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住友化学、POの新製造プロセスを確立
2002年稼働で20万t/y級商業プラント建設へ



 住友化学はプロピレンオキサイド(PO)のコンパクトでコスト競争力に富む新製造プロセスを自社開発、同プロセスによる年産20万トン級の商業プラントを千葉工場内に建設し、2002年後半にも稼働させる。POは塩素を使用する塩素法やスチレンモノマー(SM)などを併産する併産法などの製法で製造され、現在ではコスト的に有利な併産法が主流になりはじめている。住友化学の新製造プロセスは、独自開発の高性能新触媒を利用したもので、併産品が生成されないためSMの需要に左右されず、POの需要に即応した生産体制を整えることができる。そのため住友化学は国内でのプラント建設とあわせて今後、同プロセスを武器にした海外工場の建設など積極的な事業展開に取り組む。
 我が国のPOの生産能力は住友化学の関連会社である日本オキシラン(年産17万トン)を含め同約35万トンで旺盛な需要に支えられ、日本オキシランでは定修年に大量のPOを輸入せざるを得ない状況にあると言われる。また、国内では今後、非フォーム分野の需要拡大が期待され、アジア地域でもポリウレタンフォーム分野を中心に年間7〜8%の伸びが見込まれている。これら需要の伸びに対応する狙いから住友化学では、100億円以上をかけて新製造プロセスによる商業プラントを建設するもので、それによってPOの供給不足を解消、同時にPO事業の一層の拡大を図っていく。