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新日鉄、エンジ事業で電力小売を検討



 新日本製鉄エンジニアリング事業本部は、電力小売事業を近く開始する。既に具体的な案件で検討を進めており、年度内にも第1号の事業を開始したい考え。
 これまで、新日鉄のIPP事業は、鉄鋼部門の事業として位置付けられていたが、エンジニアリング事業本部では、明海IPPプロジェクトや、同社各製鉄所のIPPプロジェクトで電力コントロールも手掛けている実績から、電力小売事業を展開していく考え。
 自家発電設備の余剰電力がある工場から電力を購入し、需要家に販売していく事業を検討している。電力購入先は新日鐵の製鉄所ではなく、他社の工場となる。エンジニアリング事業は、受注の変動によって利益も変動する。電力小売ならば安定した利益を得られるため、事業本部の利益の安定化につなげて行く。
 電力小売事業は、これまで鉄鋼各社はIPPとして取り組んでおり、エンジニアリング事業本部が手掛けるのは例がない。また、プラント業界全体を見ても、重電メーカーがノウハウ獲得のために自らIPPを手掛けているものはあるが、大口電力の規制緩和に基づく電力小売事業は三菱商事のダイヤモンドパワーや、エンロングループが参加している程度。  同社では具体的な案件に関しては明らかにしていないが、早ければ年度内にも電力調達入札に参加して、第1号案件を立ち上げたいとしている。