EnB ○○号 目次
詳細 のマークがついているものは記事の内容がご覧になれます。

 

■EYE
中国環境市場は本当に「低付加価値」か?詳細へ

■REPORT
TEC、プロピレン増産OCTプロセスに注力詳細へ

日立造船水処理事業、来年度100億円超を狙う詳細へ

上半期海外プラント成約120億ドル超詳細へ

■FORUM
美辞麗句

■TOPICS
オンサイト発電はOne-Stop-Shopサービスに

住友金属、天然ガス受入設備を完成


■GLOBAL Business
・米国エンジニアリング企業の最近の業績
・Degremontの米国事業、Infilco Degremontに改名
・イラク復興プロジェクト詳細へ
・国際企業19社がWEFで不正防止原則に調印
・Business News詳細へ

■NEWS FLASH
・NEXI/JBIC、BTCパイプラインをサポート詳細へ
・JABICの最近の動き
・TEC、世界最大のDMEプラントを受注
・電発、パイトンU石炭火力に事業参画
・アーステクニカ、ナミビア向け破砕機受注
・坂出LNG計画が始動
・Hitz日立造船、国内初の間接加熱キルン土壌浄化
・三菱重工、自動車工作ラインTK受注体制を整備
・三造、高速大容量NGH高圧再ガス化連続運転に成功
・燃料電池実用化に向けた動き相次ぐ
・大ガス/重工、硫黄酸化物除去技術で販社設立
・16年度上期プラント案件発掘・形成調査
・IHI、DOTシールド掘進機が上海で掘削完了
・Brief NEWS
・Project News詳細へ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■Asia Business Report

伊藤忠VS三菱商事@青島港
続商社にとって物流とは何かU
加藤 隆

■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

ここに代替テキストを入れて下さい
中国環境市場は本当に「低付加価値」か?
 日本の環境プラント業界には、基本的に海外戦略がない。日本の環境設備メーカーに聞くと、大方は海外展開の必要性を感じつつも、具体的な活動は低調だ。中国やアジアでは、環境設備に投じることのできる資金が少なく、コストが合わないというのがその理由であり、総じて「アジアの環境市場は低付加価値市場だ」という認識が大勢を占めているようだ。
富士通総研経済研究所主任研究員の金堅敏氏が「中国環境ビジネスの市場性と日系企業」と題する興味深いレポートをまとめている。それによると、中国の環境ビジネス市場は、15%以上の伸び率で成長しており、中国国内の環境関連企業も業績を拡大させているという。日本企業も最近になってからは、現地会社の設立や技術提携などを行っており、中国環境市場に注目しつつある。ところが、日本企業に対する中国側の評価はかなり厳しいようだ。
金氏のヒアリングによると、「中国の事情(環境基準や経済能力等)に合ったビジネスを展開してほしい」「日米欧企業によるグローバル競争を考えて欲しい。ゴミ焼却炉では、日系は130万元(約2500万円)/tに対し、欧米系はその半額、地場企業は30万元(450万円)/tだ」「日系企業は慎重すぎる。製品を売ろうとしているのみで一緒に市場を開拓する姿勢が見られない。また、意思決定も遅すぎる」など。
金氏は「日本国内のプラントビジネスモデルをそのまま現地に適用するだけでは利益が出にくい。日系企業は、トータル・ソリューション・ビジネスになっていないと思われる」として、公共事業やODA 事業に慣れきったビジネス感覚と日系企業得意の「カタログ販売」モデルが、中国市場開拓の足かせになっている可能性があるという。中国の環境プロジェクトの発注は、コンサル、設計・据付、土建等のすべてを含む「総承包制」(総請負制)を取っており、価格よりも技術、品質、アフターサービス・メンテナンスが重視されている。
日本の環境プラント業界はカタログ販売から脱却し、包括的ソリューションを低コストで提供していかなければ、中国での事業拡大はなさそうだ。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
TEC、プロピレン増産OCTプロセスに注力
 東洋エンジアリング(TEC)がABB Lummusから導入したプロピレン増産プロセスOCTプロセスの採用が続いている。プロピレンの需要は世界的に増加しているが、その生産能力は不足する傾向にあるため、TECでは、このOCTプロセスを国内外で展開していく考えだ。
プロピレン生産の面から見ると、ナフサベースのエチレンではプロピレン生産量が多く、ガスベースのエチレンでは少ない。エチレンの価格競争力のある天然ガスベースのエチレンプラントが中東を中心に建設され、一方でナフサベースのエチレンプラントの建設が滞ることになると、エチレン供給量は増大するにも関わらず、今後需要が増大するプロピレンの供給量は需要に追いつかないことになる。プロピレン供給のボトルネックが顕在化する方向に世界は進んでいる。
世界のプロピレン生産は、66%がナフサ分解などスチームクラッキングによるもので、32%がFCC副生プロピレン、残りの2%がプロパン脱水素などその他プロセスによる。ナフサクラッカーによるプロピレン生産の増加が期待出来ないため、脱水素プロセスなどの成長が求められる。しかしプロパンは供給および価格の安定性で問題があり、今後飛躍的な拡大は望めない。
今後のプロピレン不足を解消するには、世界で500万トンのプロピレン生産能力を増強する必要があるが、そこで注目されているのが触媒転化によるプロピレン製造プロセスだ。
これには、LummusのOCT(Olefin Conversion Technology)法、KBRのスーパーフレックス法、ルルギ/リンデのプロピラー法がある。
OCTプロセスは、メタセシス反応によりエチレンとブタンを原料としてプロピレンを生産するもので、ブテン原料ソースはエチレン熱分解からの副生、ブタジエン/MTBEプロセス、FCCからの副生などがある。その特徴は、まずプロパンを含まないこと。このため、通常エチレンプラントやFCCで使われる精密蒸留(P-Pスプリッター)が不要となり、建設費が安くつく。また反応が熱的にニュートラルであるため、反応器入口温度制御用の予備燃料と、蒸留系のスチームや冷却水程度の用役費で済み、熱源が最小限に抑えられる。イニシャルコストおよびランニングコストが、他のプロセスに比べて低いのである。
最新号目次へ

 

日立造船水処理事業、来年度100億円超を狙う
 日立造船の水処理事業が順調に拡大している。旧新潟鉄工所の水処理事業の営業譲渡を受けて以来、受注環境の厳しいなかで今年度は受注80億円を超える見込みであり、さらに2004年度は100〜120億円と事業統合から2年間で2倍にまで受注拡大を狙っている。
002年5月、日立造船は旧新潟鉄工の水処理事業を統合し、それまで10億円程度の規模で展開していた同事業は一気に60億円規模に拡大した。新潟鉄工の水処理は技術・実績とも一定の地位を確立しており。水処理事業の拡大を狙っていた日立造船の戦略と合致していた。
だが、水処理の市場は厳しい状況が続いている。その中で今年、前年度を大きく上回る80億円超の受注を確保したことは大きい。同社では統合後、まずシェアの拡大を目指した。市場が右肩下がりのなかで、シェアを拡大していくために、コストダウンを推進。その成果が受注規模の拡大に繋がっている。そしてさらに来年度には100〜120億円規模にまで受注を拡大していくことを目指す。これが達成できれば、事業統合後僅か2年間で受注規模は2倍に拡大することになる。
最新号目次へ

 

上半期海外プラント成約120億ドル超
 経済産業省国際プラント推進室がまとめた2003年度上半期の海外プラントエンジニアリング成約実績は、120億3,000万ドルに達し、上半期ベースでは過去最高額を記録。前年同期比では4年連続の増加となった。
2003年度上半期では、3件の大型案件の成約が含まれている。サハリンULNGプラント、イラン・サウスパースガス製造設備、オマーン・ソハール製油所の3件であり、この3つで総額50億ドルを超えている。そのため、今期の成約額の増加は超大型案件の成約による特殊要因が大きいように見える。
しかし、10億ドル以上の超大型案件を除いた場合の比較でも2003年度上半期は68億2,000万ドルであり、前年同期比14.4%の増加でやはり4年連続の増加であり、海外プラント市場は全般に好調であることがわかる。
この好調の要因として同調査では@世界的に天然ガスの需要が増加するなかで、日本のプラント・エンジニアリング企業の得意なLNGなどガス処理分野が実績を伸ばしていること、A経済の回復が進むアジア地域での大型発電プラントや、中東の石油化学プラント等の需要が拡大しているなかで、技術面での優位性を持つ日本企業が海外調達の拡大を通じて価格競争力を伸ばした−と分析している。世界のプラントニーズが日本の得意分野とマッチしている状態で、価格競争力が高まっているのが、昨今の好調の要因というわけだ。
特にガス関連のプラント需要は、今後米国のLNG輸入の拡大や中国の天然ガス需要の高まりなどを受けて、LNGなど生産側だけでなく、各地でLNG受入ターミナルの計画も出ており、さらに天然ガスコンバインドサイクル発電など需要側のプラント需要も高まる傾向にあり、今後暫くは好調が続きそうだ。
下半期に入ってからも、海外プラント成約は大型案件が続いている。特に、1月には日揮がカタールおよびバーレーンで2件総額20億ドルという超大型案件を成約。他にも発電設備や化学プラントなどの大型案件があり、これまでに総額で160億ドルを突破しているものと見られ、2000年の153億ドルを超えて、過去最高であった1996年度の197.4億ドルに迫りつつある。史上2番目の高水準となりそうだ。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
イラク復興プロジェクト
 昨年米国議会が承認した186億ドルの次世代イラク復興プロジェクトとして、4件1.507億ドルが空軍環境センターから発注された。新設されたプログラムマネジメントオフィス(PMO)の最初の仕事だ。受注企業は、Parsons、Earth Tech、Shaw、Weston Solutionsの4グループ。軍事基地の改修などで、最終的にはイラク軍の基地となる。PMOによると、186億ドルのプロジェクト2300件は、ローカルのコントラクター・供給業者・労働者を起用し、イラクに数万人の雇用と訓練の機会をもたらすという。
最新号目次へ

 

Business News
・ABB、Lummus売却に注力
・Parsons、アイルランドの医薬バイオEC企業を買収
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
NEXI/JBIC、BTCパイプラインをサポート
 独立行政法人日本貿易保険(NEXI)は、BP(オペレーター・操業主体者)および伊藤忠石油開発と国際石油開発を含む世界各国の石油会社8カ国11社がスポンサーとして実施する総プロジェクトコスト約3,600百万ドル(うち総借入金額約2,600百万)の石油パイプライン事業(BTC原油パイプライン・プロジェクト)向けプロジェクト・ファイナンスに対して、貿易一般保険の引受を決定、2月3日に実施主体であるThe Baku-Tbilisi-Ceyhan Pipeline Company(BTC社)と契約した。
また、国際協力銀行(JBIC)は、BTCおよび借入人のBaku-Tbilisi-Ceyhan Pipeline Finance B.V.と総額5億8,000万ドルを限度とする融資契約を調印した。
同プロジェクトは、総額約36億ドルという、コーカサス地域およびトルコにおける外国資本による投資事業としては最大規模の案件。アゼルバイジャン、カスピ海沖に位置するアゼリ・チラグ・グナシリ油田(ACG油田)を中心として産出されるカスピ海原油を、中東、黒海以外のルートで地中海に直接輸送する。バクー(アゼルバイジャン)から、トビリシ(グルジア)経由、トルコの地中海沿岸都市ジェイハンまで総距離約1,750km、輸送能力100万b/dの石油パイプラインの建設・運営に必要な資金となる。
最新号目次へ

 

Project News
・日本とCNOOCがタングLNGに増資
・ロールスロイス、中国向けコンプレッサー受注
・オマーン、Sohar圧力調整設備で国際入札
・イランNPC、No.11オレフィンPJで入札招聘
・EquateVPJ、原料ガスをイラクから調達
・サウジアラビアで、SNCLavarinが受注
・Jubail Ali Lコンサル入札へ
・千葉・江戸川浄水場PFI推進
・浜松市の新清掃工場・水泳場PFIで説明会
・堺市のごみ焼却施設PFI、3月にも実施方針
・上越市庁舎にESCO導入
最新号目次へ

ここに代替テキストを入れて下さい
編集後記
○・・・英語は世界の共通語であり、日本人の英語力不足が叫ばれている。日本人は中学−高校−大学と10年も英語教育を受けながら、ろくに英会話もできない、それは日本の英語教育は文法偏重、読解力に偏しているからだ、早期から教育すべきだ、文法など不要で、会話を教えればよいという主張が蔓延している。2002年度から公立小学校でも英語教育が導入され、このような方向に英語教育が進んでいるようだ。国語以外は英語でやるなどという暴挙をやる学校もあるらしい。果たして会話重視の早期英語教育で、インターネット時代に本当に必要な英語力がつくのであろうか。
頻繁な外国人とのコミニケーションが必要な人にとっては、相当な会話力が必須だろう。しかし多くの人々にとって会話する機会は決して多くないし、それほど必要でもない。早期英語教育は外国人との交流のためにあるというべきだろう。日本人は明治以来、西洋文化・学術を日本語に翻訳し、日本語で教育できる体制を構築した。これは欧米以外では稀有の国なのであり、だからこそ明治以来、文法・読解力重視の英語教育が重視されてきたのだ。渡部昇一のような英語の専門家が文法・読解力重視を主張する所以だ。インターネット時代の情報収集・情報発信にまず必要なのは英語の読解力なのであって会話力ではない。

○…04年度のPFIトピックスは「羽田空港再拡張事業」と「新設刑務所の整備・運営事業」になるだろうと予想される。ともに国の事業であり、金額も数千億円に達するだろう。これまで国のPFI事業といえば、財務省の公務員宿舎、文部科学省の多数の国立大学案件、衆議院の議員宿舎、国土交通省の大型合同庁舎などがある。国交省の事業を除いてはいずれも批判があった事業である。長期割賦型の箱もの案件で、「なぜPFIでやらなければならないのか」疑問が残ったプロジェクトだ。特に財務省に対してはPFIを主導すべき立場として批判が多かった。小泉内閣の政策として仕方なくやったということがみえみえだ。
これに対し、羽田空港再拡張事業のうち2000億円と見込まれる「ターミナル、エプロン等整備事業」はわが国PFI初のインフラ事業といえる。まず、これまでの国のプロジェクトと大きく違う点は、PFI本来の趣旨である運営面重視型となる事業だからだ。山口県美祢市に新設される法務省案件の刑務所事業もそうだ。男女初犯受刑者1000人を収容する施設の建設、運営を行う民間事業者が募集される。両事業にいえることは、運営面重視で新たなプレイヤーの出現が期待できること。わが国でもやっとPFIの趣旨に沿った事業が実現する。

最新号目次へ

Copyright (C) 2002 ENGINEERING JOURNAL CO,.LTD. All Rights Reserved.