○…北朝鮮が核を申告、引き換えに米国がテロ国家指定解除の手続きをとることが明らかになった。ようよやく北朝鮮の核問題も解決しそうだ。自民党には拉致問題の再調査の約束程度でテロ解除には反対の声も強いが、日本もテロ国家指定解除・国交回復に踏み切ることになるのは必然だ。 東シナ海ガス田を巡る紛争が解決したのは大いに慶ばしい。中国が既開発の白樺ガス田に日本が出資、他の区画は今後共同開発で合意し、未解決の排他的経済水域の境界線問題は棚上げにする。日中の経済水域の主張は国際法上成立する双方に有利な解釈によるもので、中国が開発しているのは日本の主張ラインの外側で、紛争化したのは日本なのだが、それが経済ベースで解決したことで、民間企業が開発できる環境がようやくできた。 このように北東アジアに脅威がなくなり紛争の火種が消える方向が見え始めた。その中で福田首相の指導力の無さが目立っている。また圧倒的支持で当選した韓国大統領の急激な支持率急落も気になる。新たな政治的紛争の種を作りかねないからだ。 中国胡主席の訪日で、日中の長い友好の証として、聖徳太子ゆかりの法隆寺・鑑真和尚の唐招提寺を訪問した。福田首相に期待できるのは日中・北東アジア外交できちんとした成果をだすことしかなさそうだ。
○…またまた食品の産地偽装が発覚した。「飛騨牛」であり、「一色産うなぎの蒲焼」である。これまで、高級料亭「船場吉兆」にはもちろん足を踏み入れたことはなかったし、「飛騨牛」なるものは食したことはない。愛知県一色町が全国有数のうなぎ産地であったことは今回はじめて知ったくらいだ。 大体、貧乏人としてはブランド品にこだわって日々の食事をとっていては生活が成り立たない。牛肉がどこの産であろうが、うなぎが中国産であろうが、食中毒を起さなければ全然構わないのである。確かに、有名ブランドの牛肉は美味しいのであろう。高く売れるから偽装したくなる心理はわからなくもない。飽食の時代がこれら偽装を生み出しているとも考えられる。 それにしても、あきれてしまうのが、これら偽装が発覚した直後の経営者の発する言葉だ。「私は知らなかった」、「工場長、従業員がやったので…」という言葉を何回聞かされたことか。土壇場になって「私の指示で…」というケースが殆どであった。言い逃れができると思っていたのであろうか。確かに、以前であったらトップに累が及ばないように、とする企業風土が日本にはあった。ところが、今はそんな時代ではない。今のうちから、もし発覚したらこう答えようと練習している経営者がいるかも知れない…。
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