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丸紅、フィリピン向け鉄道車両・システムを受注
受注額約200億円、円借款案件



 丸紅は、フィリピンの軽量鉄道公社(LRTA)からメトロマニラを東西に走る高架鉄道2号線建設計画の鉄道車両および運行システムを受注した。受注額は約200億円で、完成は2004年の予定。
 同プロジェクトは、マニラの渋滞解消を目的に東西方向に重量高架鉄道を建設するもの。レクトからマグサイサイ通りを通り、クバオ〜アノナス〜カティプンを経由しサントラン車輌基地に至る約14kmの路線。車輌およびシステム機器は東芝などと提携して供給する予定。所要資金については、98年9月にOECF(現国際協力銀行)が236億6,800万円を限度とした円借款の供与を決めている。
 マニラでは、激しい交通渋滞の緩和のため1985年に軽量鉄道(LRT)1号線を完成したものの、その後慢性的な混雑状態にあったため、同路線を増強している。さらにLRT3号線も昨年12月に一部運行を開始するなど、順次鉄道ネットワークの整備を進めている。今回のMRT2号線もその一環として計画された。1号線および3号線が南北方向に走る軽量鉄道であるのに対し、この2号線は東西方向に伸び大量輸送のために重量鉄道を敷設。マニラ中心部で初めて交通ネットワークを形成する。
 さらにLRTAでは、将来的に2号線および3号線から1号線への乗り換えが増大すると予想しており、1号線の増強も計画。既にJBICと222億6,200万円を限度とする円借款契約を調印。丸紅はこの増強計画の受注も狙っていく。