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三井物産、マレーシアの鉄道電化計画を受注



 三井物産は、同社マレーシア子会社および現地ダイバシファイド・リソーシズ(DRB)と組んで、マレーシア政府から複線電化工事プロジェクトを受注した。受注総額はおよそ1,200億円で、契約はフルタンーンキー。日本企業による海外鉄道プロジェクトの受注では最大規模。ファイナンスは国際協力銀行(JBIC)の融資を受けるもので、融資総額は397億円。JBICのほか、さくら銀行、三和銀行、住友銀行、東京三菱銀行の4行が協調融資する。
 同プロジェクトは、マレーシアが提唱しているトランス・アジア鉄道計画の一環として計画されている。クアラルンプール近郊都市のラワンとマレーシア北部のイポーを結ぶ175kmの複線電化工事。96年11月に土木を含めたフルターンキープロジェクトとして入札が実施され、三井物産並びにイタリアグループが応札、97年6月に価格面等の条件で高い評価を得た三井物産が現地大手企業グループDRBと共にL/Iを取得、受注していたが、今回、JBICとマレーシア大蔵省との間で融資契約が交わされ、発効した。
 三井物産は、ADTRANZ、SIEMENS、GM等の欧米有力メーカーや新日鉄、オムロンなどの国内メーカーを起用し、コンピューター制御による最新鋭の信号・通信・電化システム・駅構内監視システム・自動改札システムを建設し、レールや機関車・保線機械等の軌道資材・車両をパッケージにて一括納入する。完成は2004年後半の予定。