○…揮発油税などの暫定税率存廃、空港整備法改正における空港会社への外資規制が激しい政治的対立を生んでいる。 前者は道路特定財源の一般財源化とともに道路整備計画推進の是非がある。政府は87年の第4次全国総合開発計画による高規格幹線道路1万4千kmの全線開通を目指す。無駄な道路は作らないという小泉内閣の道路公団改革の理念は消えた。 後者は外資が支配すると国益に反した行動するという鎖国思想だ。空港整備事業はとても採算には乗りえない静岡とか茨城といった地方空港が続々と建設されている。航空機燃料税や空港使用料などが財源として投入されることは日本の航空産業・空港の競争力を損なっている。 PFIなどPublic Private Partnershipによるインフラ整備は欧州からはじまって世界に普及している。高速道路や空港は民間事業者に事業運営や開発に関わる権利を与えるコンセッション方式による整備・運営に注目すべきだ。必要な高速道路・空港を選別し、それに必要な投資資金を調達できる方式だ。外資は有力なパートナー・資金供給者だ。大手欧州建設業者はこの分野の有力サービスプロバイダーとなっている。 このような世界の情勢は官僚は当然知っているのだが、実現に動かないのは利権がらみがあるからなのだろうか?
○…昨年来、食の安全に関わる話題が世間を賑わしている。耐震偽装問題で「住」に関する偽装が話題になったと思ったら、うなぎ、鶏肉、牛肉、豚肉さらには菓子類など「食」にまで偽装問題が及んだ。驚くべきことに高級料亭「船場吉兆」まで産地偽装していた。このなかで賞味期限を偽装していた、いわゆる「紅白」(赤福、白い恋人)は営業再開した。これを購入するため多数の客が行列をつくったと報道されている。吉兆も営業再開日は予約が多かったという。 個人的にはこう思う。耐震偽装もなにやら、うやむやという感がするが、食に関してもその責任は何かうやむやのうちにという思いがぬぐえない。どうしてこうも簡単に我われは許してしまうのだろうか。政治問題になり即座に輸入を認めた米国産牛肉問題もそうだが、なぜ、我々はこうも忘れっぽいのか。「食」に関していえば、何をさておいて○○産というブランドをありがたがることが背景にありはしないか?これが偽装に発展する? かたや、安価であることを売り物にした「中国製ギョウザ」の中毒事件がいま大問題になっている。今後、ベジタリアンは関係ないといっていられないかも知れない。農薬漬けでつくられた野菜も出回っている。いまや「食」しか楽しみのない我々はどうしたらいいのか。
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