○…今年の夏は本当に暑かった。みんなのこうした実感は「地球温暖化」を実感として各人の心に育て上げている。しかし、今年の夏は暑かったのか冷静に見ると、前半の冷夏を勘案すれば、平均的には大したことはなかろう。世界的にどうなのかもよくわからない。 ゴアの『不都合な真実』は映画にまでなって、世界的に大ヒットして、「地球温暖化」のバイブルとなってしまった。このバイブルの「不都合な真実」=おかしなところを環境学者伊藤公紀と生物学者池田清彦の対談が摘出している(「現代思想」10月号特集=温暖化の真実) 気候変動は地球全体ではなく、ローカルなものであり、平均ではなく月レベルで検討すべき問題だ。実際の被害は人為的社会的脆弱性に起因するところが大きい。温暖化の原因はCO2以外にも太陽黒点活動など複数考えられ、特定できる段階にない。バイオ燃料は問題点が明らかになってきており、環境影響評価が大問題。温暖化の議論は粗すぎると批判している。 CO2だけを問題にして、バイオ燃料を増量すれば多様な不都合が生じる。集中型の原子力への依存は不都合が生じた。現代社会は自動車と電力なしには存続しえない。支えるエネルギーは基本的には「炭化水素」しかない。省エネルギーが基本だ。
○…昔と違って、最近は月曜振替休日があるせいか3連休がバカに多い。9月は2回、10月も体育の日があって6日の土曜日を含めると7日、8日が三連休。若いころであったら大喜びで「山」に行っていた。ところが今は、体力もなければ、金もない。昔は金がなくともテントを背負い、自炊して最低限の出費で山にいけた。最近は中高年の登山ブームとやらで、たまに山に行くと年配者ばかりで若者は殆どいない。とはいえ、自分も中高年に違いないが。山の事故・遭難も年配者が圧倒的に多い。 10月の三連休明けに、北アルプス後立山連峰唐松岳から「不帰瞼」に向かう途中、63歳の女性が行方不明になったとの報道があった。内容は「唐松岳の山小屋に到着後、写真を撮るため52歳の男性と出かけた。男性が振り返ると数十m後ろを歩いていた女性の姿がなかった」とあり、滑落したのではないかというもの。 実は数年前、私も近所の中高年と白馬八方尾根から唐松岳へ行って宿泊した。唐松岳からの「不帰瞼」は、文字通り「かえらずのけん」という難所で高所恐怖症も含むメンバーをとても連れてはいけなかった。ベテランでもなんでもないが、この報道で解せない点がある。この難所を数十mも離れて行動していたこと。しかも年配者を後においてだ。難所は気軽に行くべきでない。
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