○・・・英語は世界の共通語であり、日本人の英語力不足が叫ばれている。日本人は中学−高校−大学と10年も英語教育を受けながら、ろくに英会話もできない、それは日本の英語教育は文法偏重、読解力に偏しているからだ、早期から教育すべきだ、文法など不要で、会話を教えればよいという主張が蔓延している。2002年度から公立小学校でも英語教育が導入され、このような方向に英語教育が進んでいるようだ。国語以外は英語でやるなどという暴挙をやる学校もあるらしい。果たして会話重視の早期英語教育で、インターネット時代に本当に必要な英語力がつくのであろうか。
頻繁な外国人とのコミニケーションが必要な人にとっては、相当な会話力が必須だろう。しかし多くの人々にとって会話する機会は決して多くないし、それほど必要でもない。早期英語教育は外国人との交流のためにあるというべきだろう。日本人は明治以来、西洋文化・学術を日本語に翻訳し、日本語で教育できる体制を構築した。これは欧米以外では稀有の国なのであり、だからこそ明治以来、文法・読解力重視の英語教育が重視されてきたのだ。渡部昇一のような英語の専門家が文法・読解力重視を主張する所以だ。インターネット時代の情報収集・情報発信にまず必要なのは英語の読解力なのであって会話力ではない。
○…04年度のPFIトピックスは「羽田空港再拡張事業」と「新設刑務所の整備・運営事業」になるだろうと予想される。ともに国の事業であり、金額も数千億円に達するだろう。これまで国のPFI事業といえば、財務省の公務員宿舎、文部科学省の多数の国立大学案件、衆議院の議員宿舎、国土交通省の大型合同庁舎などがある。国交省の事業を除いてはいずれも批判があった事業である。長期割賦型の箱もの案件で、「なぜPFIでやらなければならないのか」疑問が残ったプロジェクトだ。特に財務省に対してはPFIを主導すべき立場として批判が多かった。小泉内閣の政策として仕方なくやったということがみえみえだ。
これに対し、羽田空港再拡張事業のうち2000億円と見込まれる「ターミナル、エプロン等整備事業」はわが国PFI初のインフラ事業といえる。まず、これまでの国のプロジェクトと大きく違う点は、PFI本来の趣旨である運営面重視型となる事業だからだ。山口県美祢市に新設される法務省案件の刑務所事業もそうだ。男女初犯受刑者1000人を収容する施設の建設、運営を行う民間事業者が募集される。両事業にいえることは、運営面重視で新たなプレイヤーの出現が期待できること。わが国でもやっとPFIの趣旨に沿った事業が実現する。
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