米Perini・Tutor-Saliba合併完了
…米AECOM、Urbitran Associates買収完了
…米Jacobs、英L.E.S.Engineering(LES)を買収
…米URS2社を買収、米国地域需要に対応
…英Petrofac、油田生産技術専門企業を買収
…英Wood Group、オフショア分野で2社を買収

■TOPICS
ENAA、システムベンダの標準化動向を調査
CCSプロジェクトが抱える問題
三菱、アイスランドとMOU
■NEWS Flash
・三菱重工、エジプトから蒸気タービン受注
・住商AEパワー、南アで変電設備受注
・Hitz、中性子遮蔽材でライセンス契約
・日立プラント、UAEドバイで水処理事業会社設立
・カワサキプラント、日本製紙向けボイラを納入
・清水建設、ダイオキシン専用土壌浄化プラント建設
・舶用ディーゼル事業の強化相次ぐ
・三井物産と東京電力、羽田空港で太陽光発電
・川崎重工、世界市場向け高速鉄道車両開発
…韓国で新エネルギー関連設備が相次ぎ立ち上げ
…山武、ドバイに中東支店
…Hitz、地域冷暖房プラント改造工事受注
■Projects News
…三星エンジ、大型案件相次ぎ受注
…トーヨータイ、Solvayから受注
…印IOC、Ennoreで製油所計画
…Hitz、地域冷暖房プラント改造工事受注
…CLP、香港LNGターミナル計画を中止
…Kaltim、尿素コンプレックス建設
…イラク政府、Shellのガスマスタープランを認可
…Alstom、Shoaiba発電プラント受注
…CB&I、印で石化コンプレックス受注
…豪州CBMLNG計画でPhillipsが増資
…Gazprom、東シベリアでガスプラント
…Gazprom、ナイジェリアでJV設立へ
…GPIC、CO2プラント建設へ
…KBR、常州市のフェノールプラントにライセンス
…Uhde、アルジェリアで大型肥料プラント
…Lummus、YanbuのPDHにプロセス供与
…Ternium、メキシコに製鉄プラント
…独RWE、450MWIGC-CCS発電計画を推進
…オマーン、EBSMでプロセス選定へ
■海外・国内主要プロジェクトの動向
■データ・ファイル
■エンジニアリングダイジェスト
■Editorial詳細へ

EnB 17号 表紙

eye
注目から理解に進むチャンス
専業エンジニアリング3社の株価がここのところやや低下している。東洋エンジンリングと千代田化工建設の両社の第一四半期の受注高が前年同期比を大きく下回り、目標に対する達成率も低いと報道されたのが切っ掛けのようだ。

第一四半期の受注高だけではエンジニアリング会社を評価できようはずもない。記事内容でも「プロジェクト遂行に努めた」と入っているが、いかにも業績が悪化しそうな印象を与えるタイトルだけで、株価が動いたのだとしたら、なかなかに厄介な話である。
とはいえ、こんなことはこれまでエンジニアリング業界は何度も経験している。短期の株価の動きに一喜一憂するような、足の短いビジネスでもない。それに、今はリーマンやAIGの問題で株価全体が下落傾向にある。多少の誤解による株価下落はこの大波のなかで影が霞んでしまっている。要するに大した問題ではないのかもしれない。

「リーマンの破綻の当日、ウォールストリートに居ました」という人にたまたま出会った。その人の話によると、日本では、この金融街がかなり酷いショックを受けているように報じているが、現地ではさほど狼狽した様子でもなかったという。考えてみれば、サブプライムの損失問題ではどこが破綻してもおかしくない状況の中だ。リーマンの破綻はそういう意味で既に織り込み済みだったのか。

むしろ、リーマンが破綻してくれて、ホッとしている人も結構いたのではないか。これで損失処理が一つ終わったことにもなるのだ。そういう視点が報道の中にあってもよさそうなものだが、あまり見かけない。  プラント業界は、中東を中心とした石油・ガスプロジェクトの活況と、全世界の発電設備需要、さらに原子力ルネッサンス、交通システム関連など、最近なにかと話題になっている。その分、注目が高まっているため、報道される頻度も上がってきているように感じる。注目される業界となったのは喜ばしいことではあるが、その分、よく理解されないで誤解を受けるような報道をされる可能性もある。折角、注目されているのだから、より良く知ってもらう好機ではある。
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編集後記
○…来年で横浜開港150年を迎える。開港のはじまりはペリーによる黒船来航だ。このとき米国は国書とともに、白旗を渡し、それに付けた書簡という「白旗書簡」がある。評論家により日本が降伏の白旗を知ったのはこの書簡だという「白旗伝説」が書かれ、それを「新しい歴史教科書」が砲艦外交の象徴としてとりあげ、その教科書つぶしの一環として、高位の歴史家がこの書簡は偽文書だとしたことから書簡の真偽論争が始まる。ここ数ヶ月この問題を勉強して見た。近代日本史専門の学者が触れていない国語史など含めた広い視点で、特にペリー側通訳の日本語力を再点検すると、この書簡をペリー側が作った可能性は高く、交渉の過程にも適合することがわかった。

偽メールなど政治的偽文書の存在は知られるところだが、歴史的偽文書も少なくない。戦後の著名例は東北地方を舞台にした「東日流外三郡史」と織田信長の伝記「武功夜話」。後者は本物と信じて題材とした著名小説が結構ある。江戸の国学者には自説の立証のため偽文書をつくった奇人も居た。系図というのは偽作が多く、確実に真実であるものは少ない世界であり、専門家の見解の相違も多い。古代史で著名なのは「先代旧事本紀」。内容に貴重な文書を含むものだが、序文からいえば偽書、江戸時代には宗教的偽書の土台となった。

○・・・最近特に感じるのだが、「責任転嫁」するのが我々日本人の特技になりつつあるのでは・・・?
少なくとも、いさぎよさというものがまだ少しは残っているだろうと思っていたスポーツの世界でも、オリンピックで野球の指揮をとった人が敗戦の弁で「審判が・・・」といい、相撲では負けが込んできた理由を「立会いが厳しくなったので・・・」という。考えをめぐらせば、対戦相手も同じ条件だと気がつくはずなのだが。
いま、大きな問題となっている汚染米問題にしてもそうだ。「業者が・・・」、「農政事務所が・・・」、「農水省が・・・」と責任転嫁がおおはやり。事故米を流通させた責任者社長にしてもそうだ。「事故米と知っていながらやりました。業績を上げたかったので・・・」と業績のせいにして、それを口にする人々への想いは全く口にしない。「責任」と「想像力」という言葉は、我々の辞書からはもはや消え失せてしまったのか。  そして極めつけは、政治の世界だ。毎年9月に行われるようになった恒例行事。そこで責任者の口をついて出た言葉が、やれ「誰それが・・・」と他人に責任転嫁。
これらをみている子供たちは世の中これでいいのだと思うだろう。“客観的”にみて「責任」、「想像力」というものが何であるかを知らなければますます・・・。
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