既報のとおり、破産したStone & Webster(SW)の買い手はJacobs Engineeringではなく、パイプ加工の大手企業The Shaw Groupとなった。この取り引きは最終的に決定し、現在ShawによるSWの評価と統合の段階にあるという。ShawはSWの経営陣を更迭し、社長にShawのCOOのGillを登用、さらにShaw本社に統合マネジメント・戦略提携担当の執行副社長をリクルートした。 なじみの少ないShawという企業について概要を紹介しておく。Shawは南部ルイジアナ州Baton Rougeに本社を置き、国際展開しており、世界最大のパイプ加工企業という。年商5億ドル程度で、SWの年商12億ドルの半分以下だが、1億ドル弱の粗利益を稼ぐ優良企業だ。同社の事業内容をみると、@発電エンジニアリング設計、Aエンジニアリング設計、Bパイプ加工、Cパイプ曲げ、D継手などパイプ製品、Eパイプサポート製品、Fオフショア・モジュラ組立建設、G建設、Hメンテナンスとなっており、パイプ関連の加工製造から設計・建設へと展開している。分野は発電プラントから化学プラントなどプロセスプラントに及んでいる。 同社は、99年から発電プラントのターンキープロジェクトに参入したが、SW買収に先立って大手電力のEntergyとJVでEPC企業を設立したことが注目される。Shawは、コントラクターにとって利益率が低くリスキーな発電プラントに対して、こうした戦略を有効とみたことが、SW買収の契機かもしれない。いずれにせよ、ShawのSW再生戦略がどうなるか注目される。 |