EnB 1号 目次
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■EYE
「強い水環境事業会社」の萌芽 詳細へ

■REPORT

日揮、「信頼性」でCDM案件拡充へ
2006年の産業機械受注、6兆円の大台に

■TOPICS
プラント・建設各社の第3四半期決算

■Global Report
中国のコントラクター、世界級に成長

■GLOBAL Business
・Areva、中国から原子力発電プラント2基を受注
…WorleyParsons、カナダのエンジニアリング企業買収
…AMEC、ノンコア事業売却がスタート
…GE、フランス水事業に投資して欧州水市場に参入
…Veolia、Vinciとの統合に関心なし

■NEWS Flash
・TEC、タイからL-LDPEプラント受注
・タクマ、久留米市からごみ処理施設運営を受託
・富士電機と日本ガイシが水処理事業を統合へ
・石川島建機、バッチャープラント事業を譲渡
・大阪ガス等、自動車用DME改質器開発
・日立、オイルサンド廃水処理システムを実証へ
・豊田通商など、タイのバイオガスCDM設備完成
・丸紅、ブラジルにBD原料供給で合弁会社
・IHI、次期社長に釜和明氏

■Projects News
…POSCO、新製鋼工場を建設
…三星エンジ、相次ぎプラント受注
…台湾新空港の交通システムをシンガポールが受注
…KBR、吉林石化のPPプラントで基本設計
…寧波に第2リファイナリーコンプレックス計画
…三井フェノールシンガポールがプラント増強へ
…三菱・AES、パキスタンの石炭火力で認可
…ExxonMobil、カタールGTLを断念
…三井物産、サウジでペトケミを検討
…ドーハ空港のピープルムーバーで入札
…東京・大田清掃工場建替計画

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL
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EnB 4号 表紙

 

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「強い水環境事業会社」の萌芽
  公共事業に依存していた水処理プラント事業分野では、上下水道の整備がほぼ終了した成熟市場となり、投資は抑制され、市場が縮小してきた。そのなかで、水処理プラントメーカーは談合で勧告を受け、撤退する企業も出てきている。だがその一方、世界に目を転じると安全な水へのアクセスができないことが大きな問題となっており、国連でも上水の整備が21世紀の重要な課題であることが認識されてきている。
 ところが、これまでの日本の水処理プラント業界は浄水、下水処理に分けられ、さらにプラント機器と電機品の供給も分断されている世界。また新たな水処理技術を開発しても、公共事業の特性により開発者利益を得難い市場の性格が、この業界の発展を遅らせていたと指摘されるところだ。とても世界に打って出ていけるような世界にはない。
 実際、これまで水処理の海外展開といえば、日本企業の海外進出に伴う工場のユーティリティ設備の供給とか、下水処理プラントの一部の供給、海水淡水化プラントの供給などにとどまっている。しかも水処理事業は民間に開放されていないため、海外で水事業を展開できる事業会社も存在しない。
 これに対して、世界にはベオリア、スエズ、テムズ・ウォーター、GEウォーター、シーメンスなど有力な水事業会社、水処理施設の供給・運営を行っているメーカーが多く存在する。明らかに水処理事業において、日本は世界でも遅れた存在である。それは総合的に水関連のシステムを構築し、維持管理・運営を手掛ける会社がいないというところに現れている。
 今回、富士電機と日本ガイシが水環境事業を統合することを決めた。これは電機メーカーとプラントメーカーが統合する初の事例となるものであり、両社のシナジーにより、事業領域を大きく広げていく考えだ。具体的にはEPCだけでなく、コンサルタントや維持管理までを含めた総合的なプラントサービスを展開し、産業向けでのユーティリティ分野を拡大するとともに、世界展開にも挑戦していくという。具体的な施策は明らかにしていないが、「強い水処理プラントメーカー」の芽がようやく日本でも誕生したといえる。
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編集後記

○…来日したチェコのクラウス大統領が京都議定書を批判した。「チェコは京都議定書に署名したが、悲劇的な間違いだと思う」「地球温暖化議論は科学的言動を欠く。理性に富む人は拒否すべき概念だ」と言い切る。チェコは2年後には地球温暖化対策を声高に推進するEUの議長国になるのだから驚きの発言だ。
 地球温暖化はそんなに悪いことなのか?そもそも地球は温暖化しているのか? 温暖化の原因は本当に二酸化炭素なのか? 温暖化は異常気象をもたらしているのか? そもそも近年は異常気象なのか? 次々と疑問が生ずる。客観的・科学的に議論を精査していくと、そのほとんどは否定的ないし不明となるものばかりだ。クラウス大統領の発言は正しい。強固に政治化・制度化してしまったこの問題に反対するクラウス大統領の勇気ある発言を賞賛したい。
 我々が直面している課題は、二酸化炭素削減ではなく、直接的な省資源・省エネルギーが正しい解答だ。次世代エネルギーは核爆弾に結びつく原子力や、食糧問題に影響するバイオ燃料ではなく、クリーン化した石炭こそが本命だ。バイオ燃料など再生可能エネルギーは本来分散型のエネルギーで、大量消費型には適合しない。再生可能エネルギーの普及には技術開発よりも分散型をどう組込むかという社会システムの解決が先決なのだ。
○…「新築住宅補償法案」が3月上旬にも閣議決定の上、今通常国会にも提出される見通しである。同法案に対して保険の専門家に意見を聞いてみた。以下がそれ。
 このような法整備はほんの出発点に過ぎず、まだまだいくつかの問題解決が残されている。そのひとつが耐震偽装問題の核心とも言える“販売業者の故意や重大な過失による瑕疵担保”については依然としてこれらの補償制度では免責となっていること。もちろん故意、重大な過失の場合に備えて販売業者自身の拠出による「被害者救済基金」の創設も合わせて盛り込まれるようであるが、この基金設置、運営面での法的な強制力付与の如何によっては制度の実効はおぼつかない。
 2点目は「瑕疵」の明確な定義づけの必要性と、公平性、透明性の担保される瑕疵認定の調査・査定制度及び調停制度の確立である。制度は作ったものの、これらの不可欠なサポート制度の確立なしにはせっかくの保証制度存続は期待できない。3点目は事故多発時における補償資金の補給(バックアップ)体制であろう。
 以上がその専門家の意見の概略だ。同様の瑕疵保証制度がフランス、イギリス、アメリカなどでも導入されているが、あまりうまく機能していないという。これら各国の成功事例、失敗事例に学ばなければならない。

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