EnB 13号 目次
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■EYE
「日本の環境技術」その実力は?

■REPORT
日揮、病院運営に積極参加へ
海外プラント成約、発電好調で大幅増加
33.4%増の238億ドル、史上2番目の高水準

■GLOBAL Report
07年米国環境ビジネス、国際市場が急成長
2007年の米国エンジニアリング企業の動向(4)
−環境企業編−

■TOPICS
日揮、総合ファーマ事業を推進
NSPEバーソン会長が来日

■NEWS Flash
・日揮、サウジで大型原油PJのユーティリティを受注
・住友商事、サウジのIWPPで一番札
・東芝プラント、エジプトGTCC据付工事4件受注
・日立製作、ポーランド向け脱硫設備受注
・日東電工、中国最大の海淡向けにRO膜を受注
・三菱重工、CO2回収技術で相次ぎ契約
・日立プラント、再生医療分野を拡大へ
・Hitz、ダイセル向け酢酸セルロースプラントを完成
…日揮サウジ法人、7月13日開所式
…IHI、セメントプラント事業を譲渡
…富士電機システムズ、機構改革

■Projects News
…クウェートのクリーン燃料PJでPQに9グループ
…Qapco、MesaieedのLDPEでITB
…Shell、FLNGでFEED入札へ
…Siemens、中国に石炭ガス化炉
…Alcoa等、ベトナムにアルミ精錬所
…イタリアのLNGターミナルが認可
…印Dahej石化コンプレックスに日本勢が関心
…Saipem、受注相次ぐ
…南スマトラでCBM
…PetroChina、QP、Shellが中国でJV
…ロシア、PrimoeskにLNGを検討
…Black & Veatch、シンガポールの水処理で設計業務

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■連載
しらないでは済まされない
海外プロジェクト建設法律のミソ

■エンジニアリングダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB 13号 表紙

 

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「日本の環境技術」その実力は?
 米国のPowerspanとBasin Electricが既存の石炭火力発電所における、コマーシャルスケールでのCCS(炭素捕集・貯蔵)の実証を行うという。また、英国では同国初のCCSの建設のため、入札を行う。このため4社の入札参加社の事前資格審査(PQ)を実施したという。4社はBP、E.ON、Scottish Power、Peel Powerである。さらに三菱重工も、E.ONエナジーと共同で石炭火力発電所から排出されるCO2の回収技術実証を行うと発表した。先般公表されたIEAの予測でも、CCSはCO2削減の重要な技術の一つと位置づけられている。
  「日本のCO2吸収技術は優れているんですよね?」と最近よく聞かれるが返答にこまってしまう。何をもって優れているといえるのかがまだ良く分らないのだ。三菱重工などが開発したCO2吸収液の性能は確かに高いようだが、システム全体としては欧米の技術もさほど劣っているとも思えない。何といってもCCSはまだ、発展途上の技術である。むしろ、CCSの実証試験は欧米では頓挫してきているのが現実だ。実際、E.ONはFlourともCCSの実証を行う。三菱重工の技術だけを特別扱いしているわけではない。
  日本の環境技術は世界的に高いレベルにあるのは事実だが、それが世界に通用する技術であるかどうかは全くの別問題だ。
  地球環境問題への意識が高まるなかで、「日本の環境技術を世界へ」というスローガンをよく目にする。しかし、何を世界に出していこうというのか。世界で求められる日本の環境技術とは何か、何がどのように優れているのかを緻密に検証したものを見たことはない。「日本の技術が最高」と思いたい気持ちもわからないではないが、欧米の技術もそれほどバカにしたものではない。何といっても基本技術は全て欧米が開発してきているのだ。
  だから、注目されている日本の技術も、視点を世界に移してみると、実際には、我々が自身で思っているほど、世界で高く評価されているわけでもないということに気づくことがある。無論、高く評価されるものもあるが、意外とその数は少なかったりする。弛まぬ開発努力が必要だ。
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編集後記

○…「ペットボトル・古紙 資源ゴミが“カネ”になる」の1弾「ペットボトルと古紙のリサイクルのゆくえ」というテレビ番組を見た。ゆくえが中国であることは知られているが、今回は最新の中国の状況がわかり具体的にゆくえが明らかになっていた。
 日本のペットボトルリサイクル制度は8年前から実施された容リ法の優等生として確立されており、回収した自治体から容器リサイクル協会が引き渡され、料金を協会側が支払って再商品化業者が再生していた。ところが4年前から自治体から中国向けに売却されるルートが増大し、ペットボトルリサイクル制度は崩壊に向かっている。
 中国ではポリエステル繊維原料として原油高もあって、バージン原料に比べて再生原料は半額に近く、大量にポリエステル綿に加工されている。中国ではペットボトル回収は始まったばかりで、空ボトルを買い取っており、質も良くない。しかるに、ペットボトル再生原料価格は質の良い日本の方が安い。これは回収選別などに使われた自治体の税金が回収されない事を示している。
 グローバル経済において国内を前提とした現行の容器リサイクル制度は廃止すべきだ。番組でいっていた「ゴミは選別することで商品になる」とは至言だ。商品なのだから、ペットボトルや古紙のリサイクルは自治体主体でなく商品経済に任すべきだ。

○…30数年続けてきた喫煙の習慣を止めようか迷っている。何しろここ数年というもの喫煙に対する風当たりが強まるばかりだから。取材で会社を訪れれば、かつて聖域であった応接室からも灰皿が撤去されてしまった。タバコを吸う輩など、会社に立ち入ってはいけないと言わんばかり。もちろん歩行禁煙などは論外。タバコが累積赤字補填に大いに貢献したJRの駅でも喫煙場所は隅に追いやられる。「タバコは地元で買いましょう」という看板を掲げ、タバコ税をあてにしていた自治体も、いまや喫煙者を目の敵にした方策を打ち出した。
 その上、「タスポ」であり、販売価格の大幅値上げ(1,000円)構想である。1千億円をかけて実施したといわれるタスポは申し込まなかった。「タバコを買うのになぜ免許証みたいなものがいるのか」と考えた。今はやりのいじめとしか思えない。生来のへそ曲がりゆえ、目の敵にされればされるほど反発したくなる。それで、タバコは死ぬまでやめないと決めていた。
 しかし、本当にタバコが1,000円になったとしたら、この方針を曲げざるを得ないと思っている。大体、「税収アップを狙っているのではない。健康増進を考えてのことだ」という言い草が気に食わない。大きなお世話だ。本音は「貧乏人は吸うな」かと、勘ぐりたくなる。

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