EnB 4号 目次
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■EYE
“感動”こそが原点詳細へ

■REPORT
拡大するJFEエンジの木質バイオマス利用技術
学生が見た羽田空港新滑走路プロジェクト
2007年産機受注、10年ぶりの6.5兆円台

■GLOBAL Business
・AECOM、Earth Techを買収
・Saipem、ノンコア資産のGTT株を売却
・Carillion、買収で英国2位の建設企業に
・GE Oil & Gasの最近の事業展開
   Tenarisから圧力コントロールシステムを買収
   StatoilHydroと技術・R&Dで協力関係

■TOPICS
プラント業界の第3四半期
複雑化する世界の石油開発
三菱電機の環境・省エネ技術開発

■NEWS Flash
・三井造船、ロシア向け大型高炉送風機を受注
・中外炉工業、台湾から熱延用加熱炉
…IHI、米国でLNG受入れ基地受注
…三井造船等、インドネシアで船員教育整備プロジェクト
・IHI、セメントプラント事業から撤退
・三菱レイヨンエンジ等、PUBと共同技術開発
・神戸製鋼、大型タンク用鋼板開発、受注に成功
・日立プラント、CR省エネの熱源システムを開発
・JA全農のバイオ燃料モデル事業でプラント着工
・住重子会社がPrimaveraの販売を開始
・三菱重工、メッツオに製紙機械事業を譲渡
・NEXI、貿易一般保険を改正
…丸紅、ガスプロムM&Tから排出権を購入
…J-POWER、スリランカ水力発電のFS受託

■Projects News
…GussiTouil〜ArzewLNG、再起動へ
…クウェートの製油所計画で遅延
…AngolaLNG、Bechtelが受注
…ブラジルでエタノールパイプライン
…GS建設、Ruwais製油所受注
…Lukoil、ガス化学コンプレックスを計画
…Sibur、南部でガスクラッカーを検討
…PetroChina、撫順PPでUNIPOLプロセスを採用
…Yanbuにイソシアネートコンプレックス
…トルコAkkuyu原発計画が再浮上
…ナイジェリアでMTOコンプレックス
…SuezとCodelco、LNGターミナルの環境認可を取得

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB 4号 表紙

 

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「感動」こそが原点
  大きいものをつくるということは、単にパーツを大きくすれば良いという訳ではない。巨大な構造物を構築するには、それだけで多くの知恵が必要となる。どうやって作るか、一つ一つの巨大な工作物をどう組み合わせていくのか、それらが長期間使用できるためにどういう工夫が必要なのか。スケジュール全体を俯瞰して、どう進めていけば効率的か。それらの様々な知恵が、組み合わさっていくのがエンジニアリングビジネスの醍醐味といえる。そして、巨大な構造物を構築した知恵に触れるとき、それは見るものを圧倒する。そこに感動が生まれる。
  エンジニアリングビジネスというのは、見る人を感動させることのできる仕事である。先般、エンジニアリング振興協会(ENAA)が学生を対象とした巨大プロジェクト見学会を開催した。そこに参加した学生は傍から見ていればその日、楽しそうであった。エンジニアリングの知恵と工夫に直接触れる機会というのはあまりないし、羽田のD滑走路プロジェクトは、マスコミでも今のところそれほど取り上げられる機会も少ないので、興味深いものとなっただろう。
  一方、三菱電機の研究成果発表会で無動力の水冷システムというのが紹介されていた。蒸発器と熱交換器の組み合わせによる「気泡ポンプ」を開発。冷却対象物の熱を受けて水を沸騰させ、熱交換器で蒸気を凝縮することで、循環流を発生させるというもの。普通に考えると、熱力学第二法則を無視しているようにも見える。実際、この開発者はアイデアを出した際「大学の恩師から、2時間あまり熱力学第二法則の講義を受けてしまいました」と笑ってた。また、あらゆる電気製品を作っている三菱電機の研究者が「電気を使わないシステム」を開発したことも面白いところだ。開発者に言わせると「電気を作るわけじゃなくて、お客様のニーズに応えるための開発ですから」と逆に諭されてしまった。自分こそが、そのような、色々な枠に捉われているということを感じさせてもらい、大変感謝している。知恵に触れたときに人は感動する。それが原点となって、さらに次へと進んでいくのが、この世界の面白さだ。
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編集後記

○…現行のバイオ燃料では温暖化ガス削減にはつながらず、むしろ増加するという2つの研究論文がScience誌に掲載され注目されている。1つはプリンストン大学のSearchinger氏とチームによるもので、バイオ燃料向け作物の拡大のグローバルな影響を分析した総合的研究、森林開発や農地利用の転換という土地利用の変化が温暖化ガスを増加させるという結論だ。
 もう1つはミネソタ大学のTilman氏によるもので、バイオ燃料の効果は土地・方法などに依存して多様だというもので、例えば温暖化ガス削減のメリットがでるまで、熱帯雨林(インドネシア)のパーム油バイオディーゼルで86年、熱帯雨林(ブラジル)の大豆バイオディーゼルで319年、草地(米国)のコーンエタノールで93年などのケーススタディを示している。SRIのレポートでも土地利用が大きな要素と指摘している。
 バイオ燃料が温暖化ガス削減に役立つには@穀物など食品作物起源ではない A食糧生産の農地を利用しないという条件が挙げられている。セルロースやバイオマス廃棄物起源や非食品植物起源のバイオ燃料ということになるが、コスト的に技術開発に成功しても量・原料収集などで社会システム面での問題は山積している。さらにセルローズのコスト安での分解ができれば、エネルギーより食糧に向けるべきだろう。

○…食品をめぐる偽装、農薬混入などの事件はあとを断たない。続々と公表されるに及んで「これもか!」と驚かされる。ただ、この一連の騒動をみて考えさせられたことがある。それは「賞味期限とは?」ということ。
 「賞味期限」とは、製造者が味覚を保証する期間をいうのであろう。期間を例え1日でも過ぎれば、味が落ち、腐ってしまうということでもなかろう。商品によっては1週間を過ぎても多少、味が落ちる程度というものもあろうかと思う。つまるところ、その価格で販売する味覚の保証期間と考えていいのではなかろうか。
 私の友人に、スーパーで仕入れた密封された調理済みのおかず類を食べ終わり、空き袋の賞味期限をみてこれを過ぎていると、とたんに腹具合がおかしくなる人がいる。その友人は、例え1日でも期限を過ぎていたら、トイレに駆け込む。だから、食べる前にこれを確かめ安心する。日付表示が彼の唯一の判断基準だ。
 もののない時代に育った私は、全然大丈夫だ。大体以前はそんな表示はなかった。自分の味覚だけが唯一の判断基準だ。期限が過ぎたから破棄するというのは資源保護に逆行する。期限が過ぎたら味は保証しないが半額で販売するなどがあってもいいと思っている。

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