○…内閣府は6月の景気動向指数による景気判断を「悪化」と発表した。生産や出荷の指標が振るわず、個人消費・雇用関係の指標もさえない。2002年から続く戦後最長の景気回復局面はすでに終わっていると見られている。後退局面は長期化せずとの見方が多いようだが、サブプライム危機による市場混乱は収まっておらず、米国経済の引き続く不振などなど海外の動向をみると、楽観視できない。6月調査の日本政策投資銀行の設備投資調査は、伸びは鈍化するものの2008年度は5年連続の増加となっている。
今回の内閣改造では成長重視派=改革派を抑えて、財政規律重視派がポストを占めた。バラマキ要求を抑える布陣だが、景気対策として選挙対策から結局小型のバラマキが実施されることになりそうだ。
世界的に言えば、大量の産油国・新興国のマネーが投資先を求めて米国などに流入している。日本でも郵貯のようにかつては財政投融資資金としてつかわれたものがある。一方、上述した民間設備投資需要は必ずしも低迷していない。また、道路・治水などインフラ需要は決して小さくない。資金の供給余力はあり、投資需要があるのに対応できない。海外資金の導入、インフラ分野への海外資金・民間資金のルートを作る体制が必要だ。
○…8月に入って、首都圏ではレギュラーガソリン1リットルの価格がついに180円台に突入した。我々庶民はおいそれと車で遠出とはいかなくなった。
何やら道路から自家用車の数がめっきり少なくなっているような気がする。この分では、毎年恒例のお盆の帰省ラッシュ、高速道路の大渋滞が解消されるかも知れない。空気もきれいになり、汚染されつづけている環境にとって好ましいことかもしれない。このまま価格の値上げが続けば、まるで毎日がお正月の道路のようになり、空気もすがすがしく感じるようになるのでは?
とすると、ガソリン代に大きな位置を占める揮発油税、地方道路税のうち、道路整備が目的の道路税はその必要性が大きく後退しているのではなかろうか。しかし、いいことは道路が空くくらい。原油価格高騰で運送業者、漁業関係者などあらゆる業種が、音を上げ始めている。食料などの値上げも続々と実施されている。この先、原油価格がどの程度上がるのか全く予測がつかない。
1973年代の第一次オイルショックとそれに続く世界不況の時に開始されたサミットは、7月の洞爺湖サミットが34回目という。原油高騰と金融不安などの解決策も話し合われたはずだ。しかしその成果は見えない。
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