EnB ○○号 目次
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■EYE
ノウハウの途絶の危機詳細へ

■REPORT
大規模食品リサイクルのモデル事業
名古屋オーガニックバイオセンター詳細へ

■TOPICS
アジアのエネルギー需要を支えられるか詳細へ

エンジニアリング業務の“極意”詳細へ

化学工学会賞が決定

燃料電池自動車実証プロジェクト

■GLOBAL Business
・イラク復興プロジェクトの大半、発注される詳細へ
プログラムマネージャー
デザインビルドプライム契約
WGI、現代建設とパートナーシップ
Fluor AMECと英国企業の動向
Halliburton、流動性危機の可能性
Stanley Baker Hill JV CM契約を受注

■TENDERS


■NEWS FLASH
・日揮、カタールGTLのFEEDを受注
・MH21陸上生産2次試験、1万m3/d目指す詳細へ
・三菱重工、中国から発電所向け排煙脱硫装置を受注
・三菱重工、中国に製紙機械製造・販売・サービスの合弁
・新日鉄、君津に液体水素実証設備を設置
・三菱電機、規制6物質の高速分析技術を開発
・TEC、業績を下方修正/経営体制を刷新詳細へ
・Project News詳細へ

■データ・ファイル


■Asia Business Report
「青島に寄す」港湾円借23年伝!!
商社にとって物流と何かX
加藤 隆

■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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ノウハウの途絶の危機
 数年前、エンジニアリング会社では急激なリストラやアウトソーシングが進められていた。それによってベテランのエンジニアが減少し、技術やノウハウの伝承に支障が生じてきた。その後、世界的にプラントプロジェクトが活発化し、マンアワーが不足する状況となったものの、エンジニアリング会社では新規雇用はああまり進めず、ベテランエンジニアを人材派遣で活用し、プロジェクトを遂行しようとしている。
そのようにして現場に出向いたベテランのエンジニアの一人が先日、予定よりも数カ月ほど早く現場から戻り、つぶやいた。
「若い人達は我々を疎ましがるんだよなぁ…」。
決して、作業が早く終ったから予定が早まったのではなく「後は自分達でできますから帰ってください」ということらしい。
これは特殊な事例なのかもしれないが、特殊だということで切り捨てられないものを感じさせる。ベテランのエンジニアが急激に会社からいなくなったことで、ベテランの持つプロジェクト遂行に関するノウハウが途絶しようとしているなかで、プロジェクトでのベテランの雇用は絶好のOJTの機会である。しかし、それを受け入れる側の準備が出来てなければ、そこでノウハウは途絶してしまう。
「デジタルマイスター」などのように、ITを利用したノウハウの伝承の試みも行われているようだが、プロジェクト遂行上のノウハウの伝承は、個別技術の伝承とは全くことなる。プロジェクトには、顧客とコントラクターという、本質的に利害が異なる人間対人間のせめぎ合いがある。そこでどう考え、行動し、成功に導くか。そういう、各人の“コンピテンシー”を高めるには、経験豊富なベテランに接しつつ、その行動を観察し、背後にある考え方や価値観についてじっくり考えることのできる機会は極めて重要だ。
そういったチャンスを逃すことは、成長の機会を自ら奪う。最近、一部でプロジェクト遂行の混乱があるが、ノウハウの途絶も、混乱の遠因かもしれない。
「人間には2種類ある。閉じている人と開いている人だ」(某CM)。開いた人が成功するのだろう
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大規模食品リサイクルのモデル事業
名古屋オーガニックバイオセンター

アサヒ環境システムが名古屋で行っている廃棄食品リサイクル事業。月に1200トンの廃食品を処理する大規模な食品リサイクル事業は国内最大規模であり、そのプラント建設は大規模化に伴って予期しなかった事象への対応の連続だった。設備を担当した千代田工商は、客先のアサヒ環境システムとの共同作業でその対応にあたった。

 アサヒ環境システムが2001年に稼働させた「名古屋オーバニックバイオセンター」。受入れた食品廃棄物は、すり潰し機にかけられたのち、脱水、一次発酵して堆肥などにリサイクルするもの。国内の食品リサイクルプラントとしては最大の設備だ。デパートやスーパーマーケット、食品工場など数十社からの廃棄物に加え、名古屋市の小学校からの廃棄物など月1,200トンを受け入れている。
食品リサイクルは、2001年の「食品リサイクル法」の施行により注目されることとなった。だが、リサイクルの形として堆肥化や家畜飼料化ぐらいしかない。それらは既に飽和した市場であり、そのなかで大量に排出される廃食品のリサイクル品が流通する余地が少なく、しかも廃食品リサイクル品は、堆肥として品質面に問題があるため、リサイクル事業としては成り立ち難いのが実情だ。
名古屋オーガニックバイオセンターでは、大量に廃食品を受け入れることで、処理委託費による収入で事業を成り立たせようとしている。

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アジアのエネルギー需要を支えられるか
中国の大幅な需要増加でセキュリティが課題に
2000年から2020年までの世界の経済成長率は年平均2.7%と過去20年間とほぼ同じ比率で成長していく。しかし日本を除くアジアの成長率は5.4%、さらに中国に至っては7%を超える成長が見込まれており、世界の中での中国の重要性がましていく。同時にエネルギー市場のなかでも中国は重要となっていく。エネルギー経済研究所が初めてまとめたアジアと世界のエネルギーアウトルックでは、2020年にかけて中国の成長に伴うアジアのエネルギー需給問題が浮き彫りにされている。
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エンジニアリング業務の“極意”
ENAA、コンピテンシー活用を提案
エンジニアリング業界における共通課題は人材の育成である。これまでエンジニアリング振興協会(ENAA)では、プロジェクト・マネジメントに焦点をあてて、P2Mの構築と資格試験制度の整備を行ってきた。その一方で、ENAAは雇用・能力開発機構の委託を受けて、これからのエンジアリング業における人材の能力評価の高度化に関する検討を進めてきた。
ENAAでは3年間にわたり「産業雇用高度化推進部会(委員長:玄田有史東京大学助教授)」でエンジニアリング業における人材採用・育成、能力評価の高度化に関する検討を行ってきた。
同委員会では、このテーマでの検討を進めるにあたり「コンピテンシー」を導入することとした。コンピテンシーはこの場合「成果につながる行動特性」であり、実際の行動だけでなくその背景である思考や価値観、性格、動機なども含まれる場合もある。通常、コンピテンシーは、仕事ができる「ハイパフォーマー」の行動観察・面接で調査、これを整理するもの。同委員会では業界各社のハイ・パフォーマーの行動を調査し、業界標準のコンピテンシー11項目「11の仕事の極意」を作成した
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イラク復興プロジェクトの大半、発注される
 昨年後半に米議会が承認した186億ドルのイラク復興資金による次段階復興プロジェクトのうち、国防省CPA
(イラク司政庁)のProgram Management Office(PMO)による17契約50億ドルの契約のうち15契約36億ドルが発注された。プログラムグラムマネジメント7契約(全体および6分野)とデザインビルドの8プライム契約だ。残りも3月中に発注の見込み。プロジェクトは4月から開始予定。
186億ドルによる今後の米国によるイラク復興プロジェクトの体制は表のようになる。米国の大手エンジニアリング企業(エンジニアリングコントラクター・デザインファームとも)のほとんどが参画しており、米国エンジニアリング建設業界挙げてイラク復興にとりくんでいる状況がうかがえる。
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MH21陸上生産2次試験、1万m3/d目指す
 メタンハイドレート開発を手掛けるメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21コンソーシアム)は、カナダ・マリックで行った陸上メタンハイドレート産出試験に続き、第2回目の試験を同サイトで実施する計画だ。第1回目の試験では、5日間で計500m3のメタンガスを生産、瞬間的には1,500m3/d相当の生産に成功したが、第2回目の試験では1万m3/d相当の生産を目標とする。
同計画は、政府によるメタンハイドレート開発計画の一環として行われる。第1回目の試験は温水循環法、および減圧法で試験生産を実施し、温水循環法で上記の成果を得、産出データを取得している。第2回試験では、さらに経済的なガス採取法の検証や、長期産出データの取得とメタンハイドレート層のモニタリングを目的に、1万m3/dの生産レートの達成と、3〜6カ月間の長期試験を行う予定
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TEC、業績を下方修正/経営体制を刷新
 東洋エンジニアリング(TEC)は、2004年3月期業績予想を下方修正、同時に経営体制を刷新し、山田豊常務執行役員を5月1日付けで代表取締役社長とすることを決めた。現社長の広瀬俊彦氏は、取締役相談役となる。
TECの2004年3月期業績予想は、売上高で前回(9月中間期)予想の1,600億円から1,450億円に150億円の下方修正とする。一部工事の進捗率の低下と為替レート変動に伴う円換算額の減少によるもの。また経常利益に関しては15億円と予想していたが、45億円の赤字へ、当期利益は収支ゼロの予想を65億円の赤字へと大幅な赤字計上となる見通しとなった。サウジアラビアPETROKEMIYAのポリエチレンプラントの工程混乱が下期まで続き、引渡し直前での大幅な改造要求などでコストが増大。昨年11月の引渡し予定が今年2月にずれ込み、追加クレーム交渉が年度中に決着できないことから大幅な経常赤字となった。これに加え、繰り延べ税金資産の取り崩しが増加し当期純利益も赤字となった。
この業績悪化予想を受けて、TECでは、来期以降の収益回復に向けて経営体制の刷新を決定。山田氏を社長とし広瀬氏は相談役となる。また尾崎利幸副社長が特別顧問に、大神正俊専務および蒲生邦道常務は取締役となる。新体制での経営陣は5月までに決定する。また、サウジアラビアのプロジェクトの教訓を生かすため、組織改正も実施することになる。
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Project News
・三井造船、SasolのPPでEPCM受注へ
・日揮、イランKhargガスPJで契約交渉へ
・三菱化学、中国でPTA
・印Haldia、クラッカーを増強へ
・カタールでメタノールプラント
・GE、Qatargas II向けコンプレッサー受注
・エジプトでオレフィンコンプレックス
・サウジJUPCαオレフィンPJ、近く決着へ
・イラン初のフェノールプロジェクト
・北米LNGターミナルPJ、またも断念へ
・三菱重工、フィンランド向け原子炉容器受注
・富士フォイト、中国向け水力発電設備受注
・千葉・八千代市、リサプラを整備
・浜松新清掃工場、PFI事業選定
・和歌山市の浄水場PFIが見送り
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編集後記
○…一部に燃料電池への過剰な期待が見える。石油にかわる水素時代を展望し、その担い手としての燃料電池という位置付けのようだ。しかし科学・技術あるいは経済面で原理的に考えると、このような考えは誤りであることがわかる。水素については、二次エネルギーであり、水素インフラの構築には莫大なコストがかかることをとりあえず指摘しておこう。
燃料電池を3つに分けて考えよう。定置型・燃料電池自動車・直接型メタノール電池の3つだ。直接型メタノール電池はPCなどの携帯機器向けで、今後の成長は見込まれるが、ユーザーからみればいずれエネルギーを供給する点では現行の金属蓄電池とかわらない。燃料電池自動車が現在注目されているが、現在ハイブリッド車に総合効率でかなり劣っている。燃料電池のコスト・水素供給設備コストを考えると商用化にも時間がかかりそうだ。まして内燃機関自動車に代替など夢物語だ。燃料電池の可能性は定置型にあり、実用機器としては分散型電源のオプションの一つであろう。
燃料電池は成長の可能性はあるだろう。しかし、燃料電池による電力は三次エネルギーの位置付けだ。原理的にエネルギー・コスト両面で主流になり得るものではない。あくまでも状況に応じて選択されるオプション機器であることを忘れてはならない。

○…サクラの季節になった。ここ4〜5年、小中学校の入学式、卒業式に出席する機会を得た。その際、感じたことがある。少ない経験ではあるが、卒業式で目を潤ませる生徒の数が、めっきり年を追うごとに減っていく傾向にあると思えて仕方がないのである。
わが身を振り返ってみると、小学校、中学校の卒業式では「丘のサクラは今春も、赤きつぼみをつくるべし。されど我等は、また見ん春もよもあらじ…(歌詞は不確か)」と歌って、鼻水をすすったり、目を潤ませたものだ。確かに全く泣かない生徒も当時もいただろう。けれど、「仰げば尊しわが師の恩」と思ったかどうかは別にして、「この友達ともこれでお別れだ」という感慨を感じて目を潤ませた生徒が多かったような気がする。
ところが、先日出た卒業式では、1クラス40人弱のうち、明らかに泣いているのは一人か二人。4〜5年前はもっと多かった。年ごとに減っているのは確かだ。
なにも、泣かないから悪いといっているのではない。しかし、泣いている生徒を嘲笑する、あるいは不思議そうに「なぜ泣くのか」とばかりに見ている姿から感じられるのは、感受性の欠如である。なぜ悲しいのか、それを思いやる気持ちを持ち合わせていないとしか思えない。

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