○…2004年景気の回復の兆候がみえてきた。2004年度の実質成長率は2%程度になるとみられ、ようやくデフレ脱却かとみられていたが、秋口になって鉱工業生産指数の低下など、景気の減速感が広がってきた。再び景気は減速するのか、2005年度はどうなるのだろうか、日経の景気討論会など専門家の意見を聞いた。
2004年の好調を支えたのは、中国・米国向けなどの輸出、そして設備投資だ。しかし個人消費の低迷は依然として続いている。産業レベルでは、自動車・デジタル家電などのITで、これらに駆動されて関連産業・鉄鋼など材料産業にも及んだ。
景気の減速をもたらしたのはIT関連の調整が大きい。輸出関連ではとくに中国が引き締めに入ったのが懸念される。しかし今回の景気減速は一時的というのが多数意見のようだ。米国は双子の赤字、中国は元切り上げの問題があるが、潜在成長力は高く、2004年度より減速するものの、かなりの成長は望める。設備投資は下支えとなる。IT関連の調整は近々おわるなどから、2005年度も成長は維持できるという。
しかしその成長率については1%前半から0%台のようだ。減速からいつ立ち上がるか、個人消費の見方などの違いからだが、政府のもくろむ1%台後半はむずかしくデフレ脱却はむずかしそうだ。
○・・・我々零細企業にも毎日のようにかかってくる勧誘電話がある。いわく「○○の代理店ですが、電話の基本料が安くなります」、「通話料がお徳です」などなど、とにかく1日に4、5件。特に昨年末はすさまじかった。話を聞くと、まるで最先端の情報通信を利用しないのはおかしいという論法だ。アナログ人間にとっては何のことやらさっぱり分からない。だから「今のままでいい」といってもなかなかあきらめない。直接営業に来る業者もいる。何やらマニュアルがあるらしく、こう断れば、ああいう。最後は喧嘩腰の営業マンもいる。まともに相手をしていると時間を取られること甚だしい。
確かに、ブロードバンド、光ファイバー、IP電話、携帯電話など情報通信の技術革新は目覚しいかも知れない。けれど、これについていけない人間は悪である、と言わんばかりの風潮には大いに疑問がある。
話は飛躍するが、昨年大いに問題になった「おれおれ詐欺」、「振り込め詐欺」の被害に遭う人たちは私のようなアナログ人間かもしれない。飛躍的に便利になった電話を利用し、簡単になった銀行振込システムを悪用している。新年早々、各地の神社仏閣でおこった偽札騒動。これもどうやら最新の電子技術を利用しているらしい。飛躍的な技術革新は、悪用すれば安易に人を騙すことに利用できるのかも知れない。心すべきだ。
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