EnB 1号 目次
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■EYE
台湾新幹線は失敗プロジェクトだ詳細へ

■INTERVIEW

創立10周年のオメガシミュレーション
ダイナミックシミュレータで国際展開へ
オメガシミュレーション代表取締役社長 篠田拓也氏

■REPORT
フィリピンでCMEバイオディーゼル計画
2007年度国内電力投資、2年連続で増加

■GLOBAL Business
・AEP、CO2分離回収でAlstom、B&Wと提携
 -Alstom・AEPの提携 -B&W・AEPの提携
・GE、先進技術センターと世界サービスセンターを公開
・KBR、独立のエンジニアリング企業として出発
・Alstom、ロシアに事業展開
・The Shaw Group、5000名を新規雇用

■TOPICS
世界で原子力発電が拡大へ
三井造船、バイオマス技術開発を全方位で推進

■NEWS Flash
・TEC、ブラジルからガス処理拡張PJ受注
・JFEエンジ、バイオマス関連で受注100億円超
・丸紅、ブラジルから転炉排ガス処理設備
・三菱重工、タスマニアからGTCC
・丸紅〜Alstom、ボスポラス海峡横断鉄道2期案件を受注
・三井物産、サウジで鉄道軌道工事を受注
・三井物産、相次ぎ海外発電事業を拡大
・新日鉄エンジ、堺市清掃工場PFIで正式契約
・物産〜IHI、豪州から石炭火力受注
・東芝、北米で火力発電機器サービス事業を拡大
・横河電機、安全計装でFSM認証を取得
・三井造船、徳島東部処分場余水処理設備を完成

■Projects News
…Sionopec武漢80万t/yエチレンPJ、発改委が承認
…江蘇LNGターミナルで認可
…三菱マテリアル、Gresikの銅精錬で能力増強へ
…FW、サウジYanbuのペトケミでFEED
…JubailのリファイナリーでEPC入札へ
…旭化成、サウジでACNを検討
…クウェート・Shuaibaで最終ビッド
…ナイジェリアLNGでFEED
…Petrobras、新たなLNGユニットを計画
…新潟県三条市、新清掃工場で基本計画発注へ
…豊中市、3期計画で清掃工場を整備

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■連載
しらないでは済まされない
海外プロジェクト建設法律のミソ

■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL
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EnB 6号 表紙

 

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台湾新幹線は失敗プロジェクトだ
 今年開業した台湾新幹線。日本の新幹線システムが輸出された初の案件として注目されており日本の技術力を称えるような報道がまかり通っている。しかし、プロジェクトとしてみればこれは完全に失敗プロジェクトであり、また失敗であることを素直に受け入れることが、今後の日本の鉄道システム輸出の品質を向上させる、重要なポイントだ。
 台湾新幹線プロジェクトは、当初2005年10月に運転を開始する予定だった。しかし実際に運転開始となったのは今年1月。実に1年以上ものスケジュールの遅れを生じたのである。これだけでも失敗プロジェクトとして十分だが、開業したといっても運転員の養成もできず、欧州から運転員を連れてきて運行を開始するというドタバタぶりだ。当然、コスト面でもかなりのオーバーランが発生しているはずだ。しかもこれは世界最大のBOTプロジェクトである。1年以上もの遅れがどれほどの損失を生むのかを考えれば、とても日本の代表的プロジェクトと位置づけられるものではない。以前には、台湾高鉄側がスケジュールの遅れに関して日本連合に1日当たり約7億円の損害賠償を求めることを検討する、という報道もあったほどだ。
 なぜ、これほどの惨状を呈してしまったのか。その理由について米PMIでは、日本側、台湾側の双方ともにリスク認識が甘かったことを指摘している。台湾新幹線プロジェクトは、日本と欧州の異なる思想で設計された、複数のサブシステムを統合して大きなシステムを構築するものである。つまり「プログラムマネジメント」の必要なプロジェクトであった。しかし、このプロジェクトでプログラムマネージャーは存在せず、全体を見通して最適な解を導き出すことのできる人間が居なかった。しかも、日本、台湾双方とも異なるシステムの統合という複雑な仕事の本質を理解せず、そのリスク認識が甘かったのである。
 世界で、多くの鉄道プロジェクトが浮上し、日本が活躍する場も広がりつつある。しかし、運行まできめ細かく対応する欧州のコントラクターと競合していくには、まだ日本は経験不足だ。台湾の失敗をきちんと整理し、次の案件につなげていく努力が必要だ。
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編集後記

○…8Chの「あるある大事典」が納豆をテーマとした番組でスーパーで品不足を起こした上に、データや外国人学者のコメントなどの捏造が判明、バッシングを浴びて中止された。政治家・官僚はこの機会にテレビを統制すべく、法律を制定、権力志向の発言を繰り返している。
 この番組に捏造があるとは従来から言われており、実際の検証でボロボロでてきた。だが、この番組に従って納豆などを食った人が何か被害を受けたのだろうか。商品関連の業界はこの番組の紹介商品が売れたことでプラスを得てきた。この種の食品情報を提供することで、スーパーで商品が売れるという番組はほかにも多くの局に存在する。他番組には捏造がないのか。生の豆を食って下痢をする事故を起こした番組もあり、「あるある」が他の番組に比べて悪質なものとは思えない。そもそも視聴者はこれら番組を基本的には情報番組風のバラエティと見ており、自分が納得したものをテストしているだけだ。効果がなければブームはすぐに収まっている。政治家・官僚の介入を招いたのはかえすがえすも残念だ。
 「あるある」の検証番組によると、捏造は孫請によるもの、テレビ局側は知らなかったという。下請・孫請が実際に製作するのは当然だろうが、問題はテレビ局の品質管理・プロジェクト管理がなっていないことにある。

○…わが国でもいよいよ本格的にエタノール燃料の利用が開始されるようだ。すでにバイオエタノールを直接3%まで混ぜた自動車用ガソリンの販売が解禁され、山形県新庄市などで導入されているものの、ガソリンより製造コストがかさむため、普及は進んでいなかった。
 しかし、政府は「京都議定書目標達成計画」で、2010年度までに原油50万kl相当分をバイオエタノールなどの植物由来の燃料で賄うことにしている。石油連盟はこのうちの約4割(原油換算21万kl分)に当たる36万klのバイオエタノールを合成して、ガソリンに混ぜる計画を進めている。バイオエタノールは燃やしても二酸化炭素の総量が増えないといわれている。
 世界のバイオエタノール生産量のうち、約7割がブラジルのサトウキビと、米国のトウモロコシが担っているという。両国はエタノールの自動車燃料への使用を政府の計画として促進している。ガソホールである。植物であるから理論的には無尽蔵に生産が可能である。しかし、生産には膨大な土地が必要だ。
 そして懸念されるのは、安定的な供給と食料問題への影響だ。事実、米国ではトウモロコシ価格が急上昇、飼料コストが上がり、食肉価格も上昇しているそうだ。今後、エタノールが食糧を駆逐してしまうことも…?

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