EnB 1号 目次
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■EYE
知恵の足りない政府の公共事業改革 詳細へ

■REPORT

拡大する石炭ガス化プロジェクト

■TOPICS
TEC、BASFと新ガス精製技術を開発
エネルギーソリューション市場は2割増に

■GLOBAL Business
・2006年韓国プラント輸出、過去最高の254億ドル
・E&Cコスト、今年も上昇
…Fluor、ヒューストン近郊のオフィスを拡大
・GE、成長分野めざし相次いで大型合併
・Siemens、医療・水事業でM&A

■Global Report
中東・アフリカで液化設備が倍増/世界のLNG(1)

■NEWS Flash
・新日鉄エンジ、中国からCGLを受注
・日立プラント、中国市場で事業拡大
・前田・西松、スリランカから水力発電所工事受注
・日造メカニカル、PX用インターナルを受注
・三菱商事、インフラファンドに参画
・新日鉄エンジ、堺市廃棄物処理PFIで優先権
・JBIC、トルコ国鉄向けにバイクレ
・日揮グループ、プラントIT事業を強化
・鹿島等、最終処分場被服屋根を開発
物産とプルタミナ、インドネシアで製油所増設

■Projects News
…インドネシア、スラウェシLNGで三菱が参加へ
…S&W〜CTCI、タイでプロパン脱水素ユニット受注
…Suez、オマーン・バルカ2を獲得
…大阪モノレールがUAEで技術支援
…カタールの造水発電案件でRFP
…UAE、Fujairah2で入札参加グループ形成進む
…クウェートで製油所の排水処理設備PJでITB
…UAE、尿素プラントで入札へ
…カタール、ガス火力で入札へ
…Egypt India PetchemがPETプラント
…Sinopec、四川省でMTO含むガス化学基地

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データファイル

■エンジニアリング・ダイジェスト


■EDITORIAL
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EnB 2号 表紙

 

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知恵の足りない政府の公共事業改革
  改正独占禁止法が施行され、談合に対する処罰が厳しくなってから1年が過ぎた。この間、公共事業で起こっていることは、編集子の予想通りだった。いやその予想を上回って進んでしまったといえる。
  単純にいえば、談合ができなくなったことで、公共事業の価格が値崩れを起こしてしまった。低価格入札の横行である。とても採算がとれると思えないレベルまで入札価格が落ち込んでしまった。そのため、公共工事の「品質・安全性」が担保されなくなってしまったのである。
  これを受けて昨年10月、自民党はあわてて「公共工事低入札緊急対策会議」を開催した。そこでは「ダンピングは、適正な競争を阻害し、国民の安全・安心な生活を妨げる」とか「低価格競争問題によって将来に禍根を残すことがないようすることが必要」などの自民党議員による発言があったとされているが、そんなことは最初からわかっていること。
  こういう事態を招いているのは、「談合排除」の掛け声のもとに、単に罰則を強化しただけで良しとし、談合に替わる「品質保証」を取り込んだ合理的で公正な入札システムの構築をおろそかにしていたためであり、明らかに政府・自民党の落ち度である。
  しかも、今年に入ってからもまたチグハグな話が出てきた。1月に国土交通省の審議官(建設産業)が「地方自治体は、競争性を確保しながら、WTO案件を除き、地元企業へ発注することが望ましい」と述べた。その際、必要に応じて大手建設業はコンストラクション・マネージャー(CMR)として参加するという形とするという。
  地元企業に限定して発注するのが望ましいという根拠はどこにもない。その上、これでは小規模の「技術力のない」業者が温存されてしまい、建設産業全体の競争力強化、健全性の確保が失われる結果となりかねない。そもそも、公共事業では品質が高く、価格が安け会社に発注することが、公益に適うものであり、そうすべきなのだ。そこで地元企業優先という訳のわからないファクターを入れること自体「官製談合」としか言いようがない。このような無自覚に過ぎる政策のお陰で、日本の産業の健全性が失われていく。
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編集後記

○…北海道ガスの北見市ガス漏れ事故、都市ガスのCO中毒?しかも大手ガス会社なのに!ガス管の老朽化も伝えられた。
 都市ガスの天然ガス化は90%近くに達しており、都市ガスでのLNG需要は飽和点に達している。東京ガスが17年かけて天然ガスへの転換を成し遂げるなど大都市圏では都市ガスによるCO中毒は忘れかけている。しかし全国的にはそうではないようだ。 供給ガスにCOを含む企業が16社ある。内北海道に6社ある。北ガスは1993年に天然ガス導入を決定、北見市を除いて転換が終わっている。北見市は昨年市営ガスを北ガスが買収したものだ。さすがに石炭が原料ではないが石油製品の改質ガス(CO・H2・炭化水素)が供給源。北見の転換は2009年が予定されている。北見工場にLNG基地が2008年から建設される。他の北海道の業者も北ガスと共同もしくは単独で、最も遅い企業は2010年までに天然ガスに転換する。
 遅れた天然ガス化、市営という投資面での制約が北ガスの買収で目処がついた矢先の事故だが、原因はいまのところはっきりしない。現場付近のねずみ鋳鉄製のガス管が破断して、下水管などを伝わって住宅にガスが入った。専門家の調査が始まったが、原因は予断できず、経年による管の劣化とは特定できないそうだ。ガス会社の事故対応にどれほど問題があったかも不明だ。

○…年初、「談合決別宣言」後の談合疑惑として名古屋地下鉄延長工事などでスーパーゼネコンが取調べを受けた。決別宣言によって、今後は大きな談合事件はあまり起こらないだろうと考えていた。今年も談合事件が世をさわがせるのであろうか?
 岐阜市の希望社・桑原耕司社長が自社のHP上コラムで、なるほどと思わされる視点で談合問題を論じていた。談合は「建設業者自身が主体的に行っているものではなく、官僚が組み立てた仕組みに従ってやっている」というのだ。「そうしなければ建設業者は生きていけないという歴史がある」と。その仕組みとは、「主導的地位に立つ官が企画し指令する工事を、その僕である建設業者が実施するという形で発展し、それが現在でも続いている」というのだ。この視点で見なければ「談合問題の本質が見えてこない」とも。
 そして、「市民は業界談合の元締めである官僚に強い批判を浴びせ続けなければ談合体制は変わらない」と。建設業は官の要請に応え談合を続けていたら、自滅してしまうと桑原社長は警鐘、だから、己のためにも脱談合の宣言が大切だと主張している。だが、今回は談合決別宣言後の出来事だ。またぞろ、民は責任を問われる。官の場合は個人ベースの責任でお茶を濁す。何かおかしくないか。

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