EnB ○○号 目次
詳細 のマークがついているものは記事の内容がご覧になれます。

 

■EYE
是正の機会なかった橋梁談合詳細へ

■REPORT
受注拡大するプラント業界詳細へ
2005年3月期決算概況

特別座談会 5年を経たPFIの評価と、その処方箋(中)

米国コントラクター、回復した建設市場詳細へ
2004年の米国エンジニアリング企業の動向(2)-コントラクター編-

■TOPICS
プラ協、京都議定書のDOEに

ENAA、OHSMS適用の拡大を促す詳細へ

2004年度産機受注、2年連続で増加

■GLOBAL Business
・Fluor、大型PPPプロジェクトを受注
・アスベスト法案、関連大手企業に有利
・Dow・Snamprogetti、エタン原料スチレン技術共同開発

■NEWS FLASH
・日揮等、ベトナム1stリファイナリーを受注詳細へ
・IHI、中国から排煙脱硫装置のFEEDを受注
・新日鉄、POSCOからCDQ受注
・住友重機械、廃タイヤ燃料の発電設備受注
・神戸製鋼、中国でFASTMELTの合弁設立へ
・横河電機、新発売の安全計装システム受注が好調
・ChAS、新日石で事業資産管理システムを稼動
・荏原、バラード社と燃料電池事業で提携を強化
・IHI、ベトナム最大の斜長橋を完成
・三井造船、1000kW級ガスエンジン4基受注
・日立造船、米国向けキャニスターを納入
・Project News詳細へ


■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル


■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

ここに代替テキストを入れて下さい
是正の機会なかった橋梁談合
 鋼製橋梁談合で公正取引委員会が橋梁大手8社を告発し、東京高検による家宅捜索、および担当者の聴取が行われ、11社14名の逮捕者まで出てしまった。市場規模3,500億円、談合参加企業は47社にのぼり、過去数十年にわたって談合が繰り返されてきたという過去最大の談合事件となり、業界は世間からの批判を浴びている。
近年の橋梁市場はPC橋の拡大などで市場規模は年々減少を続けている。会社全体から見ても小規模の事業であり、決して収益性が高いわけでもなく、中には橋梁が赤字事業となっていた会社もある。ある企業では、国内の橋梁にはあまり注力していないとする一方、海外の橋梁に出て行く気配もない。いっそのこと橋梁などやめてしまえばいいのに、と思うこともあった。それなのになお、橋梁からの撤退を図るでもなく、多くの橋梁メーカーが事業を存続することができた理由が、談合にあったのだ。橋梁談合は、事業構造改革の足枷にもなっていたと言える。今回の告発を機会に、業界のリストラクチャリングが進んでいくことに期待したい。
ところで、今回の談合事件では官側にも疑問が残る。これだけの規模で談合が繰り返されていたのであれば、発注者が気付かないはずがない。官側は談合に気付いていながらも、黙認していたのだろう。
しかも橋梁の発注は「トン当たりいくら」という評価になっているという。鉄使用量を削減できるような橋梁を開発しようものなら、入札で有利になるどころか、軽いから、と価格が下げられてしまう。独自技術開発へのインセンティブが入札評価にない。官側はこの評価方法をこれまで変えようともしなかった。技術評価という非価格要素が加味されない以上、後は価格競争である。それも新規参入のない市場ならお互いに採算割れをしないレベルで価格を調整しようとするのはごく当然の成り行きだ。それを放って置いたのだからこれは、“消極的な”官製談合といえるだろう。
市場縮小のなかで生き残るために談合もやむをえなかった民間企業。談合に気付きながら是正しようとしなかった官公庁。罰せられるべきは民間だけではない。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
受注拡大するプラント業界
 プラント関連業界の2005年3月期決算が出揃った。専業大手エンジニアリング会社は海外のエネルギー関連プロジェクト、および国内の石油・石化プロジェクトの拡大で、3社とも受注は高水準で推移。東洋エンジニアリングも漸く黒字転換を果たし、業績も好調だ。一方、鉄鋼大手のエンジニアリング部門や造船重機では、国内の公共投資抑制が続き、受注競争も激化するなど事業環境は厳しい状況が続いているなかで、国内の大型案件や民間設備投資、海外案件などにより比較的受注は好調。それに伴って全般的に売上げも増加しつつある。心配されていた鋼材価格の高騰および納期の長期化に関しても、当初から予想されていたためか殆どの企業で影響はわずかなものとなっている。ただ、造船重機は営業利益の圧迫要因もあり、収益面ではまだら模様と言ったところ。
今年度については、引き続き海外はプロジェクトが高水準で推移する見込みであるほか、国内では石油・石油化学のインテグレート案件など民間投資は活発化する見込み。ただ、ごみ処理装置をはじめとする国内公共工事についてはさらに厳しい状況となる見込みであり、鉄鋼、造船重機は海外や国内民間向けの強化が課題となりそうだ。
最新号目次へ

 

米国コントラクター、回復した建設市場
ENR上位400社コントラクターの2004年の合計売上高は2003年の1933.5億ドルから8.5%増の2097.4億ドルに上昇した。国際売上高は、2004年に22.4%と急増、328.2億ドルとなった。中東のプロジェクトが原動力となった。米国国内売上高は1769.2億ドル、6.5%と堅調な伸びを示した。400社のうち69.3%は前年比売上増となった。受注高は12.9%増、国内外とも二桁増となっている。市場の上昇は市場繁栄への復帰を示すものかもしれない。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
ENAA、OHSMS適用の拡大を促す
リスクマネジメント活用で問題点を整理
プラント建設における労働安全への要求が高まるなか、エンジニアリング振興協会(ENAA)は労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)のエンジニアリング業界への適用拡大を図っている。プラント建設に焦点を当てたリスクアセスメントを作成しただけでなく、それを適用し、社内にOHSMSを導入・定着させるための問題点の整理を行った。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
日揮等、ベトナム1stリファイナリーを受注
 Technip、日揮、Technicas Reunidasの3社は、ベトナム石油公社(Petrovietnam)が計画している同国初の製油所建設プロジェクトのEPCを受注した。5月17日に契約を調印したもので、受注額は約1,600億円。2009年2月に完成の予定だ。東洋エンジニアリングもパートナーとしてプロジェクトに参加する。
同プロジェクトは、ベトナム・ハノイの南850kmに位置するQuang Ngai県Dung Quatにグラスルーツで製油所を新設するもの。原油処理能力は14万8,000b/d。石油製品は国内に供給し、海外からの石油製品輸入を減らす。1997年から計画が進められており、当初はベトナムとロシアのコンソーシアムで事業を進めることとしていたが、その後ロシアが計画から撤退、ベトナム単独での計画となった。
最新号目次へ

 

Project News
鎮海エチレン、政府認可を取得
クウェート原油生産プラントで入札へ
クウェート、EO/EGで入札ミーティング
カタールLLDPEで入札
AGD-2で入札
オマーンで芳香族プロジェクト
サウジ、YanSabオレフィンで入札へ
サウジRabighのIWPPでプロポーザル
エジプトPPプロジェクトで入札
重工、金沢市の焼却炉改良工事受注
大阪ガス、泉北発電所で環境評価準備書
札幌市、汚泥焼却炉で入札へ
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
編集後記
○…イラクで日本人拘束がまた起きた。今回拘束された斉藤氏はイギリスの警備会社HeartSecurityの警備スタッフ、長年フランス外人部隊員という筋金入りの職業兵士だ。前回NGOやフリー記者に起きた「自己責任」の声がないのが不思議だ。斉藤氏こそ自己責任で生死を賭けており、日本政府の保護を必要としない人物ではないか。
警備会社とはいっても実際は軍事役務を提供する民間軍事コントラクター(PMC)だ。イラクでの民間軍事要員は昨夏2万人に達し、PMCは米軍につぐ兵員だという。広く民間軍事企業PMFの市場は世界的に拡大している。冷戦終了後の戦争は国家間ではなく民族紛争や対テロ戦争であり、紛争解決を担う先進国にとって国民の多大な人員犠牲を強いる戦争ではないからだ。
「戦争請負会社」(NHK出版)によると、PMFは前線からの距離により軍事役務提供企業・軍事コンサルタント・軍事支援企業に分けられる。KBRのイラク輜重役務は軍事支援業務だ。この外延に人道支援・復興支援業務があり、先進国軍隊の責務となっている。民間だけで実施できる以前の段階だ。陸上自衛隊のイラク派遣もその一例だ。この業務も米国は積極的に民間企業を起用している。イラクの復興ビジネスがその例だ。民間コントラクターを通じての現地のリソース・協力が成功の鍵だからだ。

○…「橋梁談合」問題が新聞紙上を賑わしている。「談合」、「価格カルテル」は忘れた頃に告発され、話題を呼ぶ。確かに「談合」は市場経済に反する行為だろう。まず、第一に非効率な事業者も「業界協調」の名の下に温存される。何よりも、消費者・国民は高い買物(税金)をさせられるはめになる。けれど、「談合」はなかなかなくらない。過当な価格競争を避ける、業界全体の維持安定など様々な言い分があるだろう。時には、地場産業育成を目的とした官製談合さえも起こる。
今回の件では日本の有力な橋梁メーカーの殆どが顔をそろえている。これらメーカーを抜きにして安全な橋梁は建設できないだろう。確かに、メーカーが価格面で過当競争を行えば、赤字受注も起こり得るかもしれない。必然的に体力のない企業は淘汰される。
いつも、「談合問題」が起こるたびに思う。内部告発によって表に出てくるのであろうが、このシステムは深く日本の土壌に根づいてるのではなかろうか。既存のシステム、既得権益を壊したくない人々にとっては、たまたま告発されたのは「運が悪い」としか?だとすれば、抜け道を探すいたちごっこだ。問題は公共事業の入札システムにある。会計法に謳われる「一般競争入札」。ここに問題があるような気がしてならない。

最新号目次へ

Copyright (C) 2002 ENGINEERING JOURNAL CO,.LTD. All Rights Reserved.