○…現首相にリーダーの資質がないことが痛感される今日この頃だ。日銀総裁空席につづいて、本誌発行時点ではガソリン暫定税率が期限切れになっていそうだ。この混乱の責任は政府にあり、首相の能力が問われているのだが、小泉内閣以来続いている内閣のメールマガジンをみても、責任を他人=野党に押し付けて済ませている。 現首相は、前首相が参議院で大敗して、その重圧に押しつぶされて逃げた危機に、小泉内閣の名官房長官という調整能力を買われたものだろう。参院で野党が多数を占める以上、いままでの与党の意向だけでの国会運営では国政が混乱する、それをどう調整するかが現内閣に求められたものだが、現実には従来とおり野党の意向を無視した国会運営が続いて、今日の混乱を招いた。 現首相は何事にも後手にまわって、積極的なリーダーシップを発揮することがない。リーダーではなく、補佐型の人材だ。元官房長官としての調整能力も、官僚の人脈に長け、うまく使えたということのようだ。だから官僚の利害に反する日銀総裁は選べず、ガソリン暫定税率や道路特定財源でリーダーシップは発揮できない。与党内での力の不足は著しい。現首相に順ずる人物が与党さらに内閣の大臣にいるのだろうか。まして野党とのパイプはほとんどみえない。現内閣の野垂れ死は近いのではなかろうか。
○…春爛漫。東京近辺では3月末に桜が満開となった。人間界で様々な「理解不能」で不可解な出来事・事件が起きるにもかかわらず自然界は変わらない。そんなとき、四文字熟語らしきものがいくつか頭に浮かんだ。 まず、「心神耗弱」。若者による理由なき?無差別殺人。裁判になると、責任能力があったかどうか、心神耗弱ではなかったかとなる。先日、ある被害者の父親が涙ながら犯人について語った「更生して社会に役立つ人間になって欲しい」という言葉を聞いて思った。確かに厳罰化してもこのような事件はなくならないだろうと。なぜこういう事件が頻繁に起こるのだろう。 これを、起した行動への「責任回避」であるというのはたやすい。けれど、大人の社会では責任回避が充満している。政治・行政・企業などでは問題を責任回避する行為はざらだ。「賞味期限」を考えてみよう。改竄行為を追及しても誰も責任を感じていないように思える。問題は、そのレッテルでしか、ものごとを判断できなくたっている我々にある。自分で見て、鼻でかぎ、舌で味わって判断する能力が欠けてしまっている。 自戒を込めて。何ごとにも予断を持たず「臨機応変」に判断し、広く心を開き「融通無碍」に過ごすこととしたい。「空理空論」か?
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