○…Only Yesterday. つい先日まであった店がいつのまにか空地になっている。町並みだけではない、ほんの一二年前までのやり方が通用しないことが少なくない。 急成長する中国、変貌著しい上海で、テレビが昔の上海を懐かしむ老人に、今昔の比較をインタービューしていた。誰もが今の生活を良しとし、将来に希望をもっていた。日本の現在とは全く異なる。ほんの少し前の高度成長期の日本の姿にダブる。 日本の変貌は中国とは違い、大きな転換期のそれ、行方の知れない不安感が漂っている。戦後あるいは昭和後期の高度成長を支えてきた社会構造、政治体制、経済体制、そして倫理までが寿命がきて、新たな体制の構築が必要な時代になった。このことは10年以上前から判明していることだが。 現在、日本経済は好況がいざなぎ景気を超えて続いている。しかし、所得への波及が小さく消費は低迷したまま、好況感に乏しい。好調という自動車とて海外需要に支えられたもの。薄型テレビなど情報家電の過当競争はすさまじい。安倍内閣のいう成長戦略に具体性がない。 将来展望がみえないので大衆の短期的要望に応えて部分的な変更が行われ、新たな歪が生まれている。教育・入札などなど様々な改革は根本的な展望とソフトランディングのもとで行われることを願いたい。
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