EnB ○○号 目次
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■EYE
中国−環境対策のターゲット詳細へ

■REPORT
高まるグリーン・ケミストリーの潮流詳細へ

■TOPICS
2004年度産業機械受注は2.2%増に

Hitz日立造船、T字接合シールドを初受注詳細へ

DME直接合成法実証プラント試運転に成功詳細へ

■GLOBAL Business
・Hochtief、RWE傘下から離脱
・Aker Kvaerner、3社に分割
・ABB、2003年の業績赤字続くも改善の兆し
・イラク復興、イラク人参画不足に不満
・イラク復興の次の段階での協力関係
・イラク復興プロジェクト(企業動向)詳細へ

■NEWS FLASH
・横河電機、サハリン2から大型計装設備受注
・川重、バンコク空港向け地域冷暖房設備を受注
・丸紅、ベトナム電話交換機増設PJ受注
・関電/エコパワー、風力発電で提携
・IHI、川重が各々風力発電設備を完成
・新日鉄、汚泥減容化を下水道に適用へ
・昭和エンジ、排水処理設備でダルコと提携
・JFEエンジ、橋梁補修事業を強化
・Project News詳細へ

■海外主要プロジェクトの動向

■Asia Business Report

「青島に寄す」SARSか大躍進か!!
商社にとって物流と何かW
加藤 隆

■FORUM
ケタ違い

■エンジニアリング・ダイジェスト

■PUROCUEMENT NEWS

■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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中国‐環境対策のターゲット
 先日開催された中国全人代で、温家宝首相は経済の過熱を懸念し、建設国債発行額を21%減の1100億元とする考えを示した。前年に9.1%という高い経済成長を成し遂げた中国だが、今年は成長を7%前後にとどめ「安定的な経済運営を進める」という。
これまで驚異的な成長を遂げてきた中国だが、2004年の予算では財政赤字が9.6%拡大し過去最高の3198億元(約4兆3000億円)となる見通しだという。もっともGDPも伸びるので、対GDP財政赤字比率は2.5%と0.4ポイント下がる。今年が7%成長に抑制されるとしても、随分長い間、中国の成長は続くようだ。だが、この急成長に伴って、環境問題が大きくなっている。また、今後の成長を支えるエネルギーの供給安定性にも不安が出てきた。
エネルギー経済研究所が2020年までのアジアのエネルギー需給構造の見通しをまとめた。それによると、中国は2020年まで年平均7%の伸び率で経済成長を続け、一次エネルギー消費2000年の9億3,200万トンに対して20億6,300万トン、約11億トンも増加するという。その増加の多くが石炭だ。また石油の輸入量は3億8,200万トンで輸入依存度は62%に達する。中国が経済成長を続けると、あきらかにエネルギー消費大国となっていく。そのうえ、CO2排出量も飛躍的に拡大。日本を含むアジア全体の2020年時点でのCO2排出量は36億2,700万トンに達し2000年の1.8倍に増加。このうち中国が半分を占めるとの予測になっている。
これらの数字を眺めてみると、アジアのエネルギー安定供給が今後いかに大きな問題となってくるか、ひしひしと伝わってくる。そして、炭酸ガスの削減という課題に対しては、日本が国内で多額の金を費やして炭酸ガス削減対策をやっても、アジア全体からみれば、あまり効果がないということになる。
小欄では以前から、炭酸ガス削減を総量で抑える対策ではなく、いかにエネルギー効率を上げられるかが重要だと主張してきた。エネ研のデータで、特に中国のエネルギー高効率化が大きな課題であることが明らかになったといえる。そして、それを実現するために必要な技術・ノウハウは日本にある。
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高まるグリーン・ケミストリーの潮流
 グリーン・サスティナブル・ケミストリー(GSC)への注目が高まっている。環境対応型の化学プロセスに転換していくことで、持続可能な社会の構築を目指すGSCは、着実に一つの潮流となっており、研究・開発段階から実用段階へと移行。商業プラントの構築に伴ってエンジニアリングビジネスのターゲットとなりつつある。
GSCは、化学における製品設計、原料選択、製造プロセス、使用方法、リサイクルなど製品の全ライフサイクルを見通した技術革新によって「人と環境の健康・安全」、「省資源・省エネルギー」を実現していくもの。1998年にOECDで持続可能な社会の実現に向けてGSCを推進することが決議され、日本でも10の化学関連団体により、2000年にグリーン・サスティナブル・ケミストリー・ネットワーク(GSCN)が設立されている。
その活動方針は@製品の全ライフサイクルを通じた環境適合性を重視し経済効率の高い製品の設計や製造方法の確立を目指す、A副生成物や排出物の低減、リサイクル、環境浄化に貢献する製品・技術開発の推進、B資源・エネルギーの消費低減、資源の循環的利用を促進、C枯渇製資源への依存度を低減し再生可能資源の積極的使用と再生利用の促進−など。
より環境負荷の低い製品・製造技術の開発全体がGSCであるため、その範囲は漠然としているが、基本は化学プロセスにおける有害な原料の使用および副生物の低減がその中心となる。
より環境負荷の低いプロセスの開発は化学産業側の仕事であるが、それをいかに商業化するのかはエンジニアリング業界側の力が重要となってくる。これまではプロセスはユーザー側にあり、それに合わせたプラントの構築がエンジニアリング会社の仕事であったが、GSCの観点からは、エンジニアリング会社も商業化に向けたプロセス構築に積極的に参加していくことが重要となってくる。GSCを意識したエンジニアリング体制の構築を急がなければならないだろう。
GSCネットワークでは毎年、GSCシンポジウムを開催。今年は3月8〜9日の両日、約400名が参加して実施された。ノーベル化学賞受賞者の野依良治氏が「21世紀の科学技術を革新するGSC」と題して講演を行った。その中で野依氏は「今後の化学は社会的効果を考える必要がある。リスクとベネフィットのバランスを考え、社会に発信していく義務がある」と述べた。具体的な技術を引き合いに出しながら、プロセス開発において「それが意味を持つか、社会的に考えなければ成らない」とリアル化学の観点を研究者が持つ必要性を繰り返し訴える。また、GSC実現の為には「総合的な研究が必要」「複合的知識集約の作業となる」とGSCが専門化した化学ではなく総合科学である必要性を述べた。その点からもエンジニアリング産業の持つ能力がGSC実現に不可欠といえる。
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Hitz日立造船、T字接合シールドを初受注
  Hitz日立造船は、五洋・みらい・りんかい日産建設共同企業体から、T字接合シールドを同社としては初めて受注した。東京都下水道局向け工事で採用されるもので、受注額は約2億7,000万円。今後、既設下水管と新設下水管の接合工事が増加するものと見られており、今回の受注を機に採用拡大を図っていく。
シングル型は初実績
今回の受注は、東京都下水道局による飛鳥山幹線その4工事向けにシールド機を受注したもの。現在、同社神奈川工場でシールド機の製作に入っており、4月にも完成する。切削開始は今年8月の予定。工事は発進立坑から約700m。ただしこれは五洋JVが今回受注した区間のみであり、全体では約2000mを同シールド機が掘り進み、既設下水管に接合する。シールド機の形式は泥水式シールドで直径2.89m。T字接合のための切削リングを格納しているのが特長だ。
T字接合シールド工法は、日立造船のほか、メーカーでは三菱重工業にくわえ、ゼネコンなど計10社によるT字接合研究会を通じて開発されたもの。
切削リングが二重になってリング外側の地盤の崩れのないダブル形と、切削リングが1重で機械が単純で低コストのシングル型の2種類がある。ダブル型は三菱重工業が中心に開発したもので、これまでに東京および川崎の2カ所で施工実績を持っている。これに対してシングル型は日立造船が中心になって開発したもので、実際の工事に適用されるのは今回が初めてとなる。
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DME直接合成法実証プラント試運転に成功
 JFEなど10社が出資しDME(ジメチルエーテル)直接合成法の開発を進めているディーエムイー開発は、昨年11月に100t/dの実証プラントを完成、試運転を行ってきた。これまでに1240トンのDMEを生産、無事に試運転を終了した。
DME開発は世界初のDME直接合成法の実用化を進めている。1997年から2000年までは、JFEグループと石炭利用総合センター(CCUJ)との共同で5t/dの試験プラントを運転。その後DME開発が昨年11月に、生産能力100t/d規模の実証プラントを釧路に完成したものでプラントは現在稼動中のDMEプラントとしては世界最大規模となっている。
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イラク関連記事
イラク復興、イラク人参画不足に不満
統治会議が米国のイラク司政庁(CPA)を復興契約でイラク企業を無視していると批判した。米国は復興契約の65%がイラク企業に行ったという。金額は明らかにしていない。イラク企業が受注できない理由の1つとして入札の経験がないことが挙げられる。サダム政権下でインフラを管理していた国営企業の入札排除も大きな問題だ。

イラク復興の次の段階での協力関係
米国の新たな予算186億ドルによるイラク復興の次段階に対応して、米国のイラク復興組織の再編が進められている。治安の悪化はコントラクターのセキュリティコストを上昇させている。

イラク復興プロジェクト(企業動向)
・KBRのイラク燃料高値疑惑、調査拡大
・Fluor-Amec/The Shaw Group

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Project News
・三井造船、イランHDPEプラントで1番札
・上海で精油所・クラッカーコンプレックス計画
・南京酢酸プラント、SinopecとBPで推進
・BASFと東レがマレーシアでPBT
・タイNPC、オレフィン生産能力を増強
・現代重工、ONGCから海底油送管工事受注
・Gail、AssumとKeralaで化学コンプレックス計画
・印Tata、尿素プラント拡張を計画
・Skikda LNG、4月にも2トレインが運転再開
・Flour、南アclean fuels project受注
・Repsol YPF、西メキシコにLNGターミナル
・マラソン、メキシコのLNGターミナル計画を断念
・Syntroleum、TulsaにGTL
・日立造船、大阪東淀川工場を落札
・調布・三鷹ごみ処理施設基本計画策定へ
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編集後記
○…科学的な事実と一般に思われていることが実はそれほど確かなものではないということが意外と多いようだ。環境や資源関係でも確定的な事実はそれほど多くないように見える。その一つの典型が地球環境問題だ。地球温暖化は事実であり、その原因は主として人間の出す二酸化炭素だというものであり、京都議定書という形で二酸化炭素削減義務が国際条約となっている。
しかしよく調べてみると、これらはとても確定的なものとはいえない。最近10年の地球温暖化は事実のようだ。気温の測定方法・測定場所・過去データとの連結などから不確定の要素もまだ残っている。時期を長期にとると必ずしも気温は温暖化しているだけではない。1970年代には寒冷化が問題になっていたのを忘れてはならない。もしも温暖化が二酸化炭素などの温室効果ガスが原因とすれば、気温は産業革命以降温室効果ガス同様に一律に右上がりのはずだ。地球の気温の変化は太陽磁場の強さの変化の方が一致するという。さらにシミュレーションによる長期の気温予測というものはとても信頼に足るものではなさそうだ。
温暖化の結論は10-20年はかかりそうだ。いずれにせよ一層の省資源・省エネルギーは今後の人類社会に不可欠だ。過激な二酸化炭素削減でも省エネになるがコスト高だ。いま必要なのは穏健な省資源省エネ政策だ。

○…前号に続き「BSE」のはなし。ちょっと暴論を述べる。一体、全世界で牛肉を食べて牛海綿状脳症(BSE)を発症した人は何人いるのだろう。発症、感染するのがいやな人は食べるのをやめて、フグでも食べれば良い。あまりに大騒ぎしすぎと個人的には思うのだが。
厚生労働省のBSE関連HPのQ&Aにこうあった。BSEと同様の脳にスポンジ状の変化を起こし、牛肉摂取が原因と思われているのがvCJD(新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)。
英国の海綿状脳症諮問委員会(SEAC)は、96年の調査で10名のvCJDを確認し、これらはすべて94年又は95年に発症したとしている。9名は過去10年間に牛肉を食べている。BSEとvCJDの間に直接的な科学的証拠はないが、確度の高い選択肢もなく、最も適当な説明としては、患者の発生は89年の特定の内臓の使用禁止前にこれらを食べたことに関連があるとした。04年1月現在、vCJDと確定されたものは、英国で145名が報告され、その他、仏で6名、アイルランド、伊、米国及び加で各1名が報告されているという。
この数を多いと見るか少ないと見るかだが、大体、世界各地において、飢餓や戦争で、苦しみ死んでいく人は何人いるのか。そちらのほうが大問題である。

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