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物産〜東芝など、インド・プルリア揚水発電所を受注
受注額約150億円、凍結前の円借款案件



 三井物産をリーダーとするコンソーシアムは、インド西ベンガル州電力公社から、プルリア揚水発電所の発電設備を受注した。8月に正式契約を交わしたもので、受注額は約150億円で、完成は2006年の予定。
 同プロジェクトは、インド西ベンガル州に同国初の揚水発電所を建設するもので、出力は900MW。コンソーシアムは三井物産、東芝のほか、三菱重工業、現地BHELの4社で構成。物産がプロジェクトの取りまとめを行い、東芝が水車発電機、BHELが現地工事、三菱重工業は水圧管をそれぞれ担当する。
 同商談では、三井物産グループと仏アルストーム、独シーメンスとの競合となっていたが、コンソーシアムに現地の有力重機械メーカーであるBHELを抱き込んだ同グループが有利となった。また、揚水発電の技術に関しては日本が多数の建設実績を持つことから技術面で高く評価され、欧州の重電メーカーを退けての受注となった。
 今回の案件は95年2月に総額約205億円を限度とする円借款供与が決まっていた。日本政府はインドが実施した核実験への抗議として98年5月から新規円借款案件を凍結しているが、今回の案件はそれ以前のものであるため凍結の対象外。また、継続案件に関しても対象外であり、昨年3月にもバクレシュワール石炭火力3号機増設への供与を決めている。8月に森首相がインドなど4カ国を訪問したことで、新規円借款の再開に向けた期待が高まっている。