EnB 1号 目次
詳細 のマークがついているものは記事の内容がご覧になれます。

 

■EYE
メーカーへの回帰も戦略の一つ詳細へ

■REPORT
千代田、2010年にもCO2リフォーマーを商用化
Japn-GTLプロジェクトで性能確認へ
霞が関R7プロジェクトが竣工
中央官庁初のPFIプロジェクト

■GLOBAL Report
中国建設部、2006年工程勘察設計企業年報発表
中国石化工程建設公司、5年連続首位

■TOPICS
IHI、プラント事業で大幅赤字へ
JFEエンジと東芝プラント、蒸気タービンで協業

■NEWS Flash
・神戸製鋼、大型スクリュー圧縮機で中国向け受注
・三菱重工、中国三門向けに原発タービン受注
・「プラントエンジニアリング業」が日本標準産業分類に
・三井物産、エジプトの太陽熱・ガス統合発電を受注
・横河電機、インドの石炭火力の制御システム受注
・三菱重工、ロシアの発電プラント市場に参入
・三菱重工、CDM活用で排出権獲得
・日立造船、アセテート・トウプラント完成
・月島機械等の浄水場PFIが運営開始
・JBIC、中国の石炭火力の省エネ・環境改善で協力
・二次電池とキャパシタの風力発電安定化装置
・機構改革
…東洋エンジニアリング …住友商事

■Projects News
…KNPC、リファイナリー計画を再スタート
…KNPCのリアクター商談でL&Tが一番札
…Aramco、Manifaの重質油開発で入札へ
…サウジアラビアで燐酸肥料プラント
…オマーンで水処理設備
…Borouge、メラミンプラントでFEED入札へ
…福建石油石化統合計画、資金調達へ
…Exxonのシンガポール第2エチレン、S&Wが受注
…ヨルダンでIPP計画
…エジプト、Abu Qir発電で入札へ

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■連載
しらないでは済まされない
海外プロジェクト建設法律のミソ

■エンジニアリングダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB 12号 表紙

 

ここに代替テキストを入れて下さい
メーカーへの回帰も戦略の一つ
 IHIがプラント事業で大幅な赤字を計上する見通しとなった。以前にも同社は海外プラントプロジェクトで、赤字を出した経験があるが、その経験が活かされていなかった。重要工事審議会を設けて、マネジメント側でのリスク対応の機構を設けていたにも関わらず、それが機能していなかったと見られる。
  今回の大幅赤字に関するIHIの説明を見ると、近年の海外プラントプロジェクトにおける主要なリスク要因が殆ど全て顕在化したように見える。しかし、これらのリスク要因については、既に各方面で指摘されていることばかり。何故、これらの事象を経営サイドが早くに把握できないのか。現場に対対して経営陣が注意を向けていなかった可能性も指摘される。
  また、プロジェクトITの構築が遅れていた点も指摘されるかも知れない。近年の海外プロジェクトは、ワーカーの確保や、それに伴うアドミ作業の拡大、海外調達品の品質確保とロジスティクスの確保、建機レンタル期間の短縮など、その内容は極めて複雑化してきている。これらを全て把握し、事前にリスク要因を洗い出して、早めの対応をしていく必要があり、そのためにもプロジェクトITの高度化は不可欠。IHIもその構築を急いでいたが、現場ではマンパワーなどリソース不足から既に混乱していた。
  この事態への対処として、IHIは@ボイラ事業での海外EPCから撤退し本体機器供給に特化、A原子力では軽水炉機器、原燃サイクル機器の保守・サービスに資源を集中し、リアクタについては収益確保体制を構築する、Bプラント事業はLNG貯蔵設備およびアルジェリア関連の優位性のあるプロジェクトに特化する、としている。つまり、EPCを制限しメーカーとしての対応を強化するというのがその主な方向性といえる。
  近年、重工メーカーのプラント事業は縮小が続いている。川崎重工はプラント事業を子会社に移管。住友重機も分社化で縮小、三菱重工は原動機でもメーカー色を強めている。優秀な機器の製造能力と、プラントエンジニアリングの能力は全く異なる。その意味ではメーカーへの回帰も戦略の一つといえる。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
編集後記

○…今年の夏は本当に暑かった。みんなのこうした実感は「地球温暖化」を実感として各人の心に育て上げている。しかし、今年の夏は暑かったのか冷静に見ると、前半の冷夏を勘案すれば、平均的には大したことはなかろう。世界的にどうなのかもよくわからない。
 ゴアの『不都合な真実』は映画にまでなって、世界的に大ヒットして、「地球温暖化」のバイブルとなってしまった。このバイブルの「不都合な真実」=おかしなところを環境学者伊藤公紀と生物学者池田清彦の対談が摘出している(「現代思想」10月号特集=温暖化の真実)
 気候変動は地球全体ではなく、ローカルなものであり、平均ではなく月レベルで検討すべき問題だ。実際の被害は人為的社会的脆弱性に起因するところが大きい。温暖化の原因はCO2以外にも太陽黒点活動など複数考えられ、特定できる段階にない。バイオ燃料は問題点が明らかになってきており、環境影響評価が大問題。温暖化の議論は粗すぎると批判している。
 CO2だけを問題にして、バイオ燃料を増量すれば多様な不都合が生じる。集中型の原子力への依存は不都合が生じた。現代社会は自動車と電力なしには存続しえない。支えるエネルギーは基本的には「炭化水素」しかない。省エネルギーが基本だ。

○…昔と違って、最近は月曜振替休日があるせいか3連休がバカに多い。9月は2回、10月も体育の日があって6日の土曜日を含めると7日、8日が三連休。若いころであったら大喜びで「山」に行っていた。ところが今は、体力もなければ、金もない。昔は金がなくともテントを背負い、自炊して最低限の出費で山にいけた。最近は中高年の登山ブームとやらで、たまに山に行くと年配者ばかりで若者は殆どいない。とはいえ、自分も中高年に違いないが。山の事故・遭難も年配者が圧倒的に多い。
 10月の三連休明けに、北アルプス後立山連峰唐松岳から「不帰瞼」に向かう途中、63歳の女性が行方不明になったとの報道があった。内容は「唐松岳の山小屋に到着後、写真を撮るため52歳の男性と出かけた。男性が振り返ると数十m後ろを歩いていた女性の姿がなかった」とあり、滑落したのではないかというもの。
 実は数年前、私も近所の中高年と白馬八方尾根から唐松岳へ行って宿泊した。唐松岳からの「不帰瞼」は、文字通り「かえらずのけん」という難所で高所恐怖症も含むメンバーをとても連れてはいけなかった。ベテランでもなんでもないが、この報道で解せない点がある。この難所を数十mも離れて行動していたこと。しかも年配者を後においてだ。難所は気軽に行くべきでない。

最新号目次へ

Copyright (C) 2002 ENGINEERING JOURNAL CO,.LTD. All Rights Reserved.