EnB ○○号 目次
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■EYE
報われない業界詳細へ

■INTERVIEW
事業の効率化を目指し体制を整備
提案型営業、新技術開発、コスト削減を進展
新日本製鉄副社長・エンジニアリング事業本部長 
八木重二郎氏

■REPORT
原薬マルチプラントで実績重ねるTEC詳細へ

京都議定書達成は無理の見通し

■TOPICS
日揮/千代田が好調、TECは来期黒字化へ詳細へ

輸出好調で産機受注が3年ぶり増加

■GLOBAL Business
・Alstomの最終救済スキーム、具体化へ詳細へ
・mg、全化学事業から撤退
・Siemens、US Filterのシステムサービス事業を買収
・韓国大宇総合機械、公開入札36社以上が応札
・米国エンジニアリング業界、イラク復興での役割を強調詳細へ

■NEWS FLASH
・タイトル・三菱重工、中国向けで受注相次ぐ
・2004年度環境装置商談がスタート詳細へ
・中国国有化学再編で、化学下流にも大型企業成立
・米国原子力発電申請の動き続報
・IHI、建屋一体型の危険物保管用自動倉庫を受注
・日揮、執行役員制度に移行
・三井化学・出光石化、ポリオレフィン事業を統合
・JFEエンジ、スウィングミキサー12台受注
・HESCO、GE Jenbacherのガスエンジンで販売提携
・三井造船、北見工大とハイドレートによるガス分離実証
・山武、ガス流量計部品でゼダイ社と提携
・Project News[海外]/[国内]詳細へ
・日揮BS事業部員、モノ作りで著書

■Asia Business Report
「青島保税区!!」既存三菱勢が謳歌
商社にとって物流と何か\
加藤 隆

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル


■エンジニアリング・ダイジェスト


■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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報われない業界
 電化製品の価格はあまり変化してはいないが、その中身は大きく変化している。高機能化・多機能化がすすみ、同じ値段でも5年前の製品とは比較にならないぐらい進化している。
パソコン一つとって見ても、CPUは今や2ギガヘルツの時代だ。ほんの数年前にギガヘルツに到達してびっくりしていたら、もうその倍にまで性能が上がっている。性能が倍になっても、価格はそれほど変わらないのだから、そのコスト吸収力は相当のものだ。
プラントの世界ではなかなかこうはいかないが、例外もある。国内のごみ処理プラントだ。5年ほど前に処理トンあたり4,000〜5,000万円台で価格暴落だと騒いでいたが、昨年度の平均価格はなんとトンあたり3,200万円という。アジア市場並みの価格となった。しかもダイオキシン対策などで技術はかなり高度化している。コスト割れの案件も中にはあることだろう。
ごみ処理施設でのダイオキシン対策は日本人の「ゼロリスク」幻想が産み出したものであるが、それをほぼ実現できるまで技術は高度化した。しかしその高度化した技術を価格に転嫁できていない。家電製品ならば「同じ価格で高性能化」で売れるだろうが、ごみ処理プラントの場合はマーケットの状況も競争環境も、価格を維持できる状態にはない。
ゼロリスクへの対応と、コストダウンという二つの相反する方向に引きずられているのが今のごみ処理プラントの世界だ。
そのうえ、ごみ処理プラントメーカーのイメージはあまりよろしくない。談合だの、所得隠しだのと悪いニュースはよく流れる。談合が現状で機能していれば、これほどの価格低下は起こらないだろう。所得隠しというが、実際は国税局の見解が急に変わって、これまで認められていた経費が突然認められなくなっただけだ。それも事前の通告もなしにいきなりでにある。一番戸惑っているのが当のプラントメーカーだ。
世界的に見ても高い技術を保有し、安い価格で競争させられて必要不可欠の社会インフラを築いていも、なかなかイメージはよくならない。
もう少し世間に認めてもらってもいいはずだ。
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原薬マルチプラントで実績重ねるTEC
 

東洋エンジニアリング(TEC)は、和光純薬向け医薬品工場を完成させた。同社が開発したXYルータを採用した、多品種の原薬を製造できるマルチパーパスプラントであり、三菱ウェルファーマに次ぐ2基目の実績となった。

多品種生産に対応
2005年4月、改正薬事法が施行される。この新たな薬事法には幾つかのポイントがあるが、その一つが、医薬品製造のアウトソーシング化が可能になるということだ。
従来、医薬品の認可はその製造者承認という形が取られていた。それに対して新薬事法では、新たに販売に関する元売業許可が加えられる。具体的には、従来部分的にしか認められなかった製造の外部委託の完全なアウトソーシングが可能となる。
これは医薬品の製造販売という一貫した業態で捉えられていた医薬品業界のビジネスモデルを大きく変えることになる。医薬品の研究開発から製造、販売までを一貫して行っていた製薬会社が、今後は研究開発と販売を主力としていくことになる。医薬品製造部分はこれまでのように一部分のみのアウトソーシングではなく、完全なアウトソーシングも可能となる。
その一方で、医薬品製造を受託するメーカーでは、複数の製薬会社から製造を受託することになるため、受託製造工場は多品種化する。改正薬事法が施行されると、医薬品プラントはよりマルチ化が進むことになると見られている。
医薬品製造でマルチ生産ラインを組むには、バッチプラントが用いられる。しかしバッチプラントによるマルチ化は配管が多くなりコストがかかる。配管を減らすにはフレキシブルホースを使う方法があるが、その切り替えは通常、人手による作業で行われる。これには切り替え時間が多くかかってしまうことや、切り替えミス発生の可能性、さらには切り替え作業時のコンタミネーションの可能性などの問題がある。
これに対してTECは、同社が開発したXYルータを医薬品プラントに適用することで、これらの問題をクリアした医薬品マルチプラントを提案している。

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日揮/千代田が好調、TECは来期黒字化へ
専業大手エンジニアリング3社決算
千代田化工建設、東洋エンジニアリング(TEC)、日揮の専業大手エンジニアリング会社3社の2004年3月期決算は、TECがサウジアラビアの不採算案件の影響により大幅な赤字となった以外は好調に推移した。
サウジアラビアでは千代田化工建設もエチレンプロジェクトで工程混乱が発生していたが、収益全体への影響は軽微なものとなっている。同決算期中に円高は進んだものの、各社とも為替予約などの対策により為替差損は限定的で、むしろ差益が出ているところもある。受注プロジェクトのリスク対応が問われた期ではあったが、1件を除けば概ねリスク対応は着実に深化しているようだ。
今期に関しては、海外・国内とも市場は底堅いものがあるが、前期のような超大型案件の成約数が減少するとの見通しから、各社とも受注高はマイナスの予想となっている。また、鋼材価格の急騰による収益の圧縮はおおよそ各社とも10億円程度と予想。今期予想には織り込みずみだ。為替は日揮が108円、他は105円に設定している。
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Alstomの最終救済スキーム、具体化へ
フランス政府によるAlstomの救済プランは、既報のようにEUの競争審査に掛けられいたが、このほどフランス政府とEU競争部局との間でフランス政府のAlstomへの出資を認めることで暫定合意した。これをうけ、フランス政府は31.5%の国の出資などの救済計画を進めている。さらに、EUとフランス政府は、Alstomが4年以内に、重要事業に関して民間企業とのパートナーシップないし事業売却を行うことで合意した。
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米国エンジニアリング業界、イラク復興での役割を強調
 米国のエンジニアリング建設業界の諸団体が連合して議会の民主党中心の委員会が発表したイラク復興事業を批判した報告書に反撃した。米政府は参画各社の経験からメリットを得ており、納税者に対して十分に説明責任を果たしているプロセスと主張している。
主張した諸団体とは米国のエンジニアリング企業協議会(ACEC)・CM協会(CMAA)、デザインプロフェッショナル連合などだ。議会報告書は、複雑な建設プロジェクトを遂行する際に使用される長い確立したプロセスを理解しておらず、納税者に対して提示できていないとする。イラクの復興業務を遂行する際に民間部門の企業が行うべき不可欠な役割がある。民間部門の企業だけが政府クライアントのために大型の、複雑で危険なプロジェクトを取り扱う資格を与えられていると強調した。コントラクターは実績のあり透明な実施手法を使っている。そして、それは多くの政府機関によって支持されており、特定のプロジェクトの遂行条件と財政的な必要条件を満たすためにJVとCM遂行を調整している。最も重要なこは、これらの会社は、政府クライアントと納税者に対する最高品質のサービスを提供することを約束していることだ。
連邦機関の指揮のもとで、エンジニアリング・建設コミュニティは、米国の国益を進めるために専門的サービスを提供するためにイラクの中にとても難しい状況において前進している。遂行した仕事によってイラク人に生活の質の長期の向上をもたらし、そうすることで平和をもたらす潜在能力を持っていると述べている。
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2004年度環境装置商談がスタート
 2004年度の環境装置商談がスタート、早くも発注先が決まりつつある。
東京23区一部清掃事務組合の世田谷清掃工場建設工事を川崎重工業〜飛島建設〜地崎工業JVが落札した。規模は150t/d×2炉、および灰溶融炉60t/d×2炉。金額は158億8,000万円。完成は2007年12月の予定。処理量トンあたりの落札額は灰溶融炉込みで3,780万円となっている。タクマJV、神鋼環境ソリューションJV、三井造船JVが入札に参加していた。
豊橋市のプラスチックごみ処理設備は三菱レイヨンエンジニアリングが落札した。処理能力は29t/d、価格は9億6,800万円。7社が入札に参加しており、予定価格は10億3,582万円であった。完成は2005年3月の予定。処理量トンあたりの落札額は3,338万円となっている。
北海道北後志廃棄物処理広域組合の清掃工場を日立造船が落札。処理能力197t/dのストーカ炉で灰溶融炉および73万8,000t/dのリサイクルプラザも含まれる。落札額は66億1,000万円。完成は2007年4月の予定。7社が応札していた。処理量トンあたりの落札額は3,355万円。
高松市は下水処理施設で入札を実施。東部下水処理場水処理施設機械設備工事で荏原製作所が落札した。価格は3億3,900万円。標準活性汚泥法の処理施設を建設するもので、処理量は8,330m3/d。初沈バイパス水路設備、反応槽機械設備、最終沈殿池機械設備、塩素滅菌機械設備を設置する。完成は2005年2月の予定だ。
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Project News
○Bayer、上海にHDIプラント建設へ
○Formosa、寧波のPP計画でNovolen技術
○Lurgi、中国海南島のメタノール受注
○Linde、イラン石化プロジェクト受注へ
○イランIlamの入札延期
○サウジで40万t/yPPプラント計画
○Equate、近く入札告知へ
○鳴海工場PFIに4グループ参加へ
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編集後記

○…6月末の主権移譲を目前にして、米国のイラク占領には次々と難問が発覚している。アブグレーブ刑務所の虐待スキャンダルは組織的なものと考えられ、米軍そして米国がイラク人にとってサダムフセインと変わらない抑圧者であることを示してしまった。米国のイラク侵攻以来の友、亡命者チャラビ氏のスキャンダルは米国がお粗末な情報・人物に依存してきたかが明白となった。
米国は主権移譲後の親米政権のために4月からイラク南北で反米勢力の掃討作戦を開始、一時はイラク全土での反米闘争かと見られたが、全面対決は避ける方向に向かっている。北部ファルージャは米軍は撤退、治安を元イラク軍将軍を指揮官とする部隊に任せることで収束した。中南部ではシーア派反米サドル師の民兵との抗争が続いている。しかしシーア派多数派は同調せず、聖地カルバラは双方の撤退で収束した。このように事態はイラク人自身によって鎮静化しそうだ。
米国は主権移譲体制作りを国連に任せた。上記に見る旧イラク軍の登用、さらに旧バアス党員の復権も始まった。米国の占領政策もこのように変更を余儀なくされている。米国が干渉をあきらめ、イラク人自身による主権国家こそが、テロリストを排除し、イラク復興の鍵だ。

○…まがりなりにも文章を書き、その内容を人に伝えることをなりわいとしている身としては人の書いた文章も気になる。果たして何を伝えようとしているのか、よく理解できないこともある。もちろん、その中にはこちらの理解力の不足もあるかも知れない。特に企業が発表するニュースリリースを読んでいて感じることがある。果たしてどういう内容を伝えたいのか、理解できないこともある。内容が専門的になる場合が多く、まず専門用語が理解できなければ皆目わからない。企業の立場としては、理解できる人だけを対象にしているのかもしれないが…?
ところで、学者の書いた論文は難解な言葉の羅列で専門外の人が読んでもさっぱり分からないことが多い。難解なことを難解な専門用語で書くのは、多分容易だろう。同じ内容を一般の人が理解できる言葉で書こうと思ったら、これは難しい。よほど、能力のある人でなければかなわない。
専門的な内容の新聞記事を読んでいて、果たしてこの記事を書いた記者は内容を理解して書いているのかと疑ってしまうことがある。内容をよく理解して書かれている記事は頭にすーっと入る。専門誌の記事を書いているものとして自戒しなければならない。ただ、企業の発表文を書く側も内容をよく咀嚼して書いて欲しいと思うことがたまにはあるが。

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