EnB 1号 目次
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■EYE
信頼性の構築が成功要因詳細へ

■REPORT

TEC、ヤロスラブル製油所近代化PJを完了
エコセメントは最終処分場の延命手法

■Global Business
・GEA、Lurgi売却最終段階
…Linde、合併に伴う事業再編終了
…CH2M Hill、Wade & Associatesを買収
…Jacobs、Edwards and Kelcyを買収
…Balfour Beaty、Centex Constructionを買収
…Alstom、米国でガスタービン企業買収
・ACS、Hochtief株25%買収、両社の交渉開始
・Halliburton、Dubaiにも本社を開設
…Westinghouse、原子力オフィスを移転
…Fluor、原子力事業部門を設置

■TOPICS
日揮新社長に竹内氏が就任
前進する?太平洋地域の天然ガスPJ

■NEWS Flash
・日立〜住商、タイから複合火力受注
・三菱重工、APWRが米国で初採用
・住友商事、インドネシアから地熱発電設備
・住商〜日車連合、米国から鉄道車両受注
…丸紅〜三菱、中国から高炉ガスGT発電受注
…日立製作、カナダで超臨界圧石炭火力を連続受注
・千代田、かながわ新エネルギー賞受賞
・出光エンジ、産業用重油ボイラでDME燃焼を可能に
・石川島播磨重工業から鰍hHIへ社名変更
…出光興産、Axensに水素化分解触媒技術を供与
…三井物産プラントシステムが発足
…日立製作、秋葉原に鉄道システムのエンジセンタ
…新日鉄エンジ、組織改正

■Projects News
…上海Secco、エチレン能力増強へ
…マレーシアでPP・PE増強
…PLN、LNG受入れターミナルでBid
…インドネシアと中国で発電計画
…タイMMA、能力増強へ
…印Reliance、オレフィンコンプレックスを前進へ
…IOC、ディレイドコーカー導入
…Sonatrach、水添脱硫プラントで入札へ
…PDVSA、超重質油プロセッシング技術を導入
…ペルーでペトケミコンプレックス
…Sibur、石化製品生産量が拡大
…S&W、マラソンから製油所拡張を受注
…倉浜衛生組合新ごみ処理施設は荏原等が受注へ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL
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EnB 6号 表紙

 

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信頼性の構築が成功要因
 「中国でまだ日本がウェルカムではなかった時代、プラント建設ではいかに中国の人たちと信頼関係を作るかに心を砕いた」日揮の新社長に就任した竹内氏が就任会見で「心に残るプロジェクト」を聞かれ、答えたことである。
 プロジェクトの成功要因を聞くと必ず返ってくる答えの一つが「信頼関係」だ。逆に、失敗したプロジェクトの失敗要因としても「ユーザーとの信頼関係が築けなかった」ということが多い。そこから考えると、プロジェクトの成功を左右させる要因は、リスクマネージメントやプロジェクトマネージメント能力ではなく、信頼性の構築、そしてそのためのコミュニケーション能力であるとも言える。
 信頼関係が成立していない場合、設計変更が多発し、機器製作スケジュールが遅れ、現場が混乱していく、リカバリーの努力も信頼関係が成り立っていないと、うまく機能しない。むしろその努力そのものが空しくなっていってしまう。逆に、信頼関係が成立していると、顧客の要望をコントラクターは早期に把握することができ、プロジェクトのコントロールがたやすくなる。顧客もコントラクターがプロジェクト遂行をし易いよう、必要な許認可取得を早期にしてくれたり、サポートもしてくれる。また設計変更があっても事前に相談を持ちかけてくれるため、コントラクターがスケジュールを立てやすい。結果的にコストもスケジュールも予算内で終了し、顧客は早い段階で製品が出るため、収益を最大化できる。いいことづくめだ。
 もっとも、プラント建設が成功したからこそ、信頼関係が成就したということもいえる。文化も言語も違う人々が一つの目的で集まっているのだ。一つのプロジェクトを成し遂げて、振り返った時に心に残るのは、コントラクターとユーザーの間の「心の交流」なのかも知れない。
 国際政治の世界では、信頼関係が成り立たず、進展しない交渉がある。不信をベースにした交渉が成功することはない。最悪の場合は戦争状態に投入してしまう。プラントとは違う世界とはいえ、相互の利益のためには「信頼関係」構築の努力が必要だ。
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編集後記

○…ハンチントンの「文明の衝突」は冷戦後の世界の枠組みを提示した書だが、近年の相次ぐテロ、中東紛争などなど、欧米キリスト教文明と中東イスラム文明との「文明の衝突」と見ることもできる。
 イスラム教とキリスト教は兄弟宗教であり、中世世界では両宗教間で差があったわけではなく、人々は圧倒的に宗教のもとにひれ伏していた。中世では現代とは反対で、イスラム世界が先進、キリスト世界が後進であった。これがいつどう逆転したのか。  キリスト世界が14・5世紀以降のルネッサンス・宗教改革・宗教戦争・大航海時代(世界の拡大)などの大変動を経て、商品経済に適合したキリスト教の変貌と商業倫理・労働倫理の確立、国民国家・国民経済の成立、市民革命、法治国家世俗国家の確立などと、産業革命をもたらす資本主義経済の基盤が成立したことが回答だろう。例えば木村尚三郎「近代の神話」(中公新書)を参照すると血まみれの西欧の近代化が見えてくる。  その間イスラム世界は多民族帝国オスマントルコのもと繁栄を続けていた。キリスト世界との格差に目覚めたのは第一次大戦オスマントルコの崩壊以後だ。現在でもイスラム法の支配が続くなど世俗化は不十分なままだ。中東など多くの国が独立、多民族共存地域に国境を引いて国民国家を無理無理造り出したのだが、成功例は数少ない。
○…3月下旬に能登半島をM6.9、震度6強の地震が襲った。この地震は、「日本全国どこでも巨大地震が起こっておかしくない」ことを実感させた。
 というのも、政府地震調査研究推進本部が昨年発表した「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」の予測を見ると、能登半島は0.1%未満の地域に色分けされている。ほぼ発災確率ゼロと考えてしまう。
 ただ、同本部は「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が相対的に小さいとしても0%ではない。例えば、30年以内に火事に被災する確率は1.9%、交通事故で死亡する確率は0.2%、これらの数値と比較しても、例えば地震の発生確率3%という数値は決して低くない。また、たとえ地震の発生確率が高くなくても、一度地震が発生すればその被害は甚大なものとなる。これらを考えあわせれば、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が3%を「高い」と捉えることには十分意味がある」と説明している。
 人口が密集している大都市で発災したらどうだろう。その被害は想像を絶する。首都圏地域でいえば、同予測図で「南関東地震」はM6.7〜M7.2で確率70%程度となっている。この確率はとてつもなく大きい。この予測図は全国の市町村に配布されている。ぜひ、ご一見を!

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