○…原油価格の急激な高騰は我々の家計をジリジリとむしばんでいる。さらに、一服したかにみえた米国の金融危機はさらに不気味な様相を呈しているとの報道がある。金融危機、不況、インフレ、ドル不安という4重苦で米国経済はあえいでいる。それが日本にも及ぶ。 そして穀物価格の高騰だ。バイオ燃料の生産・輸出国である米国、ブラジルなどの反対で食料サミットの宣言は大幅に後退した内容となった。洞爺湖サミットにも大きな期待は持てない。 いずれも我われ庶民のあずかり知らないところで、世界経済は失速の道を歩んでいるのではないかと思えてしかたがない。インフレ、不況は我われの目の前にあるのではあるまいか?このような状況は当然のことながら、政治の世界にも大きな影響を及ぼすに違いない。ドル不安は米国の威信をさらに低下させ、しばらくは混沌とした世界情勢が続くのではあるまいか? ここ当分は、我われは車にも乗らず、ガソリンを使わず、買いたいものも控え耐乏生活を送るしかあるまい。そして、企業業績は落ち込む。派遣労働者は不安におびえ、失業者、ワーキングプア―は増大する。そして人心はさらに荒廃する。 な〜んていうことにはならないよう願う
○…東南アジアにアモックと呼ばれる人を無差別に殺傷する精神症があった。悲しい出来事や侮蔑された人間とくに若者が鬱状態におちいり、突然武器をとって遭遇した人間を片っ端から殺戮する。悪霊が乗り移ったことによると解釈されていた。文化人類学者や精神医学者によると、東南アジアの近代化以前の部族社会特有のもので、厳格な規律の下にあった部族社会において、大人になった若者が社会に窒息感を覚えるなどが背景にあるとされ、文化依存症・風土病とされ、近代化とともに減少したという。 当編集部から数キロの秋葉原の殺傷事件、ここ数年をみても大阪・土浦・長崎・加古川などの事件がある。米国では昨年のバージニア工科大学、90年代にはハイスクールシューティング事件がかなりあった。若者が強い社会的ストレスを抱えたことが背景にあるものが多く、アモックと通ずるものがある。わが国でも悪霊が乗り移った狂気の発作は歌舞伎となった吉原百人切りや八つ墓村のモデルとなった津山30人殺しのような著名なものだけでなく、昔からあったと思われる。 この種の狂気の発作は人類社会共通のものと思った方がよい。ただ現代社会では犯行場所の広域化、犯行手段の伝播など情報社会特有の状況がある。長期の地道な努力が必要で、防止の即効手段はない。
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