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○…破産してShaw-Groupに譲渡されたStone & Websterをめぐる一連の訴訟が注目される。第一は投資家からのもので元社長のSmith氏と元財務責任者のLangford氏に対するもので、株価を維持するために悪化する財務状況を隠匿したというもの。第二はSmith氏解雇にかかわるもので、雇用契約に定められた理由なき解雇による1千万ドルという高額補償を要求するSmith氏と拒否するShaw Groupの訴訟合戦だ。
 投資家はこの高額雇用契約が問題の根源で、Smith氏等はすでに経営悪化していた就任の最初から会社を売ることを目的として、赤字受注をして会社の外面をよくしたと主張している。  以上は米国における経営者は高額収入の反面、責任追及が厳しいことを示している。とくに、投資家の怒りは激しい。日本の経営は株主利益を守ることが少なく経営者にはるかに甘いことがわかる。○…PFIを取材していろいろ感じるところがある。公共事業の新しい事業手法としてPFIは産みの苦しみを味わっている。法制度は出来たが、実際の事業に適用するとなるといろいろな問題点が現れる。これまでぬるま湯に浸かっていた公共事業体にとっては、手続き上も面倒なことこの上もない。それだけに民間事業者側の不満も鬱積する。個人的にはもっとも、と思われる問題点を指摘するが、公の場で意見をたたかわせる人は少ない。
 この新事業分野を伸ばそうとするなら、百家争鳴の状態が望ましい。そうしなければ新事業の未来はない。

○・・・カリフォルニアの電力危機は、州と電力会社の間で長期供給契約が交わされたことで、危機緩和の第一歩を踏み出した。しかし電力供給力の不足そのものは解決されておらず、夏のピーク需要期の不安は残されている。
 そのためか、最近米国ではマイクロガスタービンが飛ぶように売れているという。ハネウエルやキャプストンは今、大忙しであり、日本の提携先とのコミュニケーションもままならない状態らしい。電力供給への不信感が、分散型電源の導入を加速させているのだろう。
 分散型電源というのは電力自由化のなかでその真価を発揮するものだと思っているが、州知事が「自由化のやり方ではなく自由化そのものが失敗だった」と言ってのけるようなところで、分散型電源が売れている。つくづく皮肉な話だなあ、と思う。