EnB 2号 目次
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■EYE
意外なところにソリューションの種詳細へ

■REPORT
民間資本が中核となる海外電力ビジネス
2007年度上半期プラント輸出は125.9億ドル

■GLOBAL Report
韓国プラント輸出、2007年400億ドルを突破
2007年の韓国建設輸出、過去最高ほぼ400億ドル
2007年中国海外承包工程受注額、776億ドル
1兆元を突破した中国上位60社承包商売上合計
国際大手電力プラント企業、好調な業績と多角化

■TOPICS
深刻化する石油・ガス産業の悩み
プラント運転技術の高度化と伝承に脚光
適用広がる“ISO15926”

■NEWS Flash
・TEC、インドネシアのPP増産プロジェクト受注
・Hitz/Toyo-Thai、タイMMAモノマープラント受注
・三菱重工、米国からGT6基をメンテ付きで受注
・川重、サウジ向け天然ガス圧縮設備を出荷
・ウェスティングハウス、米国で原子炉受注
・JFE環境、木質バイオマスガス化設備を受注
・丸紅、台湾・長生発電所に参画
・住友金属、UAEからPPL用鋼管を受注
…新日鉄エンジ、タイから電気めっきライン
…住友商事/NEC、イタリアからパソリンク受注
…住友重機械、インド向けにPET受注

■Projects News
…Aramco、輸出用製油所計画を拡大へ
…Al-Zour製油所計画で韓国勢が独占
…KNPC、クリーン燃料PJで入札へ
…Ras Laffan C、Suezが優勢
…UAEの造水発電計画で納期延長
…アブダビIPIC、カザフでペトケミ投資
…BPとSINOPEC、YARACOで新規酢酸プラント
…鞍山にステンレス製造プラント
…Sinopec、新たなエチレンPJ
…インドで石炭ガス化計画
…印IOC、Orissaのポリオレフィンを拡張
…GorgonLNG、500万t/y×3系列に

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB 2号 表紙

 

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意外なところにソリューションの種
  プラントの現場におけるオペレータの育成には時間がかかる。定常運転時なら、運転支援システムに従って運転していれば殆ど問題ないが、プラントのシャットダウンやスタートアップ、さらに緊急時などでは、DCSのデータを見ながら人間が判断していくしかない。その判断が可能となるまでにはそれなりの時間と経験が必要だ。
  運転訓練シミュレータはこの問題をかなり解決できる。プラントのスタートアップでは、3〜4回のシミュレータによる訓練により整定までの時間をおよそ半減できるという。実プラントでは訓練のためにプラントの停止・始動を行うことはできないから、シミュレータによる訓練は相当に有意義と言える。中にはシミュレータによって、訓練を定量評価して点数をはじき出すシステムを開発したユーザーもあるり、訓練シミュレータはかなり浸透しつつあるようだ。だが、そこで「何と比較するか」が問題だ。プラントの運転の「上手い人」は定性的な評価。これを定量評価に落とし込む方法論はまだ確立されたとは言いがたい。
  プラントのオペレーションは多くの機器のデジタル化やネットワーク化、運転支援システムに支えられ、かなり自動化が進んでいると思っていた。しかし、意外なところで不自由を感じているユーザーもいる。プラントから得られるデータを、オペレータが評価する場合、エクセルで見ることは多いようだ。しかし、多くのプラントのシステムはエクセルにデータを移管できない。従って、オペレータは手作業でエクセルに入力する必要がある場合があるという。
  意外といえば意外なところでプラントのオペレーションにはまだ解決すべき問題が残されている。また、昔から言われているような、EPCデータをオペレーションやメンテナンスに必要なデータとして一貫した活用を可能とする、というITベンダーの言葉もまだ完全に実現しているわけではない。
  プラントITの問題は、主にITベンダーの仕事かもしれないが、プラントユーザーが抱える問題を解決していくのもエンジニアリング会社のソリューションビジネスである。まだ、やるべき仕事は多そうだ。
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編集後記

○…最近の東洋経済誌のゼネコン特集は、日本の建設産業の厳しい現況−談合禁止からダンピング競争、現場事故の多発、デベロッパーなどの新勢力の勢力拡大などなど、制度疲労が進むゼネコンの事業構造、法規にしばられ、動きたくとも動けない建設業の呪縛を報告している。
 この記事は若干の方向性も提示している。大和ハウスの流通店舗建築、長谷工のマンション建築といった特定分野への特化・深耕、Bovis Lend LeaseやデベロッパーのCM、スーパーゼネコンの海外や開発事業への展開。さらにPFIなど官の仕事の民間への移管が建設業の収益力をたかめ、大型M&Aなど業界再編の可能性を示している。これらはまさに欧米エンジニアリング建設業で多発する諸現象だ。
 欧米との比較で注目すべき点の一つは官から民への仕事の移管だ。イギリスをはじめとする欧州諸国ではPFIやコンセッションなどPPP事業が普及、建設企業の主事業となり建設からサービス企業となっている。わが国のPFI事業は分野が限定されるなど、今後の発展には課題が少なくない。一方米国ではPPP事業は発展段階だが、連邦政府からのアウトソーシングビジネスの発展が著しい。テクニカルサービス提供がエンジニアリング企業の新たなビジネスモデルとなっている。

○…昨年も事件や不祥事が相次いだ。個人的な感触としてはますます不可解、理解不能の事件、不祥事が増えているような気がしてならない。これは何も、社会だけに限らない。政治の世界、官公庁、企業などにもいえるが、さらにスポーツの世界までこの気配が及んでいるのではあるまいか。
 新たな年を迎えて早々、またもやスポーツの世界で信じがたいことが話題となっている。北京オリンピック出場をかけてハンドボールのアジア予選がやりなおしされる。中東が参加せず、日韓のみによる代表決定戦だ。この号が発刊されるころには決着がついている。クウェートの王族が実質的に支配するアジア・ハンドボール連盟の不公正な姿勢に、国際ハンドボール連盟も動かざるを得なかったのだ。
「不公正な姿勢」とは、審判の判定のことを指している。ゆえに「中東の笛」と呼ばれる。国際スポーツでは俄かに信じがたいことだが、金満国家よりの判定がなされているという。もとよりスポーツから公正さを取り除けば単なる見世物になってしまう。あるスポーツの審判をやっている立場からすると、信じられないことだ。しかし、昨年来の一連の不祥事をみると、いずれも公正さなどは微塵もない。国威発揚のためにあるスポーツ。どこかで聞いたことがあるような気がする。

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