EnB 10号 目次
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■EYE
本格的な新エネルギーの時代が来る
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■INTERVIEW
海外EPC再参入に向け体制整備
意識改革が変革の原動力に
IHI取締役常務執行役員エネルギー事業本部長
橋本 伊智郎氏

■REPORT
リスク対応続くエンジ業界

■GLOBAL Report
米国石精プロジェクトの実施方式

■GLOBAL Business
…大宇造船海洋株式、7月に売却へ
…AECOMの最近のM&A
…Stantec、鉱山エンジニアリング企業買収を内定
…Saipem、資本関係を整理
・石精・石化プラント建設コスト、最近6ヶ月で6%上昇
…石油サービス業界の再編はあるか
…石油サービスExpro買収、Halliburtonが参戦

■TOPICS
金融との結びつき強める原油市場
三菱重工、エネルギー環境事業を強化
高水準続く産業機械受注状況

■NEWS Flash
・千代田化工、豪州からLNGエンジサービス受注
・三菱重工、ロシアからガスタービンを初受注
・Al-Zour製油所、EPC発注先決定
・三菱商事等3社、ブラジルから熱延鋼板設備受注
・丸紅、中国から地下鉄用システムを受注
・カワサキプラント、中国で環境・省エネ設備事業拡大へ
・日立プラント、食品機械分野で新機種
…丸紅、米で製鉄プラントメンテ会社に資本参加
…千代田テクノ、日医工から医薬品プラント受注
…双日、タイで発電事業
…三井造船、小田急電鉄向け移動式集塵装置納入
…日造D&E、バルチラ型電子制御式エンジンを完成

■Projects News
…PetroChina、地震で四川エチレン計画を中断
…カタール石化PJで入札へ
…ペルー、製油所近代化で11グループがPQ通過
…Aramco〜Total、Jubailの石油石化PJを決定
…クェート、LNG再気化設備建設へ
…Pars肥料プロジェクトでNPCが合意
…韓国電力、トルコに原発
…斗山重工、WHから原子炉機器受注
…SKエナジー、新水素化分解ユニット建設へ
…Nucor、新プラント増設で許認可手続きを開始
…Tecnimont、エジプトのPS計画でPMC
…中国NDRC、内蒙古の石炭化学PJを承認
…広州ホールディング、100万t/yDMEプロジェクト

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 10号 表紙

 

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本格的な新エネルギーの時代が来る
 三菱重工業の電力システムに関する中長期展望では太陽光発電と風力発電の比重が非常に大きくなっている。どうやら、本格的に新エネルギーの時代が到来しそうなのだ。
  世界最大規模の発電用ボイラメーカーであった同社が、ガスタービンコンバインドサイクルに軸足を移し、世界シェアを広げていった。これに伴い、火力発電設備の発電効率はどんどん向上していった。資源の乏しい日本では火力発電の効率向上は、経済性に直結する。温暖化ガス削減の以前から、日本では必死に効率向上を進めてきた。
  その成果が、日本の発電技術を世界最先端のものとしたが、以前は海外では「高すぎて使えない」ものであった。しかし温暖化問題と原油価格の高騰は、この日本の最先端技術のライフサイクルコストを相対的に低いものとし、さらにCO2排出量の少なさが今、世界各国で受けており、市場は拡大している。
  ところが、温暖化対策がさらに厳しくなり、従来型ボイラは超々臨界圧でも石炭である以上採用しづらくなっていくという。市場拡大も長続きしないようだ。その代わり、原油価格と直接リンクせず、CO2排出量も極めて少ない原子力へのシフトが始っている。欧州もこれまでの脱原発から方向転換し、導入拡大が予想されている。とはいえ、原子力は極めてリードタイムが長い。そのため、ボイラーから原子力へのシフトの隙間を埋めるべく、風力がまず拡大していくという。今後ガスタービン需要は年間50GWで推移していくが、風車は急激に増加し、2013〜2014年ごろにはボイラやガスタービンの需要を超えると予想されている。さらに2020年を過ぎると、今度は太陽光発電が急激に増加し原子力および火力発電の需要を超える。新エネルギーのボリュームはそこまで大きくなるのだ。
  10数年前、新エネルギーはまだ電力の供給力として位置づけられるような力は持ち得なかった。せいぜい、太陽光が移動体用電源として使われる程度と見られていた。しかしあと10数年ほどで、太陽光と風力が電力供給力の中核を担ようになっていくという。俄かに信じがたいが、既にビジネスは動き出している。
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編集後記

○…先号で米国デザインファームランキングを紹介したが、コントラクターランキングTop500が発表されたので、次号で内容を紹介する。昨年の売上高合計は前年16%増の3044億ドル、国内は15%増の2569億ドル、海外は21%増の475億ドルと2007年の業況は好調だが、各コントラクターは失速の兆候を見ているという。ドイツの2007年のプラント受注実績も発表されている。合計・海外は2桁増だが、国内は減少となった。近々にこの内容も紹介する。ケミカルウィーク誌のEC企業特集も発表されたので近々紹介する。また2007年の韓国のプラント輸出・建設輸出、中国の対外承包工程(海外エンジニアリングコントラクト)はすでに発表され、その高成長はすでに紹介済みである。
 我国は、エン振協の業務統計やプラント輸出のように3月末年度のものが多く、既発表が少ない。わずかに経済産業省のエンジニアリング業統計(受注高)が月ベースなので、暦年が発表されている。海外15%増、国内減少、全体2.5%増となった。プラント輸出は上半期しか発表されておらず、四半期もなく遅すぎる。国際比較可能な暦年ベースに改定すべきだ。ENAA業務統計は企業の会計年度に依存している。日本企業は3月末会計年度が多い。国際的には暦年が会計年度だ。国際化が不可欠の日本企業も暦年会計年度にすべきだろう。

○…昨年の夏のこと、中学1年生の子どもを持つお母さんから相談された。「娘の夏休みの宿題で、どうしたらいいかわからない」というのだ。テーマは「地球温暖化対策で私のできること」だという。もちろん、自分は分からないし、父親に聞いても適当に書いておけと言うらしい。その話を持ち込まれたのだが、はたと困った。私個人ができることなど考えたこともなかったからだ。そこで、政府広報?などにあった「シャワーを浴びる時間を短くする」などが中学生として適当だろうと、答えた覚えがある。「温室効果ガスによって地球は温暖化している」と断定して、その対策を国民みんなが考えようと、それが夏休みの宿題にまで及んだ。
 そして、7月に洞爺湖で開催されるG8サミットでの最重要テーマは地球温暖化。温室効果ガス削減のためのポスト京都の国際的な枠組みをどうするかが議論される。今後一層、国民に地球温暖化対策の実施をさかんに呼びかけるだろう。マスコミもこの報道を加速する。
 だが、世界の専門家の中には「人類排出の二酸化炭素が主因」ということに疑問を持つ人も多く、ここ数年海水温度平均がさがっているというデータもある。これら懐疑的な意見は報道されない。07年から寒冷化に入ったと主張する人も。さて今年の夏は過ごしやすくなるか?

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