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ポリプロ技術をABBが取得
ABB、石油・化学分野を強化



 ABBは石化大手EquistarとJV、Novolen Technology Holdingを形成して、BASFの子会社Targorから有力ポリプロピレンプロセスNovolen技術を買収することとなった。なお、EquistarはLyondell、Millenium、Occidental Petroleumのオレフィンなど石化部門を統合したJV企業。BASFのTargor、ShellのMontell、両社の合弁Elenacを統合してBaselを形成し、BASFとShellとのポリエチレン・ポリプロピレン事業を統合することとなったが、EUの独禁当局の許可条件として、ポリプロピレン生産能力の一部放棄・有力なポリプロピレン技術2つを有することになるので1つを放棄するなどへの対応策のひとつとして、ポリプロピレン技術に関してTargorのNovolen技術を売却、MontellのSpheriol技術を残した。
 買収した内容はNovolenの触媒・プロセス・生産技術に加えてで、Targorの新世代技術としてのメタロセン技術も含まれる。ただし物的資産は一切含まず、Targorの自社製品への権利は留保する。Targorのスペイン触媒工場は触媒大手のEngelhardが買収、独占的にNovolen Tevhnologyに供給する。ABBはABB Lummus Globalを通して、エチレン・プロピレン技術のリーダー企業だが、これに成長が期待できるポリプロの有力技術Novolenを加え、技術ポートフォリオを拡大する。またメタロセン技術の将来性にも期待できるという。このJVが生み出すのは技術ライセンス・触媒販売に加えて、ターンキープロジェクト開発であるという。すなわち、プロピレンプロジェクトの上流段階からの参画を目指している。
 この動きにみられるように最近ABBは石油・化学事業の強化を行っている。その動きとしてもう一つ注目されるのは、最近株式上場した中国のSinopecに、メジャーオイル各社と肩をならべてABBが出資したことだ。エチレンJV計画、パイプラインなど中国のハイドロカーボンプロジェクト市場の成長性に着目したものと見られる。