○…「自立と共生」新首相の政権公約の基本理念だが、これは民主党の小沢による新生党の結党理念、鳩山・菅の旧民主党の基本理念の一つだった。 かつて小泉内閣が発足したとき、民主党が自分たちが主張であった「改革」が小泉首相に奪われたといっていたことが思い起こされる。民主党は若い指導部がこけて、小沢執行部に変わった。民主党は、改革路線から転換して、参議院選挙で構造改革修正・格差是正・地方重視の戦略で大勝利した。この民意を受け入れることができず、前首相は続投しながら、突然政権を無責任に放棄してしまった。 新首相の路線は内政外交とも民主党の現路線と似通ったものとなるのではないか。同じ旗印「自立と共生」はまさにその象徴か。自民党は民意にうまく対応することで、民主党の目指す早期の総選挙を封じ込めてしまうことになりそうだ。 新首相に期待されるのは外交とくに東アジア外交だ。東アジアの国際情勢はいまや急激に戦後体制から脱却しつつある。米国は役割と存在を最小限にしようとして、東アジア諸国自身に任せようとしている。前首相の政権はこれへの対応どころか認識もしておらず強硬外交を続けていた。新首相は中国・北朝鮮政策の変換を考えていると見られており、大いに期待したい。
○…暑さ寒さも彼岸まで。今年ほどこの言葉を実感したことはない。とにかく今年の夏は猛暑であったが、やはりお彼岸とともに朝夕の涼しさが訪れた。「喉もと過ぎれば熱さ忘れ」が得意な我々も、さすがに今も今年の暑さは記憶に新しい。 なぜ、今年は暑かったと、こだわるかと言えば、実はわが家にはクーラーがない。あることはあるのだが故障している。2度ほど大枚をはたいて修理したのだが、またすぐ故障した。それで、これまでは夜窓を開けて寝ればそこそこ快適な夜を過ごせた。熱帯夜といっても数日の我慢であった。ところが、今年もそのうち熱帯夜も終るだろうと思っていたのが間違い。連日の猛暑で、寝苦しい夜が続いた。クーラーがない家でお年寄りが熱中症で亡くなったというニュースに、明日はわが身と思ったほどである。 なぜに、そんなに暑く感じたのか。気候変動という問題はさておいて、その原因を考えてみた。卑近な例でいえば、我がマンションで殆どの家が夜通しクーラーをつける。そこから排出する熱風が暑さを増幅させたのではあるまいか。冷房装置がない僻みと言われればそれまでだが、来夏は一度全国一斉にクーラーをとめてみるのも手ではあるまいか。もしかしたら、夜の気温が1〜2度下がるかも知れない。
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