アジ研、東アジア経済見通しを発表
独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所は、2004年の東アジア経済見通しを発表した。それによると今年は、中国が引き続き順調に成長を続けるほか、NIESが輸出の好調をベースに経済が回復、ASEANでも5カ国全てが2003年を上回る成長が期待できるという。
2003年東アジアは5.9%成長
同調査は、中国、NIES(韓国、台湾、香港、シンガポール)、ASEAN(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム)の10カ国・地域について、アジア経済研究所が構築しているマクロ計量経済モデルをもとに2003年の経済状況と2004年の見通しをまとめたもの。
2003年では、中国は輸出・投資ともに好調で経済は8.6%成長し、一般物価は1%上昇。NIESは輸出は好調だが、内需は不振であり、韓国で3%、台湾3.3%、香港2.9%と3%前後成長したが、シンガポールは1.1%成長にとどまった。全体では2.9%の成長と、前年を下回っている。インフレ率は0.5%上昇した。
ASEAN5カ国はタイとベトナムが輸出・投資の好調で、それぞれ6.5%、7.2%成長。インドネシア、マレーシア、フィリピンは輸出は不振であったが、内需は好調で、それぞれ4%、4.6%、4.4%と4%台の成長を確保。ASEAN5カ国全体では前年の成長率を上回る5%成長となった。インフレ率は3%と安定化した。
東アジア全体では中国が牽引し、ASEAN5カ国は回復に向かうもののNIESが成長を減速させ、前年を下回る5.9%成長となった。インフレ率は1.2%と低水準で推移した。
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