EnB 5号 目次
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■EYE
博覧会に無かった環境配慮詳細へ

■INTERVEW
プラント分社化でビジネスに適した組織に
新分野を加えた4本柱で事業を展開
川崎重工業 プラントビジネスセンター長 林敏和氏

■REPORT
千代田、JUPCのエチレンプラントを完成詳細へ

PFIトップランナー、新日鐵の強み詳細へ

■FORUM
アセアンの新しい顔

■TOPICS
石油プラント保守点検作業支援システム開発へ

神鋼機械エンジ、競争優位製品に絞込み

変革に直面する国内PE/FE試験詳細へ

■GLOBAL Business
・Aker Kvaener(AK)、プロセス志向戦略に転換詳細へ
フィンランドのRR Offshore(RRO)株、戦略的買収
・米国初の大型家禽糞燃料発電所建設へ
・UOP、2003年度の米国技術栄誉賞を受賞
・変則的なイラクプロジェクト
・Business News
Zachry、Utility Engineeringを買収
AECOM、Austin Co.と新規JV企業設立

■NEWS FLASH
・日揮、タングLNGを正式受注詳細へ
・三菱重工、中国向け高炉ガスGTCCを連続受注
・JFEプラント、国内最大の地下駐輪場受注
・三菱重工、ソーラータービンと提携
・住友重機械、産業廃水窒素除去装置を開発
・川崎重工、地下鉄車両受注
・IHI、鹿児島向け風力発電設備を完成
・日立造船、風力発電設備を完成
・NEXI、ブラジル石化拡張PJで保険引受け
・神戸製鋼、カタールでDRプラント受注
・Project News詳細へ


■海外・国内主要プロジェクトの動向

■PROCUREMENT NEWS


■CONTRACT

■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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博覧会に無かった環境配慮
 いよいよ、2005年日本国際博覧会「愛・地球博」が3月25日に開幕となる。自然の叡智をテーマとしたこの博覧会は環境への意識を高めることをその目的の一つとしている。会場では生分解性プラスチックを食器に使用したり、自然エネルギーを導入するなど、いわゆる「環境にやさしい」様々な技術が採用されている。会場内交通でも、圧縮天然ガスバスや電動アシスト付「自転車タクシー」そして二つの会場を結ぶ燃料電池バスが走ることになっており、その燃料供給のための水素ステーションがエンジニアリング振興協会から委託を受けた新日本製鉄、東邦ガス、太陽日酸の3社によって建設された。
ある意味で、愛・地球博は環境適応型技術の巨大な実験場となるわけだが、その建設地は広大な森林を伐採して作り上げられたものである。それを考えるとこの博覧会自体、環境に適応したものではないといえる。また、ここで使われている環境適応型技術は、通常では使いようのない代物もある。明らかに博覧会限定の技術といえる。その建設工事の過程でどれだけ環境に配慮したかは博覧会のホームページにも乗っていない。そもそも、工事に際して、欧米のオイルメジャーがとっているような厳しい環境へのポリシーなどは最初からなかっただろう。
周知の通り、ShellやBPなどのオイルメジャーは厳しいHSE(健康、安全、環境保全)を定めており、コントラクターにもその遵守を要求してくる。このほど日揮が受注したインドネシア・タングのLNGプロジェクトでも、現場サイトはマングローブなどの森林であるため伐採が必要だが、伐採した分だけ植林をしなければならないとか、海水温度の変化をもたらさないよう、冷却装置は水冷ではなく空冷を使用するなど、環境に配慮した工事上の制約条件がいろいろとつけられている。コントラクターも環境を充分に意識していなくては、海外の巨大プロジェクトを受注することはできない時代にとっくになっている。
愛・地球博では開催終了後、跡地は住宅地として利用されることになっているようだが、そこでは環境対応が充分になされるのだろうか。
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千代田、JUPCのエチレンプラントを完成
 千代田化工建設がサウジアラビアのJubail United Petrochemical Company(United)からランプサム・ターンキーで受注し、建設を進めていた100万t/yのエチレンプラントが完成した。途中、工程の再構築が生じながらも、最終的には客先の要求する納期内32カ月で完成させたものだ。 プロジェクトはUnitedエチレンプロジェクトと呼ばれる。2001年の11月に千代田化工建設とKBR、三菱商事のグループが国際競争の末に受注したもので、受注額は約400億円。サウジアラビア基礎産業局(SABIC)の子会社であるUnitedがAl-Jubailに建設する一大石化コンプレックスの中核となる設備だ。サイトには100万t/yエチレンのほか、エチレンオキサイド・エチレングリコール(EO/EG)60万t/yなどが2km×1.3kmの敷地内に建設されている。
受注したエチレンプラントは、100%エタン原料で稼働する。これは、同プロジェクトが豊富なエタンの供給を受ける体制が整っているためで、サウジでも他のエチレンではエタンだけでなくプロパンを原料に使用しており、他にはない特徴だ。
プロセスにはKBRの新たなエチレンプロセスである精選分解最適回収システム「SCORE(Selective Cracking Optimum Recovery)」が採用されている。同プロセスはそれまで、各パートごとに使われたことはあったが、グラスルーツプロジェクトで全体に採用されるのはこれが初めてであった。
SCOREプロセスはKBRの技術とExxonMobileの技術を融合させたもの。原料エタンからのエチレンのワンパス当たりの収率が高いのが特徴だ。そのため未反応エタンのリカバリーセクションのプラントがミニマイズされ、プラントコストも低減されるというメリットを持つ。
このプロセスの技術や、千代田化工建設のプロジェクト遂行力などが評価されて受注に成功。特に、KBR、千代田化工建設にとってサウジアラビアのエチレンプラントとしては、約20年ぶりの受注であった。
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PFIトップランナー、新日鐵の強み
 PFIでの新日本製鐵(以下新日鐵)の活躍が目立っている。公共事業分野では主役であったスーパーゼネコンに伍して、トップクラスのプロジェクト獲得数である。公共事業では新規参入組ともいえる新日鉄がなぜ、多くの成果をあげているのか、これまでの取り組み、PFI戦略を紐解くことによってその理由の一端を探ってみたい。
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変革に直面する国内PE/FE試験
米国の試験体制の変革が日本にも波及
米国の公的資格であるProfessional Engineer(PE)は、一次試験であるFundamentals of EngineerExamination(FE試験)と、二次試験であるPE試験の両方に合格して得られる資格であり、海外でのプロジェクト遂行上、必須の資格とされている。これまで同資格は、特別に日本国内でも受験することができたが、米国内での試験体制の変革に伴い、日本でのPE/FE試験体制にも変革が求められている。
日本での試験実施は“特例”
日本ではPE試験の一次試験であるFE試験が毎年2回、東京で実施されていおり、既に11年間続けられている。米国の公的資格試験が日本でも受験できるのは、米オレゴン州政府試験委員会(OSBEELS)の好意によるものであり、日本での試験の実施機関である日本PE・FE試験協議会(JPEC)とOSBEELSの友好関係をベースにして実施されてきた。
米国のPE試験は全米試験協議会(NCEES)が試験問題を作成し、各州の試験委員会が責任を持って試験を行うという形を取っている。日本での試験の実施をオレゴン州が引き受けているため、日本でのFE試験の受験が可能となっているのだが、これはいわば“特例”だ。
州の中には州内に住民票を持たなければ試験を受けられないと規定しているところもあり、外国人がPE試験を受験するのはなかなか難しいのだ。この特例は他の国では存在せず、日本だけが自国内で試験を受けられることができる。PE資格取得を目指すものにとっては、受験に伴う時間も費用も大幅に縮小できるのが国内受験の最大の魅力であり、海外プロジェクトにおける日本企業の競争力・遂行力の向上にもつながってきた。
だが、この試験体制にも変化が生まれつつある。
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Aker Kvaener(AK)、プロセス志向戦略に転換
 既報のように、本年初め、AKはリスクの多いプロジェクトから撤退し、信頼性と品質に重点をおく、つまりグループの戦略をゼネラルコントラクトから専門化・プロセス志向に転換することを宣言した。ECN誌がその詳細をAK幹部へのインタービューに基づき紹介している。
AKの主要な技術ハブがノルウェー・スウェーデン・オランダ・英国など欧州という高コスト地域にあるので、AKは最低価格と受渡しのバランスに苦しむ価格オンリーのビジネスは維持できず、技術の最前線で競争力を維持し、付加価値を受け得るようにすべきであり、顧客への受渡しに注力することこそがAKの求めるものである。この成功例として、ノルウェーの国営石油NorskHydroから受注したOrman Langeプロジェクト(ノルウェー西海岸Nyhamnaのオンショアプラント建設、約78億NOK=ノルウェークローネ)で、Hydroとデザイン段階から協働し、その結果予算を10億NOK(1.217億ユーロ)を下回るという。
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日揮、タングLNGを正式受注
 日揮はKBRおよびぺルタフェニッキとともにインドネシアのタングーLNGプラント建設プロジェクトを正式に受注した。受注額は約2,000億円、そのうち日揮の受注額は約1,000億円となる。
同プロジェクトは、インドネシアの首都ジャカルタの東3,200kmに位置するパプア州ビンツニ地区に、380万t/yのLNGプラント2系列、計780万t/yを建設するもの。オペレーターはBPのインドネシア法人BPベラウ社。完成は2008年後半の予定だ。
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Project News
海外/天津エチレン計画、2008年操業をめざす
Arebaも中国4原発計画に応札
カタールガス4でShellとQPが合意
OGD3/AGD2プロジェクトで再入札
サウジHawiyaNGLでSnamprogettiが1番札
Basell、サウジでコンプレックス計画
イランでガス処理入札
イランShiraz肥料プロジェクトで入札へ
国内/川崎天然ガス発電、発電所建設へ
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編集後記
○…ソニーの経営陣が退陣した。会長・社長さらに社内取締役8名中7名が退任、トップに外人を据えるというドラスティックなもの。2003年のソニーショック以降の再建が成功せず経営不振の責任をとったもので、事実上は解任といわれても仕方がない。
新たなトップはCBS出身の英国人Sir Stringer氏、大手日本企業の再建に外国人トップが任用されるということで、日産のゴーーン氏に擬えられている。しかし違いも大きい。ゴーン氏がコストカッターといわれ親会社の命運をかけて日産のリストラに臨んだのに対し、Stringer氏はコンセンサスビルダーとして知られており、インタービューでも協調性に力点を置くと述べるなど、より調整型の人物のようだ。
10年間トップを続けた出井氏はソニーをよりメディア志向の企業にしようとしたようだ。しかし結果は依然として60%以上の売上をあげるエレクトロニクス部門の収益の沈下をまねいた。ブランドイメージは低下、情報家電への取組みの遅れは著しい。3年前に経営陣は交替すべきだったろう。
GEはVivendiからNBCを買収した。しかしあくまでも本業は発電機器・医療機器などの製造業だ。ソニーの復活はエレクトロニクス部門がかつての輝きを取り戻せるかに掛かっている。生え抜きの技術屋である中鉢新社長の責務は大きい。

○…「啓蟄」を目前に3月初めに東京でも雪が降り積もった。これでは“蟄”(土中の虫)も“啓”(ひらく)かれまい。アスファルトで舗装された都会の地中に虫たちがひそんでいるかどうかなどと細かいことは云うまい。ただ、都会というより、東京人はまたしても雪に弱いことを露呈した。雪でけが人が続出したのである。大地震とその後の大雪に悩む新潟の人々からみると、「都会は何と、か弱い」と思うのではなかろうか。
いずれにしても、「春分」までもう僅か。この時期、北国では 福寿草が咲き、東京では紋白蝶が見られるという。また、柳の若芽が芽吹き、蕗のとうが花開くという。新潟は地震という災害の後の雪害を乗り越えるのもあと僅か。春はそこまでやってきている。
だが、危惧するのは首都圏への地震直撃だ。その影響は大雪の比ではない。ましてや、台風、雪、大雨などと違って毎年経験する自然災害でもない。経験していないのでその災厄は想像もつかない。いろいろな体験談を聞くことは無駄ではないだろうが、いざの時、それが役立つかどうか甚だ心もとない。地域の防災会はそれなりの備えをしている。けれど、いつ、どこで遭遇するかわからない。願わくば、影響が最小限にとどめられる時に…

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