EnB 1号 目次
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■EYE
「リスクゼロ」への大行進詳細へ

■REPORT
高評価を得た高度メンテナンス技術開発
エンジニアリングシンポジウム2007開催へ

■GLOBAL Report
躍進つづく、中国のエンジニアリング企業
2005年の世界エンジニアリング企業の動向(3)
−その他編−
好況のなか、進展するEC企業のM&A
世界のEC企業の業界再編動向

■Global Business
…CH2M HILL、VECO買収完了
…KBR、さらに3事業部門設立
…URSのWGI買収、両社総会の承認待ち
…AMEC事業再編終了、新たな戦略的M&Aへ
…Stantec、2社を買収
…Linde、スイスのBertrams Heatecを買収

■TOPICS
コストメリット無いCCS
次世代軽水炉開発がスタート

■NEWS Flash
・三菱重工、シンガポールからPEプラント受注
・住商〜日立、エジプトからボイラー設備受注
・三菱重工、カイロからガスタービン4基受注
・川崎重工、シンガポールからGT発電設備受注
・商事〜プランテック、ドバイで医療廃棄物焼却炉受注
・住友商事、タイの発電会社の権益を取得
・WH、仏原子力エンジ会社を買収
・横河電機、技術省と新製品開発賞を受賞
・三造プラントエンジ、エコステーション完成
・CDM案件7件が承認、承認件数230件に
・JBIC、オマーンの港湾整備PJに融資
…JSPEが新スタート
…エネルギー学会、石炭化学会議と新エネセミナー

■Projects News
…豪LNG計画が具体化へ
…パナマで複数のプロジェクトが進行中
…アブダビBorougeが上海に進出へ
…内モンゴルで石炭べースPP計画
…大宇エンジ、タイでPEプラント受注
…RuwaisのエチレンPJでインドがCM
…Exxon、シンガポールの第2エチレンを決定
…Flour、ロシア製油所PJでPMC
…印Jai Balaji、製鉄所を計画
…パキスタンで新規製油所計画
…PTTのガスセパを三星エンジが受注
…サウジアラムコ、Yanbu製油所増強
…三菱化学、ポリエステルフィルムを増産

■プロキュアメント・ニュース

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB 12号 表紙

 

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「リスクゼロ」への大行進
 プロジェクト産業は常にリスクと向かい合い、それが現実化しないよう、マネジメントしていくことで利益を生み出している。そのため、どこにリスクが潜んでいるのか、そしてどうすればそれは回避できるのか、そのノウハウがものを言う世界で業界は生きている。
  だが、一般社会では話は全く異なる。最近のニュースを見ていると、今までの常識が通じない、無茶苦茶な話が平気で通っている。これが企業にとって新たな新たなリスクとなりつつあるのだ。
  例えば、三洋電機は1970年代に製造した扇風機から出火したことで、その対応に追われている。今までなら「30年も使っていれば壊れて当然」火が出たとしても個人が引き受けるべきリスクととして問題にもならなかったはずだ。これは三洋電機だけの問題でもなく、業界として、こんな古い製品にまで責任を負わなければならなくなった。
  またここ数年、ガス機器での死亡事故が問題になっている。一部ではメーカーの設計あるいは業者の問題もあるが、その多くは利用者の不注意によるものだ。「室内でガス器具を使うときは必ず換気を」。こんなことはかつては常識だった。しかし死亡事故が少なくなった現在、ガスを使うときに換気しなければならないという危機意識が無くなってしまった。しかも「当然、メーカーの責任」という風潮になっている。大手マスコミも使用者側の問題には誰も触れない。「事故は技術で防げるはず」というのがその論拠だそうだ。「若い記者は皆そう思っている」と規制当局も嘆く。
  多摩市では廃プラ圧縮施設が反対運動で滞っている。その理由が「未知のリスクがあるから」という。廃プラを圧縮するだけで「未知の化学物質が発生する」という東大教授の研究をベースとしたものだが、ハザードが「未知」である以上、その対策は論理的に言って不可能である。リスク評価すらできない。つまり、何もできないということになる。こうなるともう「ヒステリー」っぽくなってくる。
  一般社会が、実現するわけも無い「ゼロリスク」に向かってひた走っている。そのことによって、企業の引き取るべきリスクは逆に増大しつつある。
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編集後記

○…「自立と共生」新首相の政権公約の基本理念だが、これは民主党の小沢による新生党の結党理念、鳩山・菅の旧民主党の基本理念の一つだった。
 かつて小泉内閣が発足したとき、民主党が自分たちが主張であった「改革」が小泉首相に奪われたといっていたことが思い起こされる。民主党は若い指導部がこけて、小沢執行部に変わった。民主党は、改革路線から転換して、参議院選挙で構造改革修正・格差是正・地方重視の戦略で大勝利した。この民意を受け入れることができず、前首相は続投しながら、突然政権を無責任に放棄してしまった。
 新首相の路線は内政外交とも民主党の現路線と似通ったものとなるのではないか。同じ旗印「自立と共生」はまさにその象徴か。自民党は民意にうまく対応することで、民主党の目指す早期の総選挙を封じ込めてしまうことになりそうだ。
 新首相に期待されるのは外交とくに東アジア外交だ。東アジアの国際情勢はいまや急激に戦後体制から脱却しつつある。米国は役割と存在を最小限にしようとして、東アジア諸国自身に任せようとしている。前首相の政権はこれへの対応どころか認識もしておらず強硬外交を続けていた。新首相は中国・北朝鮮政策の変換を考えていると見られており、大いに期待したい。

○…暑さ寒さも彼岸まで。今年ほどこの言葉を実感したことはない。とにかく今年の夏は猛暑であったが、やはりお彼岸とともに朝夕の涼しさが訪れた。「喉もと過ぎれば熱さ忘れ」が得意な我々も、さすがに今も今年の暑さは記憶に新しい。
 なぜ、今年は暑かったと、こだわるかと言えば、実はわが家にはクーラーがない。あることはあるのだが故障している。2度ほど大枚をはたいて修理したのだが、またすぐ故障した。それで、これまでは夜窓を開けて寝ればそこそこ快適な夜を過ごせた。熱帯夜といっても数日の我慢であった。ところが、今年もそのうち熱帯夜も終るだろうと思っていたのが間違い。連日の猛暑で、寝苦しい夜が続いた。クーラーがない家でお年寄りが熱中症で亡くなったというニュースに、明日はわが身と思ったほどである。
 なぜに、そんなに暑く感じたのか。気候変動という問題はさておいて、その原因を考えてみた。卑近な例でいえば、我がマンションで殆どの家が夜通しクーラーをつける。そこから排出する熱風が暑さを増幅させたのではあるまいか。冷房装置がない僻みと言われればそれまでだが、来夏は一度全国一斉にクーラーをとめてみるのも手ではあるまいか。もしかしたら、夜の気温が1〜2度下がるかも知れない。

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