EnB 3号 目次
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■EYE
リスクへの意識を高める時詳細へ

■INTERVIEW
新版P2Mを世界に発信
「使命達成型職業人」の知識体系
日本プロジェクトマネジメント協会理事長・田中弘氏

■GLOBAL Business
・Technip、カタールLNGなどで大幅損失を計上
・Aker Kvaerner、社名変更・新CEO任命
…ロシア政府、中海油田服務(COSL)のSTU取得を阻止
…カナダStantec、Secor Internationalを買収

■TOPICS
国際P2Mシンポジウム、7年ぶりに開催
損失発生続くエンジ業界
三井造船、新中期計画を策定へ

■NEWS Flash
・三菱重工、中国海陽原発向けタービン受注
・旭化成ケミカルズ、膜法食塩電解プラント受注
・三菱重工、オランダからGTCCをTKで受注
・Hitz子会社、パールシステムを初受注
・Hitz、バイオエタノール用脱水システム受注
・日揮、中国のセメント工場でCDM
・千代田化工、業界初のISO27001取得
・Hitz日立造船、次期中計策定
・三菱重工、インドのインフラ受注体制を整備
・相次ぐ環境関連事業の整理統合
…NEXI、資源開発関連を拡充
…JBIC、イラクに円借款供与
…MHI、風車増速機製造販社を設立

■Projects News
…カタールのクラッカーで入札
…Linde、中国で工業ガスプラント
…POSCO、ベトナムの製鉄所で認可取得
…Vinachem、肥料プラント建設へ
…Technip、バイオディーゼルプラント受注
…Suncor、オイルサンドを増強
…シンガポール初のLNGターミナル、年末にも着工
…Show、天津でABSプラント受注
…三星エンジ、ラスタヌーラ製油所受注
…Saipem、Qafco5プロジェクト受注
…パプアLNG、FEEDヘ
…メキシコLNGターミナルで入札
…エジプトが原子炉選定作業を開始へ

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■連載
しらないでは済まされない
海外プロジェクト建設法律のミソ

■エンジニアリングダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB 3号 表紙

 

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リスクへの意識を高める時
  エンジニアリング業界でリスクの顕在化が続いている。IHIの決算修正を皮切りに、千代田化工建設の収益見通しの下方修正、JFEの環境事業における前倒しでの損失計上。だが、国内だけではない。Technipもまた、赤字を計上することになった。やはり、世界的なリソース不足と、それに対応するためのコストの上昇が世界のエンジニアリング会社の収益を圧迫し始めている。
  さらに、一部の報道によれば、中東における石化プロジェクトに対して、金融機関の貸し渋りが始まっているという。その詳細は不明だが、サブプライムローン問題に絡んで金融機関の損失が顕在化し、プロジェクト事業への資金供給が細くなりつつあるという可能性があり、多少警戒を高める必要もありそうだ。
  一方国内ではこれまで、大きなリスクは無いと考えられてきた。特に公共事業のリスクは殆ど考えられてこなかった。だが現実には公共関連のプロジェクトは公益性を求められるため、利益幅は小さい。入札予定価格は見積もり金額から何%か値引きされて決められるため、ギリギリの線受注できなければ利益が出ない。従って落札率は当然ながら高くなるのだが、それでは談合を疑われてしまう。裁判になれば、今では殆どプラントメーカー側に勝ち目がないので、課徴金や賠償金で赤字が増えていく。テクエバの無い世界なので、技術が優秀でもほとんど評価されない。おまけに「一括請負でしょ?」の一言で設計変更も追加工事の費用負担もメーカー側に負わされてしまう。さらにメーカーが諸悪の根源のように思われている。何のために仕事をしているのかわからない。
  国会では暫定税率問題で揉めているが、道路財源など本来は役目を終えている。有料道路の延伸などはインフラファンドなど民間資金を使えばよい。そのほうがよほど、技術優位性や提案内容の評価が上がりそうだ。道路財源はキャッシュフローを生まない道路の維持補修だけに使えばよい。かなり税率は下げられるはずだ。
  国内でも海外でも様々なリスクに溢れている。リスクを感じ取るべく意識を高める必要がありそうだ。
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編集後記

○…揮発油税などの暫定税率存廃、空港整備法改正における空港会社への外資規制が激しい政治的対立を生んでいる。
 前者は道路特定財源の一般財源化とともに道路整備計画推進の是非がある。政府は87年の第4次全国総合開発計画による高規格幹線道路1万4千kmの全線開通を目指す。無駄な道路は作らないという小泉内閣の道路公団改革の理念は消えた。
 後者は外資が支配すると国益に反した行動するという鎖国思想だ。空港整備事業はとても採算には乗りえない静岡とか茨城といった地方空港が続々と建設されている。航空機燃料税や空港使用料などが財源として投入されることは日本の航空産業・空港の競争力を損なっている。
 PFIなどPublic Private Partnershipによるインフラ整備は欧州からはじまって世界に普及している。高速道路や空港は民間事業者に事業運営や開発に関わる権利を与えるコンセッション方式による整備・運営に注目すべきだ。必要な高速道路・空港を選別し、それに必要な投資資金を調達できる方式だ。外資は有力なパートナー・資金供給者だ。大手欧州建設業者はこの分野の有力サービスプロバイダーとなっている。 このような世界の情勢は官僚は当然知っているのだが、実現に動かないのは利権がらみがあるからなのだろうか?

○…昨年来、食の安全に関わる話題が世間を賑わしている。耐震偽装問題で「住」に関する偽装が話題になったと思ったら、うなぎ、鶏肉、牛肉、豚肉さらには菓子類など「食」にまで偽装問題が及んだ。驚くべきことに高級料亭「船場吉兆」まで産地偽装していた。このなかで賞味期限を偽装していた、いわゆる「紅白」(赤福、白い恋人)は営業再開した。これを購入するため多数の客が行列をつくったと報道されている。吉兆も営業再開日は予約が多かったという。
 個人的にはこう思う。耐震偽装もなにやら、うやむやという感がするが、食に関してもその責任は何かうやむやのうちにという思いがぬぐえない。どうしてこうも簡単に我われは許してしまうのだろうか。政治問題になり即座に輸入を認めた米国産牛肉問題もそうだが、なぜ、我々はこうも忘れっぽいのか。「食」に関していえば、何をさておいて○○産というブランドをありがたがることが背景にありはしないか?これが偽装に発展する? かたや、安価であることを売り物にした「中国製ギョウザ」の中毒事件がいま大問題になっている。今後、ベジタリアンは関係ないといっていられないかも知れない。農薬漬けでつくられた野菜も出回っている。いまや「食」しか楽しみのない我々はどうしたらいいのか。

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