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TPK、廃ポリスチレンのモノマー化技術を実用化
プラント輸出やライセンス供与も視野



 東芝プラント建設(TPK)は、発泡スチロールなどのポリスチレン廃棄物から高純度モノマーを回収する技術開発にめどをつけた。
 ポリスチレン、ポリプロピレンなどの廃プラは現在、焼却処分かサーマルリサイクルで処理されている。このうちサーマルリサイクルではRPF化し、発電燃料などに使用されているものの、燃焼効率が高い半面、用途が限定されているという欠点があった。
 同社が開発した技術の最大の特徴は、一貫した回収工程を触媒無しに高効率で行える点。同社は厚木技術センターにベンチプラントを設置、マーケティングなどで三井物産の協力を得つつ、各種の性能実機試験を行ってきた。その結果、発泡スチロールを圧縮・減容したインゴットから99.7%以上の純度のスチレンモノマーの回収に成功。排ガスやカーボン残渣の発生量も1%未満と極めて少量。同社が実施したベンチプラントの試験の結果、1,000t/y以上の処理規模で採算のとれる見通しが立ったという。
 東芝プラントでは実機化を視野に入れつつ、処理量1,000t/yの実証プラントの建設計画を進めている。また、三井物産と共同で自治体や廃家電リサイクル業者、化学品メーカーなどに拡販を図っていきたいとしている。さらに輸出向けとして、スチレンモノマーのプラントを持たない国にプラント受注やライセンス供与なども図って行く方針だ。