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NKK、米国技術で低コストの土壌浄化事業を開始
1プロセスで複合汚染にも対応、11月にも初実績



 NKKは、米バイオジェネシス社から導入した「高性能土壌洗浄法」を用いて土壌浄化事業に本格参入する。浄化コストを従来の半分程度に低減するとともに短期間の工期で浄化できることを強みに顧客の獲得を図り、今後3年間で200億円の受注を目指す。
 NKKは昨年12月にバイオジェネシスと浄化技術の導入契約を交わし、今年11月にも日本仕様の処理設備を同社から導入、本格的に事業を開始する。同技術は、汚染土に浄化のための化学薬品を混入し、プリプロセッサと呼ばれる機器で高圧水によって土を75ミクロン以下に細粒分離するとともに反応を促進。その後、コリジョンチャンパーで衝突力によって汚染物質を分離・除去する。さらに有機化合物やPCB、油などの汚染がある場合はキャビテーションユニットで負圧原理とOH基反応で無害化する。これにより処理フローの中の一部の機器を組替えるだけで重金属から揮発性有機化合物、油、ダイオキシンなど幅広い汚染状況に1つのプロセスで対応できる。また、再生土の回収率も95%以上と高いのも特徴。
 NKKでは、コンセプトエンジニアリングセンターに「土壌浄化チーム」を設置、子会社の鋼管計測、鋼管工事、鋼管鉱業、エヌケー環境のほか、情報面では三菱商事とも連携したネットワークで事業を展開していく。なお、浄化機器は11月に導入、実証を兼ねた初実績となる浄化作業を行う予定。