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TEC、構造改革への取り組みを加速
プラントEPC中心からTSPを目指す



東洋エンジニアリング(TEC)が今年4月にスタートさせた「再建計画」をスピードアップするとともに、事業構造まで踏み込んだ抜本的改革を行う方針を固めた。
 現在のプラントEPC中心から2003年にはトータルソリューションプロバイダー(TSP)としての事業構造を確立する。この計画に沿って、海外各拠点の拡充、要員構造の見直しなどに着手する。

●再建計画を3ヵ年で遂行
 TECが1999年4月に策定した「中期経営計画99」は、受注拡大、プロジェクトの成果向上、固定費の削減、IT事業の分社化(東洋ビジネスエンジニアリング)、経営・管理の改革、財務体質の改善などを柱とする5ヵ年計画。この計画は「従来型モデルの業務改善」策であったとして、これを見直し「事業構造」そのものに切り込んだ3年計画の再建計画をスタートさせたのは今年4月。
 このほど、この「再建計画」に沿った現状認識と、それに基づいた対応策をまとめた。
 再建計画の基本コンセプトは、@トータルソリューションの提供(提案型エンジニアリング)、Aトランスナショナル体制の確立(海外拠点をグローバルネットワークで結んだ水平分業体制)、BIT、Cプラントからのシフト=要員構造の見直し、D成果型処遇と人事の徹底の5点。このコンセプトを基にした各事業分野ごとの施策と現状を図に示す。
 この再建計画の現状認識については、「施策の成果は上がりつつあるが、全体の結果が出るまでには時間が必要」としている。しかし「方向性はあっている」と認識。また、マーケットの変化は速く(従来型のEPC市場、特に同社の得意分野の回復が遅れている。一方でソリューション提供型市場の急速な展開)、最大の課題は収益力向上という認識だ。このため、再建計画施策遂行の徹底と加速化を図っていく方針。
 同社はこの再建計画に@事業シフトの方向性、AIT武装したコンサル型人材の育成、B要因計画の前倒し達成の3点を重点施策として追加した。

●提案型営業を強化
 これら施策を実施する結果、2000年度の受注見込み1700億円は達成できる見通し。その内訳で見ると、プラントは1500億円。大型案件が875億円で58.3%の構成比、中小案件が588億円で39.2%、ソフトが37億円で2.5%と、1998年度と比較すると中小、ソフトの比重が大きくなっている。200億円は産業システム、原子力、電力その他の受注見込み。
 2001年度について同社はプラント分野ではマーケット回復までに時間がかかると見ている。このため、顧客密着型、提案型の営業を継続(中小案件、ソフト案件)する考えだ。随契案件の比率は向上すると見ている。
 これら施策を遂行することにより、再建にはずみをつける。