○…本号でPFIについてレポートした。この中で、誌面の関係もあって触れられなかった問題点がいくつかある。そのうちの一つが民間事業者選定方式の問題である。
公共事業で談合事件がクローズアップされ、「一般競争入札」の重視が言われるようになった。会計法によってPFIでも、総合評価一般競争入札が行われている。ところが、この「総合評価」が曲者だ。誰が、どのように、どういう基準で評価するのか甚だわかりにくい。
PFIの場合は、性能発注である。仕様は決めず、「これこれの性能を満たす提案を持って来い」というわけだ。提案を作成する民間企業のエネルギーは大変なものがある。また、この提案を審査する側も、「こういうものが欲しい」という明確なビジョンを持ち、その提案はそれを満たしているかを評価しなければならない。
落札してからの契約交渉過程では変更は許されない。両者ともその労力は並大抵ではない。時間ばかりかかり、「二度とPFIはごめん」という担当者も出てくる。
その不備を補う方式として、EUで採用されている「競争的対話方式」がいま検討されている。対話によって民間事業者を絞り込んでいく方式だ。いっそのこと、通常の公共事業でもこの方式を検討したらどうだろう。
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