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GE、航転型ガスタービンで攻勢



 GEの航転型ガスタービンでの動きが目立っている。最近、50MWの航転型ガスタービンLM6000を30基一括受注した。これをあわせて2002年までの操業分の受注で65基を数える。また、東欧需要に対応すべく、ハンガリーに新工場を建設する。航転型LMシリーズ中心に生産する。

●LM6000受注好調
航転型(航空エンジン転換型aeroderivative)を担当するのは、GE Power Systemsに属するS&S Energy Products(SSEP)で本社工場はテキサスのJacinport。2−50MWのLMシリーズが商品。
 SSEPは最近PPL Globalから30基のLM6000 Sprintガスタービン発電システム(50MW)を受注した。PPL Globalは大手電力PPL Corp.の子会社で、この設備でコネチカットの250MWプラントなど米国に発電所を建設する。さらにGEから36基の購入オプションを結んでいるという。なお、PPLはこの先10年間で2万MWの発電所有・操業を計画しているという。
 SSEPによると、LM2500、LM6000の受注は多い。LM6000の受注残には6件36基がある。50MWのLM6000はポピュラーになっており、ピークシェービング電源の理想型となっているという。
 なお、LM6000はBoeing747などで用いられているCF6-80を発電用に1992年に転換したもので、すでに250基が稼働している。

●ブタペスト郊外に新工場建設
 新工場はブタペスト郊外のVeresegyhazに建設、規模は15万平方フィート、すでに6月に建設開始され、2001年4−6月期には操業予定。50MWまでのタービンを製造する。最新式の設備でJacinportと同じ製造コンセプトとし、欧州だけでなく世界に出荷する。欧州仕様の50ヘルツ製品を製造するので60ヘルツは従来同様Jacinportからだ。もちろんGEのSix Sigmaツールを導入する。ハンガリーの熟練技能者・プロフェッショナルに期待しているという。SSEPの製造するLMシリーズを製造し、これに伴うエンジニアリング、プロジェクトマネジメントも提供する計画という。

 GEは2から480MWまで=航転型から大型システムまでを提供する総合ガスタービン企業であり、さらにHoneywell買収でマイクロガスタービンがラインアップに加わることは本誌で報じたところだ。
 GEは2000年9ヶ月間のタービン発電部門の受注量は20億ドル以上という。ベース電源としての大型ガスタービンでの受注も多いが、12月に480MWという世界最大最新の9HタービンをGreenville工場(サウスカロライナ州)から出荷した。そのほか、モビル型で世界最大というトレーラー搭載のTM2500を5基設置したこと、フロリダの旧Westinghouse工場買収による部品工場建設など、GEの動きは多様だ。