○…来日した胡主席は大パンダを贈るという。相変わらずのパンダ外交だ。ワシントン条約最絶滅危惧種の大パンダを外交手段にするのは時代錯誤だ。パンダは学術目的以外に国外に移動はできないから、贈ると言っても学術目的での移動、高額の協力金を支払う事実上の「レンタル」となるだろう。都知事は高額の料金でのパンダ受入に疑問を呈している。知事の発言は料金を国にも負担させようという下心だろうが、パンダ受入疑問は賛成だ。 上野動物園長は直前リンリンが死んだこともあって、パンダあっての上野動物園という。旭川動物園は行動展示で入園者数を増やし、上野動物園を追い越した。依然客寄せパンダの発想、上野動物園の姿勢には失望させられる。日本には和歌山に6頭、神戸に2頭と飼育されており、日本で大パンダは見ようと思えば見られる水準だ。 大パンダが絶滅に瀕している理由には生息地の竹林が開発・孤立化し、パンダの移動が困難になったことが大きい。開発制限・保護区の拡大・緑の回廊構築が最大の保護政策だ。外国へのパンダ貸出はパンダ保護の資金捻出の意味しかない。 日本・日本人がもっと資源と関心を注ぐべきは日本の動物だ。例えば一昨年問題となった同じクマ科のツキノワグマとの共存・保護策が進んでいるとはいえない。
○…地域の防災活動に多少かかわっている。わが地域の防災訓練は毎年、春に行っている。主催者が頭を痛めるのは、訓練への参加者が少ないことである。何とか住民の関心を高めるために、いろいろな工夫を行っている。例えば、「芋煮会」を併催するなどだ。本来の目的より、併設する行事で参加者を集めようとしている。こうなると、主眼の防災訓練は脇役になる。消防署に依頼した大型ハシゴ車、起震車などの出動、煙体験施設設置、消火器訓練などの定番だけではもはや人は集まらない。子どもだけが集まってくる。日ごろ防災活動の大切さを訴えてはいるが、集まってくるのは役員ばかり。 ただし、例外がある。比較的最近の例でいうと、新潟中越地震、能登半島地震など大地震の後の訓練には住民の参加が一挙に増す。ところが、今年春の訓練にはまたもや役員ばかりの訓練になった。昨年春以来は大きな地震がなかったためではないかと推測している。これはいいことであるが…。「喉もと過ぎれば…」と我々役員はやきもきするが、これは仕方がないことだ。「熱さを忘れる」は人間の習性だ。 ただ、巨大地震はいつかやってくる。日ごろの備えの大切さをこれまでの大地震が教えている。関心の薄さを嘆いてばかりいられない。
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