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住重〜日商、スラブ連続鋳造機を受注
韓国POSCO向け、欧州退け受注額約50億円で



 住友重機械工業と日商岩井は、韓国浦項総合製鉄(POSCO)向けにスラブ連続鋳造設備を受注した。POSCOの浦項製鉄所第二製鋼所に設置するもので、受注額約50億円。POSCO向けに日本企業がスラブ連続鋳造機を受注するのはこれが初めて。役務範囲は設計、機器供給、現地据付指導員の派遣などで、2001年秋に完成の予定となっている。
 POSCOの浦項製鉄所第二製鋼所では、欧州企業が納入した4基のスラブ製造設備が稼動しているが、今回は自動車用の高品質鋼板の製造のため、そのうちの1基を更新し、年産約280万トン規模の新設備を導入する。従来、欧州企業が設備を納入しており、今回の商談も住友重機械〜日商岩井のコンソーシアムのほか、独シュレーマンデマーグ、オーストリア・フェストなど欧州の世界的製鉄機械メーカーとの競合となったが、初めて欧州企業の市場に日本企業が食い込み、受注に成功した。
 住友重機械は、1960年に日本初の連続鋳造機を完成させて以来、国内をはじめ韓国、台湾、トルコ、イランなどの海外製鉄所に多くの設備を納入してきた。同社はこれらの実績を通じ、高速鋳込システムの設計・製造技術を高度化してきており、今回の受注もこの性能が高く評価されたものとしている。  また、日商岩井にとっては韓国内の現地調達ポーションも含めた一括受注だが、POSCOが外国企業に国内外ポーションを一括発注するのは稀という。