EnB ○○号 目次
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■EYE
世界規模の企業体へ詳細へ

■INTERVIEW
日揮創立75周年、さらなる飛躍へ
日揮代表取締役会長兼CEO 重久吉弘氏

リスク管理の強化と事業領域の拡大を図る
東洋エンジニアリング代表取締役社長 広瀬俊彦氏

■REPORT
イラク復興プロジェクト、具体化へ?詳細へ

日本にPFIマーケットは創造できるか詳細へ

多発する産業事故、その要因を探る詳細へ

“究極”のIGCCプラント、根岸に完成

三菱重工、再び事業拡大へ戦略転換

■FORUM
黒壁

■TOPICS
2004年はNIES回復、ASEANも成長へ詳細へ

エネ研、国際石油情勢と国内エネルギー需給見通し詳細へ

神戸製鋼、100Mpa水素圧縮機を開発

J-Power、台湾のIPPが運転開始


■GLOBAL Business
・世界のECコントラクター、厳しい市場環境詳細へ
・KBR、直面する諸問題
・イラク復興プロジェクト、正式RFP来年に延期詳細へ
・CH2M、Lockwood Greeneを9550万ドルで買収
・Business News


■NEWS FLASH
・TEC、今期受注目標を達成
・IHI、メキシコ初のLNGターミナル受注
・三井物産、サウジから大型発電プラント
・三菱重工、トゥクスパン5号を受注
・タクマ、静岡・長泉町の最終処分場PFI落札
・その他の受注プロジェクト詳細へ
・日揮、帝国石油のガス開発事業に資本参加詳細へ
・JBIC、ブラジル向けにクレジットライン
・国内環境関連受注
・IHI・荏原、ごみ焼却、ポンプで協力を検討
・オルガノ、中国に工場進出
・キッツ、東洋バルヴのバルブ事業を譲り受けへ
・Project News詳細へ


■2004年 トップの年頭所感

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル


■PROCUREMENT NEWS


■エンジニアリング・ダイジェスト


■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

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世界規模の企業体へ
 日本のプラント・エンジニアリング業界は、世界の中でも存在感がある。LNGプラントの建設では世界トップクラスだし、エチレンなど石油化学、化学肥料などでも世界有数の企業を抱えている。発電では三菱重工が世界で唯一、GEに対抗できるガスタービンを持つ。セメントプラントでも、日本の会社は欧州と対抗する地位につけている。
ところが、企業の規模を比べると欧米の有力コントラクターと日本の企業には大きな差がある。専業大手トップの日揮でも会社の規模を比べると世界トップのエンジニアリング会社のなかでは小さい。重機トップの三菱重工もGEに比べると一桁小さい。
もちろん、事業の内容も異なるし、事業環境の違いもあるので単純に比較は出来ないだろうが、それにしても彼我の差は大きい。企業の規模が違うということは、企業体力も異なるということだ。
本誌では以前、製鉄プラント業界の再編について再三述べたことがある。欧州勢との力の差が顕著になったためだ。その後一部で再編が進んだものの、まだ不十分に思える。製鉄プラントだけではない。他の分野でも世界市場を意識した場合に、日本のコントラクターは小粒で数が多いという特徴を持つ。その結果、日本国内市場での競争をそのまま海外に持ち出し、海外で日本勢同士が競合することが欧米勢に比べて多い。これでいいのだろうか。
海外は国内市場とは異なる。直接競争相手となるのは欧米の有力コントラクターだ。現在の競争状態を続ける限り、大きな成長は見込めない。これまでも何度も「真の世界企業」を目指すという言葉が経営トップから聞かれていたものの、その実現への具体的な道筋は見えてこなかったように思う。
最近になって漸く、風向きが変わってきた。昨年暮に三菱重工が公表した「2004事計」では、明確に海外の拡大が今後の成長の柱となるとしている。日揮もまた、世界に冠たるエンジニアリング・コントラクターを目指すなど、本気で世界企業への道を歩みだした会社も出てきている。日本発の世界企業の実現に期待したい。
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イラク復興プロジェクト、具体化へ?
 イラク復興プロジェクトに向けた日本の動きがスタートしようとしている。日本政府による50億ドルの資金供与の提示に伴い、この1月から案件発掘のための予備調査が開始される見通しとなった。ただ、依然としてイラク情勢は混乱が続いており、課題は多い。
1月にも予備調査がスタート
すでに商社はかつてイラクで手掛けたプロジェクトのリストを作成した。
昨年秋に日本政府はイラク復興支援会議で50億ドルの資金の供出を決めた。そのうち、15億ドルが無償供与、35億ドルが円借款で供与されることになっている。
今年度の補正予算では、1,188億円がイラク復興支援として計上されたが、これは15億ドルの無償資金協力の一部として位置付けられている。しかし、具体的に何を行うかはまだ決まっていない。決まるのは今年3月末〜4月ごろとなる。
国際協力事業団(JICA)は、1月からこの無償資金協力の案件発掘のため、予備調査団を派遣する。とはいえ、イラク国内に入って調査を行うことは現状では不可能であるため、ヨルダン・アンマンを拠点として、イラク国内関係者をアンマンに呼んでヒアリングを行い、プロジェクトサマリーを作成、同時に概略設計および事業費の算定を行う。調査期間は3月まで。
この調査では対象分野を医療、教育、水・衛生、電力などに想定しており、イラクでの生活に必要なインフラを復旧することがその主眼。老朽化、あるいは戦闘によって破壊された設備を、当面使用できるまで補修して、いち早くイラクの生活を安定化させていくことがその目的となる。したがって、一つ一つの案件の規模は小さくなることが予想される。
ただ、ここで得られたプロジェクトサマリーは、その後の大規模プロジェクトへつながる可能性もある。無償部分だけでなく、その後の本格的な復興プロジェクトも想定しつつ、調査が実施されるとの見方もあるのだ。今回の調査では過去に日本が手掛けたプロジェクトが多く含まれる。商社が提出したリストがここに活用されるためだ。また、日本企業が手掛けたインフラやプラントの現状に関する情報が得られれば、それだけでも大きな意味がある。
日本が過去、イラクで手掛けたプロジェクトは多い。表にまとめたのは主要なプラント案件のみであり、このほかにゼネコンが手掛けた病院をはじめとする建築案件、バグダッドのパレード広場などもあり、その幅は広い。これらのプロジェクトには、日本が関わっていける余地は大きい。
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日本にPFIマーケットは創造できるか
 2004年はPFI法が成立して満5年目を迎える。03年末までにPFI法に則って具体化した事業は122件にのぼる。「無駄」とレッテルを貼られた公共事業の中にあって、PFIだけは年を追うごとに事業の数が着実に伸びている。自治体の財政難が事業化を後押ししているからだ。
今年もPFI事業が増加していくのは間違いない。だが、現在の姿のままでいくと日本のPFIは頓挫するかもしれない。健全な「PFIマーケット」を創造するためには何が必要だろうか。考察してみる。
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多発する産業事故、その要因を探る
 昨年、大規模な産業事故が相次ぎ発生し、日本の製造現場での「安全神話」が揺らいでいる。これを重視した経済産業省では「産業事故対応会議」を設置し、昨年末に事故調査結果の中間とりまとめを公表した。何が日本の産業に起こっているのだろうか。
ヒューマンエラーが主要因
昨年8月のエクソンモービル名古屋油槽所、9月の新日鉄名古屋製鉄所、ブリジストン栃木工場、出光興産北海道製油所と重大事故が続いた。厚生労働省のまとめによると、近年は製造現場での死傷者数は減少しているが、企業活動において「安全」の確保は重要な問題であるだけに、事故が多発する事態は深刻だ。
それぞれの事故は直接の原因は異なるものの、その背景となる要因は共通している可能性がある。それを探ることで、製造現場での安全性の向上に役立てることができる。
産業事故対応会議では、最近の事故を対象に人的要因(ヒューマンエラー等)および設備要因の2つの面から製造業を中心100件の産業事故について調査を行い、その中間報告を取りまとめた。ただ、新日鉄やブリジストン、出光興産など6件の事故については原因調査中であるため、今回の報告書には含まれていない。
報告書によると、2002年以降に発生した産業事故で、主たる直接的原因としては人的要因が100件中76件を占めている。内容は誤操作、誤判断、マニュアルの不備・不遵守、教育・訓練の不足など。一方の設備要因(設備部品の劣化、設備設計・構造不良)は18件に過ぎない。そのほか調査通のものが6件ある。これは最も直接的な要因で分類したものであり、実際には人的および設備的要因が複合している。
人的要因のうち、マニュアルの不遵守(運転操作に関わるミス)が66件と突出しており、マニュアルの未整備も16件見られる。また業種別に見ると、鉄鋼業では人的要因が94.7%と高く、化学では60%と差があるという。
人的要因が事故原因の大半を占めていることは何を意味するのか。
製造現場での労働者数は、1992年をピークに減少を続けており、この10年間で約2割減少した。同時に、労働者の高齢化も進んでいる。労働者の人的構成がこの10年間で大きく変化し、保安技能の伝承や教育が問題となっている。
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2004年はNIES回復、ASEANも成長へ
アジ研、東アジア経済見通しを発表

 独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所は、2004年の東アジア経済見通しを発表した。それによると今年は、中国が引き続き順調に成長を続けるほか、NIESが輸出の好調をベースに経済が回復、ASEANでも5カ国全てが2003年を上回る成長が期待できるという。
2003年東アジアは5.9%成長
同調査は、中国、NIES(韓国、台湾、香港、シンガポール)、ASEAN(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム)の10カ国・地域について、アジア経済研究所が構築しているマクロ計量経済モデルをもとに2003年の経済状況と2004年の見通しをまとめたもの。
2003年では、中国は輸出・投資ともに好調で経済は8.6%成長し、一般物価は1%上昇。NIESは輸出は好調だが、内需は不振であり、韓国で3%、台湾3.3%、香港2.9%と3%前後成長したが、シンガポールは1.1%成長にとどまった。全体では2.9%の成長と、前年を下回っている。インフレ率は0.5%上昇した。
ASEAN5カ国はタイとベトナムが輸出・投資の好調で、それぞれ6.5%、7.2%成長。インドネシア、マレーシア、フィリピンは輸出は不振であったが、内需は好調で、それぞれ4%、4.6%、4.4%と4%台の成長を確保。ASEAN5カ国全体では前年の成長率を上回る5%成長となった。インフレ率は3%と安定化した。
東アジア全体では中国が牽引し、ASEAN5カ国は回復に向かうもののNIESが成長を減速させ、前年を下回る5.9%成長となった。インフレ率は1.2%と低水準で推移した。

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国際石油情勢と国内エネルギー需給見通し
 エネルギー経済研究所は、2004年の国際石油情勢および原油価格の展望、またこれをベースとした国内エネルギー需給見通しをまとめた。
原油価格、3つのシナリオ
2003年の原油価格は、1〜11月の平均で31$/bと高値で推移した。これはイラクを巡る混乱と、米国の原油在庫が非常に低い水準で推移したことが相俟ったことが影響したと見られる。
2004年の国際原油市場を展望する際にポイントとなる要因は、@イラクの生産・輸出回復動向、A世界の石油需要の伸び、B非OPEC生産動向、Cナイジェリア、ベネズエラ等の不安定化発生の可能性、DこれらへのOPECの対応など。これらを考慮しつつ、エネ研では3つのケースで展望を纏めた。まず「基準ケース」ではイラクの原油生産が現状の190万b/dから250万b/dに増、世界需要も120万b/d程度増加、非OPEC生産もロシアを中心に130万b/d増加するとした。この場合OPECの減産もシェア低下の懸念から尊守されず、価格低下圧力が生じ、26〜27$/b前後で推移すると見られる。
「高価格ケース」では、イラクの原油生産が2003年度並みとなり、ナイジェリア・ベネズエラで大規模スト等供給支障が発生し、OPEC原油への需要が増加する場合を想定。この場合で原油価格は30〜32$/b前後となる。
「低価格ケース」では反対に、イラクの石油生産が予想以上のスピードで回復し、OPEC原油需要が予想以上に低下する場合。この結果、需給バランスは大幅に緩和し、OPECは大幅な生産削減を迫られるものの、足並みは乱れて原油価格が大幅に下落、年平均では20〜22$/b前後まで低下するというもの。
この3つのシナリオのうち、最も可能性が高いのは基準ケースで、確率は5割程度と見ている。また高価格ケースの確率は3割、低価格ケースは2割程度としている。
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世界のECコントラクター、厳しい市場環境
 Oil & Gas Journal(OGJ)誌が最近の世界のECコントラクターの動向を分析している。これは同誌による世界の石油石化プロジェクトの建設調査Worldwide Construction Updateをデータベースとしたものである。本調査によると、エンジニアリング建設企業は、厳しいマージン・リスクの多い契約と厳しい競争に直面している。
HPI誌のBoxscoreをもとにしたハイドロカーボン産業 (ダウンストリーム)の支出予測(9月)によると、2004年は合計で前年比1.6%増となっているものの、内訳では設備投資は前年並み、ただしメンテナンスは3.3%と引き続き増加している。
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イラク復興プロジェクト、正式RFP来年に延期
 米国の18.5億ドルの今後のイラク復興プロジェクトは12月初旬に予定されていた正式の見積要求(RFP)が1月以降に延期された。それに伴う2月予定の発注時期も延期されると見られる。遅延の理由は明らかにされていない。
正式のRFPは11月の説明会では12月5日、それが9日に延期され、さらに1月以降に延期された。最初の延期発表と同時にこれらのプロジェクトの契約者をイラク戦争に賛成した国の企業に限ることをブッシュ政権は明らかにした。またべーカー元長官を特使とするイラク債権放棄要請が進めれれており、これらとの関係も推測されるが、CPAなどの関係当局は国の限定は11月の説明会において明らかにしたなどと否定している。この他にも前述した石油復興プロジェクト契約やモビルフォンの契約決定も遅れている。
既報のように韓国のオム電気は4名の殺傷により、60名のエンジニアを引き上げたが。セキュリティ関連の最大の引き上げとなる。メインコントラクターのWGIはこの直後にセキュリティ問題に関する調査チームを派遣した。WGIは、プロジェクトを継続し、オム電気も代わりの人員を雇用して工事を継続するという。しかし、イラクのコントラクターの間に最近の非武装外国人への攻撃により治安への懸念が増している。KBRスタッフのコロンビア人、兵器除去のEOD Technologyの米人2人が犠牲となった。大手コントラクターは人員をイラクから引き上げ、もしくはイラクへの配置が拒否されている。治安の欠如は多数の要員のイラク配置を必要とする上記復興プロジェクトに大きな影響が出ている。
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その他の受注プロジェクト
・東芝〜日商岩井、ベトナムから水力発電
・川崎重工業、ベトナム向け排煙脱硫装置受注
・TEC、東ソー向けアニリン設備
・三菱重工、鳥取県企業局の風力発電を受注
・JFEエンジ、スラッジセンター受注
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日揮、帝国石油のガス開発事業に資本参加
 日揮は、帝国石油がメキシコでガス開発事業を行う現地法人に資本参加、資源開発分野での事業領域の拡大を図る。
メキシコではこれまで、石油・ガスの探鉱・開発事業はPEMEX(メキシコ国営石油会社)のみによって行われて来たが、外資導入により天然ガス生産の増大を目指し昨年10月から国際入札が実施されている。帝国石油は先に落札したクエルビト鉱区に続き、11月19日にフロンテリソ鉱区におけるガス開発サービス事業の落札に成功した。同事業は、ペトロブラスとデアバス(メキシコ)との三社共同プロジェクトで、現地にSpecial Purpose Company(出資比率ペトロブラス45%、帝国石油株式会社40%、デアバス15%)を設立、メキシコ北東部のクエルビト鉱区およびフロンテリソ鉱区の再開発作業(坑井の掘削・改修、生産施設の建設、操業等)を実施する。日揮は、この現地法人に出資比率25%で資本参加する。
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Project News
・ConocoがカタールでGTL
・サウジで新化学コンプレックス計画
・Al-Jubailでも計画
・北九州PCB運転業務で3月に入札へ
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編集後記
○・・・@イラク:政権移譲の動きは始まるが、治安悪化は続く Aアフガニスタン:憲法は制定されたが、再び治安が悪化 Bパレスチナ・イスラエル:解決の進展見えず C北朝鮮:6カ国会議今月の開催の予定たたず Dフィリピン、タイでイスラム教徒によるテロと、2004年早々から、暗い国際ニュースが続いている。
その中で、インドとパキスタンの包括協議は世界の火薬庫の一つを除去する努力という明るいニュースだ。
建国以来、カシミールの帰属を始めとして対立してきた各保有両国の政治対話の意義は大きい。インド・パキスタンなど7カ国が参加した南アジア地域協力連合(SAARC)首脳会議に出席したインドバジパイ首相とパキスタンムシャラフ大統領の首脳会談によるものだ。
このSAARC首脳会談は2006年を目標に南アジア自由貿易圏(SAFTA)創設に合意した。印パの和解はSAFTAなど域内協力の基盤だ。なお、SAARCは85年に発足したもので、すでに95年に南アジア特恵貿易取極め(SAPTA)を結んでいる。SAFTAは発足後10年で関税0-5%に、2020年までに南アジア経済連合をつくるなどの壮大な構想で、ASEANによるAFTAにつづく自由貿易圏の誕生である。わが国はAFTAに加えて、SAFTAへの対応も課題となった。

○…いま全国各地の自治体で市町村合併協議が進められている。浦和市、大宮市、与野市が合併し発足した「さいたま市」はいささか旧聞に属する。昨年4月以降、合併によって新たな名称の市が続々と誕生している。長野県「千曲市」、山梨県「南アルプス市」、岐阜県「山県市」、「瑞穂市」、愛知県「田原市」、三重県「いなべ市」、山口県「周南市」、香川県「東かがわ市」などだ。合併によって、更埴市、新南陽市、徳山市などの名称が消えた。清水市も静岡市になってしまった。由緒ある町や村の名称もなにやらわけのわかったような、わからないような新市の名前の傘下に入る。
そこで危惧するのは由緒ある市町村の名称が消えていくことだ。総務省は合併が求めれれる理由として、地方分権の推進、高齢化への対応、多様化する住民ニーズへの対応、生活圏の広域化への対応、効率性の向上などをあげている。確かに地方自治体の数は多すぎるし、行政面から効率性に欠けるかもしれない。それは理解できる。合併によっても由緒ある地名は字名的に残るかもしれない。だが、いずれ効率性だけを考えた「何丁目何番地」になっていくような気がする。過去の歴史ある地名がことごとく消えていった例がそれを暗示する。地名を聞いて歴史あるその町、村の姿を思い浮かばせるのは確実に減っていくだろう。

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