○…某大手テレビ会社の会長が「市民記者」制度を批判している。韓国で大統領選を左右したインターネット新聞Ohmynewsを支え、ライブドアが導入している制度だ。テレビ会社の会長は、とくにライブドア堀江社長の、ニュースは事実そのものを提示すべきだ、評価は読者にゆだねるべきだいう主張を論難している。テレビは視聴者に「正しい」判断をした情報を提供しているのだという主張だろう。
テレビにハイレベルのきちんと情報収集し正確な判断の基礎となる番組がないとはいわないが、多くの番組の報道は事件や事象に対して拙速に、枠組みに嵌め込む断罪番組が多い。最近のそのような事例は、JR西日本の尼崎脱線大事故の報道だ。多くのテレビ番組が断片的な情報をもとに、専門家の片々たる発言を引用して、事故原因など勝手に判断し決め付けている。この事故原因は現在事故調査委員会が鋭意調査を進めている。調査終了後でなければ正確な判断はできない。
周辺情報の決め付けも甚だしい。曰く過密ダイヤ、乗継ぎのためのダイヤ厳守などなど。5分に1本程度で過密はいえまい。かなりの本数の確保されている電車区間でダイヤを考慮する乗客はほとんどいない。
テレビが正しい情報を提示していないことが多いことを改めて思い知らされた。
○…長い間の通勤生活を振り返ると、世の中の変遷にあわせ電車内の雰囲気と、乗車している人々の生態が大きく変わったことに驚く。まずマナーが向上した点。30年前は、ホーム上はいわずもがな、「禁煙」のはずの電車内ですらタバコをすっている人が多くいた。携帯灰皿などもちろんない。車内に吸殻を投げ捨てる。注意しようものなら逆に脅かされることもあった。殆どが男性。が、いまは皆無だ。
では、どうかと思われる点。一番変わったと思うのは携帯電話の使用だ。とにかく、携帯電話とにらめっこしている人が多くなったのに驚く。メールのやりとりだけかと思っていたら、どうやら携帯電話の機能の一つであるゲームに興じているらしい。ひどいのは、度々繰り返される放送での注意をものともぜず、通話する人。
最近、特に気になることが2点ある。一つは周りを気にせず車内、ホーム上で菓子類などをひたすら食べる。女性も含めた若者に多い。もう一つは車内で鏡とにらめっこして化粧にふけること。とにかく自分だけの世界にひたる。これも当然、若い女性が主役だ。周囲の思わくなど考えてもみないようだ。傍若無人とはこのこと。社会的に活躍し尊敬すべき女性が増えたが、反面、周囲が全く目に入らない人も増えた。母親になったら子供にどんな躾をするのだろう。
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