PFI関係省庁連絡会議という組織がある。各省庁、関係機関で実施するPFI事業について、より事業を円滑にするための方策を話し合う場だ。本年11月末の会議で「競争的対話方式」を現行法制度の枠内で一部採り入れることを申し合わせた。「刑務所」、「病院」など建設費より運営費の比重の高い事業が対象だ。総事業費1千億円以上など大型事業に採用されることになろう。 この「競争的対話方式」とは、EU指令に基づき、現在EU12カ国で国内法に適用されている民間事業者選定方式である。入札に際して、その実施前に3社程度に参加者を絞り、「応募者ごとの対面での対話」を実施するものだ。対話することにより、発注者側の考えが明確にでき、その意図に沿って民間側が提案、応札できる。これにより官民双方が理解を深め、質の高い提案が引き出せることになる。
確かにこの方式が定着すれば、公共事業としてのPFIが一段と評価を上げる。ただ、問題が一つある。公共セクターが対話を円滑に進めるだけの知識とノウハウを備えているかだ。ころころ変わる行政側担当者にノウハウが継承されるか心もとない。官製談合でトップの指令に従っているほうが楽なのは確かだ。
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