EnB 13号 目次
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■EYE
交渉できない日本詳細へ

■REPORT
PFIの7年から我々は何を学んだか(上)

新時代に入った原子力ビジネス

■GLOBAL REPORT
中国海洋石油、中国化工建設を傘下に編入
中国の化学プロセスエンジニアリング企業事情

■GLOBAL Business
・GE、インドネシアで機関車を生産
・MAE Engineering、バイオジーゼル技術企業に出資
・Halliburton、KBRの一部上場を進める

■TOPICS
アジアのエネルギー投資、7.55兆ドルに
APERCがAPECエネルギー需給見通しを作成

盛況だったENAAシンポジウム

■NEWS FLASH
・新日鉄エンジニアリング、天然ガス開発用設備を受注
・丸紅、カタールでIPP事業を獲得
・エクシム、UAEから超高圧地中線を受注
・川崎重工、北京向けにCGS受注
・日立造船、セルロース製造プラントを受注
・「本邦技術活用条件」(STEP)適用条件を変更
・日揮、エンジニアリング業界で初めてISO27001を取得
・ChAS、『自動細胞加工培養システム』を開発
・出光興産、VOC回収装置設置を完了

■Projects News
…中国のエチレンコンプレックス計画の進展状況
  Petrochina Sinopec その他
…台湾のHSSTプロジェクト、年内にも決着へ
…サウジカヤン、JubailのHDPEでITB
…クウェート変電所PJで再入札
…バルチックLNGでFSへ
…チリでDMEプロジェクト
…サウジKuraisガス設備はFWが受注

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル


■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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交渉できない日本
 日本が係るエネルギー開発プロジェクトで相次ぎ問題が発生している。ロシアではサハリン2プロジェクトが環境問題とコスト面から改善を迫られている。また一方でイランではアザデガン油田で日本側の獲得していた権益が大幅に引き下げられることとなった。
  ロシアの問題は天然資源監督庁の環境問題の指摘が発端であり、同庁は裁判所にプロジェクトの停止を求める仮処分申請をした。しかしこれは発効していないため、実際にプロジェクトは止まっては居ない。コスト問題ではロシア側が生産分与契約(PSA)を見直すといようなことも報道されているが、実際にはPSAを変更するということにまで発展はしないと見られている。サハリンプロジェクトは以前から環境問題が指摘されていた。欧州でEBRDが環境問題から融資できないことが表明されているほどだ。しかしここに来て環境問題からプロジェクト中止を言い出すのはちょっとおかしい。コスト面が問題ならば、ここでプロジェクトを中断すれば余計にコストは上昇してしまうことになる。ロシア側も意思統一はなされていないようだ。天然資源監督庁は設立されたばかりで、今回が初の大きな仕事である。原理主義的な環境NGOのような態?xをとることで、自らの存在基盤の強化を狙っているとしか見えない。だから実際にプロジェクトが中断することはないのである。しかし、日本の政治家も中央官僚も直接ロシアと対話できていない。 アザデガンに関しては、イランの核開発問題が背景にあり、さらに地雷撤去が進んでいないことから、日本側が保有していた75%の権益の大半をイラン石油公社に引渡し、日本は10%程度保有するだけとなった。これによって日本は、イランから迫られていた交渉期限を無効とする代わりに、同油田の操業権を失うこととなった。日本独自の資源確保戦略の中で最も大きな案件であったが、期待通りには進まなかった。欧米諸国とイランを結ぶことができる立場にいる唯一の先進国である日本が動こうとしなかったためだ。
  日本では政治家も中央官僚も海外諸国との問題解決に向けて自らの意思で直接動くことがない。それが日本のエネルギー安全保障上の最大の問題点だ。
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編集後記

○…本号でPFIについてレポートした。この中で、誌面の関係もあって触れられなかった問題点がいくつかある。そのうちの一つが民間事業者選定方式の問題である。
 公共事業で談合事件がクローズアップされ、「一般競争入札」の重視が言われるようになった。会計法によってPFIでも、総合評価一般競争入札が行われている。ところが、この「総合評価」が曲者だ。誰が、どのように、どういう基準で評価するのか甚だわかりにくい。
 PFIの場合は、性能発注である。仕様は決めず、「これこれの性能を満たす提案を持って来い」というわけだ。提案を作成する民間企業のエネルギーは大変なものがある。また、この提案を審査する側も、「こういうものが欲しい」という明確なビジョンを持ち、その提案はそれを満たしているかを評価しなければならない。
落札してからの契約交渉過程では変更は許されない。両者ともその労力は並大抵ではない。時間ばかりかかり、「二度とPFIはごめん」という担当者も出てくる。
 その不備を補う方式として、EUで採用されている「競争的対話方式」がいま検討されている。対話によって民間事業者を絞り込んでいく方式だ。いっそのこと、通常の公共事業でもこの方式を検討したらどうだろう。

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