○…6月末の主権移譲を目前にして、米国のイラク占領には次々と難問が発覚している。アブグレーブ刑務所の虐待スキャンダルは組織的なものと考えられ、米軍そして米国がイラク人にとってサダムフセインと変わらない抑圧者であることを示してしまった。米国のイラク侵攻以来の友、亡命者チャラビ氏のスキャンダルは米国がお粗末な情報・人物に依存してきたかが明白となった。
米国は主権移譲後の親米政権のために4月からイラク南北で反米勢力の掃討作戦を開始、一時はイラク全土での反米闘争かと見られたが、全面対決は避ける方向に向かっている。北部ファルージャは米軍は撤退、治安を元イラク軍将軍を指揮官とする部隊に任せることで収束した。中南部ではシーア派反米サドル師の民兵との抗争が続いている。しかしシーア派多数派は同調せず、聖地カルバラは双方の撤退で収束した。このように事態はイラク人自身によって鎮静化しそうだ。
米国は主権移譲体制作りを国連に任せた。上記に見る旧イラク軍の登用、さらに旧バアス党員の復権も始まった。米国の占領政策もこのように変更を余儀なくされている。米国が干渉をあきらめ、イラク人自身による主権国家こそが、テロリストを排除し、イラク復興の鍵だ。
○…まがりなりにも文章を書き、その内容を人に伝えることをなりわいとしている身としては人の書いた文章も気になる。果たして何を伝えようとしているのか、よく理解できないこともある。もちろん、その中にはこちらの理解力の不足もあるかも知れない。特に企業が発表するニュースリリースを読んでいて感じることがある。果たしてどういう内容を伝えたいのか、理解できないこともある。内容が専門的になる場合が多く、まず専門用語が理解できなければ皆目わからない。企業の立場としては、理解できる人だけを対象にしているのかもしれないが…?
ところで、学者の書いた論文は難解な言葉の羅列で専門外の人が読んでもさっぱり分からないことが多い。難解なことを難解な専門用語で書くのは、多分容易だろう。同じ内容を一般の人が理解できる言葉で書こうと思ったら、これは難しい。よほど、能力のある人でなければかなわない。
専門的な内容の新聞記事を読んでいて、果たしてこの記事を書いた記者は内容を理解して書いているのかと疑ってしまうことがある。内容をよく理解して書かれている記事は頭にすーっと入る。専門誌の記事を書いているものとして自戒しなければならない。ただ、企業の発表文を書く側も内容をよく咀嚼して書いて欲しいと思うことがたまにはあるが。
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