EnB 12号 目次
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■EYE
論理的なビジネスモデルが役に立つ

■REPORT
新日鉄エンジ、海外製鉄プラントを拡大
グローバル展開を加速する三菱重工

■GLOBAL Report
2007年の米国エンジニアリング企業動向(3)
-CM・デザインビルド編-
ドイツ、世界プラント市場シェア20%

■TOPICS
PLANT-TECH 2008、11月に開催へ
進む非在来型ガス田開発
「ITmk3」商用1号機、米で起工式

■NEWS Flash
・三菱重工、BFG焚GTCCを相次ぎ受注
・千代田化工、デンマークにサラブレッドをライセンス
・GE日立、ESBWRを受注
・ライト工業、海外で大規模地盤改良工事受注
・三菱重工、地熱発電で累計100基超えを達成
・GE日立と東芝が原子力事業で海外企業と協業へ
・丸紅〜TECロシアのCDMプロジェクトを推進
・JFEエンジ、イタリアの焼却炉に協力
・日立プラント、ペガサスの受注が好調
・川重、細胞自動培養装置を事業化
・新日鉄、君津にダストリサイクル設備完成
…日立、ニッケル基単結晶合金動翼を実証試験
…NEXCO西日本、海外プロジェクトに進出
…堺市で世界最大規模の太陽光発電計画

■Projects News
…GASCO、ガス開発PJでSL
…Aramco、Jubailの製油所でSL
…Bechtel、トーヨーカネツにLNGタンク発注
…Assam石化、新規メタノールユニットを建設へ
…Axens、サウジのアロマにプロセス供与
…Petrobras、新リファイナリーを計画
…印Essar、石化コンプレックスを計画
…GS建設、ロシアからリファイナリー受注
…Sonatrach、肥料プラント建設へ
…QAPCO、LDPEプラントでITBへ
…KOC、ガス田開発F2でITBへ
…ドバイのウォータープロジェクトで近く決着へ
…パキスタン、PVCを増強

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB 12号 表紙

 

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論理的なビジネスモデルが役に立つ
 エンジニアリングの仕事は論理的である。IT系もそうであるかも知れないが、エンジニアリング事業では日常の業務そのものが論理的に進んでいくというのは大きな特徴の一つといえる。
  例えば、エンジニアリング業務の中核でもあるプロジェクトマネジメントでは、まずWBS(ワークブレークダウンストラクチャー)を作成する。これはプロジェクトだけでなく、企業そのものにも当てはめていくことができ、WBSを行うことで、業務の無駄を省いたり、リスクの存在が明らかになっていく。
  だが、こうした作業はエンジニアリングやIT系の業務以外ではあまり行われていない。商社などでも業務自体を論理的に構築することは少ない、公共事業やサービス産業でもこんなことはあまりやらない。
  一方、欧州では、「データの共有化」というたった一つのテーマについて10年以上も非常に細かい論議が続けられているという。効率化のために必要なものは徹底的に議論し、論理を構築し、その論理に基づいたシステムを作っていこうとする。日本でも、「エンジニアリングとは何か」ということを、エンジニアリング振興協会(ENAA)は何年間も議論を続けたという過去がある。実に議論が好きな業界だ。
  そもそもエンジニアリングに携わる人は論理的でなければならないのかも知れない。巨大システムの構築ではより一層、細かい論理をおざなりにしてはいけない。そんなことをすれば構築した巨大システムはたちまち瓦解していってしまう。プロジェクトの成功には、それに裏打ちされた論理性が存在している。
  そうした論理性が今、日本のシステムに求めらているのかもしれない。公共事業というプロジェクトは論理性よりも政治が主目的となっている。従って論理性は二の次になり、結局はムダなハコモノが乱立する破目になってしまう。PFIは一定の論理性を公共事業に持ち込もうとした試みであったが、今の所、その点ではあまりうまく行っていないように見える。
  こういう世界にエンジニアリング業界の論理性を持ち込むことが社会に貢献していくことに繋がる。
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編集後記

○…北朝鮮が核を申告、引き換えに米国がテロ国家指定解除の手続きをとることが明らかになった。ようよやく北朝鮮の核問題も解決しそうだ。自民党には拉致問題の再調査の約束程度でテロ解除には反対の声も強いが、日本もテロ国家指定解除・国交回復に踏み切ることになるのは必然だ。
 東シナ海ガス田を巡る紛争が解決したのは大いに慶ばしい。中国が既開発の白樺ガス田に日本が出資、他の区画は今後共同開発で合意し、未解決の排他的経済水域の境界線問題は棚上げにする。日中の経済水域の主張は国際法上成立する双方に有利な解釈によるもので、中国が開発しているのは日本の主張ラインの外側で、紛争化したのは日本なのだが、それが経済ベースで解決したことで、民間企業が開発できる環境がようやくできた。
 このように北東アジアに脅威がなくなり紛争の火種が消える方向が見え始めた。その中で福田首相の指導力の無さが目立っている。また圧倒的支持で当選した韓国大統領の急激な支持率急落も気になる。新たな政治的紛争の種を作りかねないからだ。
 中国胡主席の訪日で、日中の長い友好の証として、聖徳太子ゆかりの法隆寺・鑑真和尚の唐招提寺を訪問した。福田首相に期待できるのは日中・北東アジア外交できちんとした成果をだすことしかなさそうだ。

○…またまた食品の産地偽装が発覚した。「飛騨牛」であり、「一色産うなぎの蒲焼」である。これまで、高級料亭「船場吉兆」にはもちろん足を踏み入れたことはなかったし、「飛騨牛」なるものは食したことはない。愛知県一色町が全国有数のうなぎ産地であったことは今回はじめて知ったくらいだ。
 大体、貧乏人としてはブランド品にこだわって日々の食事をとっていては生活が成り立たない。牛肉がどこの産であろうが、うなぎが中国産であろうが、食中毒を起さなければ全然構わないのである。確かに、有名ブランドの牛肉は美味しいのであろう。高く売れるから偽装したくなる心理はわからなくもない。飽食の時代がこれら偽装を生み出しているとも考えられる。
 それにしても、あきれてしまうのが、これら偽装が発覚した直後の経営者の発する言葉だ。「私は知らなかった」、「工場長、従業員がやったので…」という言葉を何回聞かされたことか。土壇場になって「私の指示で…」というケースが殆どであった。言い逃れができると思っていたのであろうか。確かに、以前であったらトップに累が及ばないように、とする企業風土が日本にはあった。ところが、今はそんな時代ではない。今のうちから、もし発覚したらこう答えようと練習している経営者がいるかも知れない…。

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